監督 | オリバー・ストーン |
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脚本 | スタンリー・ワイザー オリバー・ストーン |
それなりに面白い映画です。
強欲は善だと主張するゲッコーに惹かれる主人公バドの姿が映し出されています。お金や女性に取り憑かれて、最後は逮捕されてしまいます。
欲望に取り憑かれたら破滅することを示しています。インサイダー取引に一度手を出したら、それまでです。
「言っちゃ悪いが、強欲は善だ」と主張するゲッコーも社会的な制裁を受けています。
欲望に取り憑かれているバドは、上司であるルー・マンハイムにこう忠告されています。
「君が好きだ。一つ言っておく。底なしの淵を覗き込んで何も見えない時、人間は本当の自分の姿を見る」
本セリフは「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」というニーチェの言葉が元ネタらしいです。乗り越えるべき悪や問題に立ち向かうことに没頭し過ぎると、いつしか我を失って、自分自身が悪い方向に影響されてしまう可能性があるという意味らしいです。
バドはゲッコーという悪に騙された報復行為として、ゲッコーを社会的に追い詰めることに成功します。しかし、バド自身もゲッコーに憧れて悪事に手を染めたせいで、逮捕されます。
悪い人に騙された場合、「毒を以て毒を制す」という精神でやり返すのではなく、なるべく波風を立てずにその人物から離れていくのが最善策だといえます。
だって、自分が報復行為をしなくても、勝手に悪い人は自滅するのですから。
本作は良作です。社会生活の中での立ち回り方の参考になると思います。