かなり静かな映画です。スタイリッシュな映画でもあります。

 

ドライバーはアイリーンに恋しているのですが、アイリーンの夫であるスタンダードが、犯罪に関わっていたせいで、アイリーンとアイリーンの子供も命を狙われます。

 

しかし、ドライバーは闇の世界に足を突っ込んでしまっているので、最終的にアイリーンとドライバーが結ばれることはありません。

 

主演であるライアン・ゴズリングは、かなり絵になります。クールな演技をするので、ドライブしているときのカッコ良さは、異常です。

 

一番印象的だったのは、ドライバーとアイリーンの最初で最後のキスシーンです。そのシーンの後、ドライバーはエレベーター内の敵を殺します。

 

その凶暴なドライバーの姿を見て、アイリーンが引いてドライバーのそばから離れていくことは、ドライバー自身もわかっていたでしょう。もう二度と会えないとわかっていたからこそ、ドライバーはエレベーターでアイリーンに気持ちを伝えるためキスをしたのです。

 

ラストでのドライバーとバーニーの殺し合いのシーンは、直接的な流血描写はなく、2人の影で間接的に描写しています。お互い光の世界で生きていたいと願っていましたが、どうしても闇の世界の住人へとなってしまう経緯を表しています。

 

ドライバーのジャケットの裏側に記されているサソリは、「サソリとカエル」の寓話を表しているようです。どうしても性を変えることのできないドライバーをうまく表現していると思います。

 

我々もどんな環境でもがいても、根本の性格は変わっていないように思えます。自分らしく生きるしかないといえます。