良作です。
前半は鬼教官によるしごきのパート、後半は戦争に駆り出されるジョーカーのパートに分かれます。
前半で徹底的に男性としての性を捨てるよう教育されます。それにより、純粋無垢な子供になって戦争に駆り出すことが可能になります。
レナードは教官によるしごきにより病み、最後は無敵の人になってしまい、教官を殺し、その後自殺します。自殺するのは非常に勿体ないです。そこから這い上がってほしかったです。
そして、戦闘訓練で恐れを知らない人間に昇華することで、最強の兵士が誕生します。終盤でジョーカーは幼き女性を殺し、見事に「子供」へと変化しました。
そして、ラストシーンで仲間の兵士たちとともに「ミッキーマウスのテーマ」を歌っています。狂気を感じるシーンです。完全に頭のネジが外れています。
本作のタイトルである「フルメタル・ジャケット」という単語は、弾体の鉛を銅などで覆った弾丸のことらしいです。これは、作中でジョーカーが狂気を感じる子供へと変化していく様子を表しているといえます。
つまり、教官のしごきや戦闘での経験が「銅などで覆う」ところに繋がります。そして、「弾丸」は元々のジョーカーの部分だといえるでしょう。
タイトルの伏線回収も見事に果たし、戦闘描写も素晴らしかったです。