かなり遅いですが、ついに全巻読み終わりました。素晴らしい作品でした。

 

個人的にガビの「悪魔なんていなかった…この島には…人がいるだけ」というセリフが良かったです。生まれや育ち、環境によってそれぞれの人が信じる正義は変わってきます。

 

ようやくその部分に気づいたガビの成長が伺えます。物事を俯瞰で見られるようになった証拠です。

 

ガビは本作の中でも嫌われキャラとして有名ですが、私は嫌いではありません。はじめの頃のガビもパラディ島の人間たちが悪魔だと洗脳を受けていたので、極端な思考に陥るのも致し方ないことなのかと感じました。

 

便宜上はエレンが黒幕となっていますが、エレンもエレンなりの正義を信じた結果行動しただけなので、黒幕なんてものはそもそもいなかったという解釈もできます。

 

ラストのシーンでマフラーを巻いてくれてありがとう」をもってきたのも粋だといえます。スラムダンクの「左手はそえるだけ」に通ずるところがあると感じました。

 

あれだけ壮大な風呂敷を広げておきながら、最後はミカサのささいな感謝の言葉で終わるのがとても良いです。いつの時代も小さな感謝をしていくことが大事なのだと本作で教えてくれています。

 

「極限状態になったときに本性が現れる」をまさに体現している作品だと感じました。