個人的にはすごく楽しめた本です。お笑い芸人である永野さんのルーツが分かる本です。
一貫して本書では、「普通」を否定しています。否定する材料として、映画『グッドフェローズ』での名台詞を引用しています。
仕事がないときにヤマダ電機のマッサージチェアに座っていた話などはユーモアがあり、読んでいて楽しめました。
永野さんは情に厚い男らしく、自身がホリプロを退所した後もついてきてくれた仲間を持ち上げたいとおっしゃっています。その行動も、音楽業界の人からの影響らしいです。
少し中二病な感じがするところも永野さんの魅力です。
音楽や映画から多大な影響を受けて、芸人『永野』という人物が創造されているのだと感じます。
欲にまみれた登場人物が登場する映画『スカーフェイス』や映画『ウォール街』、現実は空虚だと教えてくれた映画『マトリックス』。
それらの作品が永野さんを支えているのだと実感しました。本当にサブカルが好きなんだということが伝わってきました。
辛かった日々を、「目には見えない全てを真実とした」という思考に移行することで、何とか持ちこたえたそうです。
本書を読む前から本年度の私の抱負は「身も心も虚ろにする」です。
人間、辛いことがあったら同じ思考をたどるんだなと感じました。
永野さんの影響で、私もスカーフェイスや狂い咲きサンダーロードなどを見るようになりました。感謝です。