出版社:クロスメディア・パブリッシング

 

テーマ:人生の苦しみから解放されるには?

 

自己という形が存在しているのではなく、ツールボックスのようなものだと説明している。感情や思考といったもので構成されているとしている。

 

確かに、そう考えれば、心は安定しそうではある。しかし、鈴木祐さんの他作である最高の体調や科学的な適職と比べると、かなり実用性には乏しい本であると感じた。

 

「「人生は苦である」という前提条件からどう苦しみから逃れていくか?」というのが本書のテーマなのだが、なかなか最適な解決法は書かれていないように思えた。そして、私達は現実を見ているのではなく、物語という虚構を見ているに過ぎないという主張も、いわゆるバイアスがかかっているので、世界が歪んで見えるといった知識は元々自分にあったので、特段驚くこともなかった。

 

そこまで実用性はないように思えた。内受容感覚テストを行ったが、数値が0.97だったので、内受容感覚はかなり高いという結果が出た。だから、良かった。

 

読み手の知識量によって、評価が変わる本だと感じた。あと、むずかしい言い回しがあるという書評があったが、そこまで気にならなかった。

 

むしろ、そういう表現を使ってくれた方が知的好奇心を刺激されるので、ありがたい。