Metascore:80 User Score:7.9
マイスコア:98
テーマ:権力に溺れることの愚かさ
メインストーリー
- ●第一章 親殺しの宿命 90点
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真島は「手下にもっと厳しくしなければならない」と豪語する。それに対し、桐生は「俺は俺のやり方をやる」と宣言した上で、「真島の兄さんと喧嘩する理由はない」と発言している。
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立ち回りがうまいのか下手なのかがよく分からない人間である。
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真島は部下を殺そうとしていたので恐ろしい。真島建設のときにもいえることだが、やはり人間性はすぐに表に現れるといえる。
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刃物で殺されそうになっても、桐生は目一つ動かさない。この漢、やはりすごい。尊敬でしかない。
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えびすやの店長もいい。「ものを大事にしてくれる人に渡ってほしい」という思いがあり、桐生に無償で指輪を渡した。
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坪井に盗まれたが、なんとか取り返した。不器用だけど、プレゼントを選ぶのを麗奈に手伝ってもらったり、スリから指輪を取り返すために奔走したりといった描写がとてもいい。
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不器用なりに頑張る桐生が私は好きだ。
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麗奈が錦山に惚れているのが、指輪という間接的な物でわかるのが粋でいい。
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刑務所内で食事中に手にフォークを付きたて刺す人が表れることにより、刑務所が異常な世界であることを表している。
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錦山は麗奈に「何もできなかったの?」という言葉をかけられる。同じ組内で言われた陰口と重なり殴る。
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女性を殴ったら人間として終わりである。
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- ●第二章 空白の十年 80点
- 田村が死んでる。桐生の事件を追いすぎて、海でコンクリート詰めにされて死亡する。
- 個人的にユウヤは真っすぐで正義感があるから好きである。
- 錦山には個人的に腹が立つ。桐生が報われない。
- 桐生は真島から出所明けに「弱くなった」と言われている当たり、かなり体がなまっているようだ。
- 世良が誰に殺されたのかは分からない。
- 100億円を盗まれる事件が起こったりと、かなり事件の進展は進んでいるようだ。
- ●第三章 喧嘩葬儀 80点
- 嶋野が怖すぎる。真島も嶋野組なので、嶋野の影響をよく受けているのがわかる。
- 錦山も十年前の事件以来、考え方や行動がもろとも変わってしまったらしい。しかし、殺した張本人は錦山である。その事実をしっかりと錦山には覚えておいてほしい。
- 桐生が一番不遇な気がする。出所後も葬儀会場にて色んな人に狙われる羽目になるし、錦山に鼻で笑われたりしているので散々である。よくぐれずにやれていると感じる。
- 伊達も十年前の事件に関わったせいで、一課から四課に降ろされ、女房と娘も出ていったらしい。「伊達さん、それでいいんですか?」と思ったが、本人の信念でこういった行動をしたので良いのだろう。
- ●第四章 出会い 90点
- 遥が登場する。
- 松重に頭を下げてまで三千万を調達しようとした。錦山にも大事なものはある。
- 妹の命を助けるために、臓器ブローカーに接触する。黒いパイプを使ってしまっている。
- ヤクザをやっている時点でそんなことは鼻から気にしていないともいえる。
- 桐生は遥と共に由美を探しに行く。
- ●第五章 賽の河原 90点
- サイの花屋が登場する。ホームレスを使い情報を入手する情報屋らしい。こういった描写が一番好きである。
- 真島も桐生と対決するためだけに遥をさらうのは狂っている。
- いつまでも桐生と比べられて、錦山も可哀想と言おうとしたが、根本的に錦山は好かない。
- ペンダントが100億の価値らしい。よく分からない。
- ●第六章 父と子
- 跡部京香とサイの花屋の息子の恋愛が良い。京香もヤクザの娘ということもあり、かなり嫌われていたらしい。
- タカシは定職についているように見えないが、エンコを詰める覚悟を持ちつつ京香と共に生きていこうとした。私はタカシを応援する。
- その後の父親同士の会話もかなり粋である。
- 翔太は借金取りとグルでした。クズである。沙耶は搾取されていた。沙耶も「私には翔太しかいない」と言っている。何も見えてない。
- 伊達さんは命懸けで沙耶を守っている。親の悲しさが伝わる。
- 沙耶に「もっと自分自身を愛せ。自分のことを大切にしろ。」と発言する。伊達はいい親父である。
- しかし、発言している張本人の伊達も自己犠牲精神で桐生に協力している。同族嫌悪が働いているのかもしれない。
- 錦山はヤクザに向いてない。風間も「桐生に組を持たせたいだけ」と発言する。もうやめてあげてほしい。錦のHPは0である。
- この出来事により、錦山はさらに桐生に対する劣等感が増えるだろう。
- ●第七章 龍と鯉 80点
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サイの花屋の寝床で遥は腕をうたれて「こんな経験した人いない。まるでドラマのヒロインにでもなったよう」と発言する。かなり肝っ玉がすわっている。この子は大物になる。
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錦山は桐生が身代わりになってくれたのにもかかわらず、桐生の命を狙おうとするのは酷すぎる。不誠実にも程がある。
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日吉に3000万円を搾り取られた。妹の手術代は日吉の借金の返済に使われていた。日吉はかなり酷い人間である。
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医者でその行動はイカれている。錦山は今まで死ぬ気で金を集めていたのに、この様である。
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さすがに不憫である。
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- ●第八章 策謀 80点
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蛇華の日本支部総統である劉家龍が遥を攫ったことが判明する。嶋野と寺田と劉家龍は全て繋がっているらしい。
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嶋野も錦山を馬鹿にする発言をしており、大人の怖さが伺えるシーンである。
