良作です。
ストーリー展開としては、ないに等しいです。しかし、そこが良いアクセントとなっています。
稲村ヶ崎という海があるところを舞台にただただ何気ない日常が繰り広げられる映画です。本作に桑田佳祐さんが関わっていなかったら、間違いなく私は本作を酷評しています。
内容としてはつまらないものですが、海とサザン・オールスターズのパワーで本作を良作に足らしめていると思います。
主人公であるヒロシのやる気の無さは非常に共感できます。生きる目的も何もないように見受けられます。
笑うシーンもほとんどありません。どこか厭世的にすら見えます。
ただただ、何気ない日常を送っている自分に酔いしれているのかもしれません。そういった気持ちは理解できます。
夢や目標を持っている人達も当然いるでしょうが、私は少なくともそうではありません。それなりに幸せに生きればそれで満足です。
その気持ちをヒロシが体現してくれているように見受けられました。
しかし、恋人とドライブに行ったりするシーンに関しては正直劣等感を感じてしまいました。
どこか心の底でヒロシを羨ましがりながら見ている節はありました。しかし、ヒロシに共感できるポイントはたくさんあります。
視聴後は非常に良い気分で終えることができました。心がスッキリしています。
本作は感性的な映画です。稲村ヶ崎に行きたくなりました。