マイスコア:100
テーマ:読者を翻弄させる物語
やばすぎる。この物語を17歳でかいたという点もいかれている。羽田圭介はとんでもない才能の持ち主である。
正気が作成した物語で自分は泣いてしまった。その部分で終わっても、点数は95点ぐらいついていただろう。ただ、著者はそうさせなかった。
こうも翻弄されると、人間心理というものはいかに浅はかであるかがよくわかる。読者を感動させる手練手管まで著者は17歳の時点で備えており、なおかつそれをひっくり返した。お見事としかいいようがない。
この作品がなぜもっとフィーチャーされていないのか不思議で仕方がない。
結局、兄弟ふたりとも自分のことを客観視できていないということなのだろうが、これは現実世界でも同じことがいえるだろう。
この作品が恐ろしい点は、感動させることにより、我々がより兄弟や姉妹により柔らかな態度で接するよう誘導した点である。その後、どんでん返しをすることにより、前述した気持ちが一瞬にしてなくなったのだ。
ここまで読者の感情を揺さぶる作品はなかなかない。