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- ●第九章 奪還 95点
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冒頭からかなり良いシーンがある。
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桐生も10年前、錦山が背負うべき罪を自分が被った。遥が自ら離れていくところを見て、桐生も昔の自分と重なったのだろう。
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しかし、運命に逆らった自分を桐生は後悔をしていないように思えた。自分で人生の選択肢を選んでいくことは大切だと思わされる。
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桐生は「遥を応援する」と心に決めた。6歳の女の子が孤児院の意向を振り切って、母親に会うために単身で神室町に来た。
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遥は行動力がありすぎるし、メンタルが強すぎる。肝が座っている様子は、遥の普段の行動からもかなり細かく描写されている。
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私も遥を見習わないといけない。
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伊達が好きである。己の正義に従い行動する男はかっこいい。渋い男である。
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桐生が誘拐の罪で捕まった時も、遥と共に来た上で牢屋の鍵を開けて脱出した。その後、カーチェイスが繰り広げられる。
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錦山優子が亡くなったことにより、錦山は自殺を試みる。大切な存在が失われて辛いのはわかるが、自殺は良くない。
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錦山は完全に狂ってしまった。松重も殺してしまっている。
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どんな手を使っても上に上がる気である。これからさらに闇落ちしていくだろう。
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- ●第十章 愛の形 90点、第十一章 仁義 90点
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麗奈は桐生への造反により、罪を精算するため錦山を殺しにいったが、荒瀬に殺された。ソープが大好きな田中シンジも荒瀬の軍団に殺された。
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錦山は罪な男である。麗奈も錦山と関わらなければ死ななかったはずである。
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桃源郷に行くためにスナックのママに会ったり、シンメイに会ったり、水野に会ったりと、一つの物事を成し遂げるのにもかなりの労力である。
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しかも、桐生からするとこれらの出来事は自分自身のメリットが皆無である。お金も発生しない。
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桐生は義勇兵みたいなことをしている。
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- ●第十二章 再会 100点
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一気に真相が明かされていく。この感じがとても好きである。
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神宮は由美との間に子供を作ったが、総理の娘との縁談があったことで、由美が自ら身を引いた。神宮にとって由美と遥は、邪魔でしかないので、世良と結託して2人を殺そうとした。
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殺そうとしたが風間に塞がれた上、風間は世良を説得した。
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だから、神宮の目から遥と由美を隠すために、偽造パスポートを作ったり、整形したり、遥をひまわりに預けたりしたのである。完璧な話の進め方である。
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なぜ本作の評価が低いのかわからない。
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神宮は自分の匂いを察知した記者を殺している。
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100億円を盗んだのは由美、風間、世良だった。マネーロンダリングのために東城会を利用した神宮を失脚させるため盗んだ。
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神宮は権力を与えられたが、その権力に振り回された傀儡である。スタンフォード監獄実験によく似ている。
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風間が桐生の実親を殺したことも明かされる。その後の桐生のセリフを記す。
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「俺にとっては親っさんが本当の…」
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「親父でした……ーーー」
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- ●第十三章 戦いの果て 99点
最終決戦に行く道中の遥と桐生の会話がすごくいい。ありきたりだが良い。
「時が経つのが早いな」by 桐生一馬
本当にそうである。
由美が爆弾で神宮に脅すとき、こう言い放っている。
「人間は損得勘定だけじゃ動かない。」 「もっと熱い、もっと強い気持ちがあって初めて動くものなの。」
とても刺さるセリフである。由美の信念が見れるシーンである。
錦山は自分なりに最後けじめをとった。桐生もツメが甘い。もし確実に殺していたら、由美は生きていた。もったいない。
遥には「逃げちゃだめ」と遺言を残し、由美はこの世を去る。由美の入れ墨である月下美人の伏線も回収した。
綺麗な終わり方である。最後桐生は「もう逮捕でいい」と投げやりになるが、伊達から良いメッセージが届き、遥を養うため生き抜くことを決意する。私は伊達が大好きである。
ラストの母と娘のサンタの会話は、遥からすると虚しく感じるが、遥は桐生にサンタの冗談をいう。
遥はとても強い子である。好きだ。
最後に錦山が自分の思いを情けない状態でも全部吐き出したのは良かったと思う。その方が人間らしい。
なぜか錦山が好きになってきた。人間は本当に不思議なものである。複雑な気分である。
総評
最高の作品だった。