テーマ:それぞれの登場人物の胸中
かなり難しく、そして静かな映画でした。
カーラ・ジーン・モスとアントン・シガーが愛人関係であり、カーラ・ジーン・モスのためにアントン・シガーはモスを追って殺しにかかっているのではないかと予想していましたが、全然違いました。
シガーはすべての行動をコイントスで決めていました。なぜコイントスで行動を決めるのかは説明されませんでした。それにより、シガーの不気味さや得体のしれなさが強調されていました。
ルウェリン・モスとアントン・シガーは、高いお金を支払って一般人から服を貰おうとするシーンがあります。
前者は大人から、後者は二人いる内の一人の子供から服を貰おうとします。大人はお金を自ら請求しようとしますが、子供は相手がお金を支払おうとしても受け取ろうとしません。
しかし、その後シガーは無理矢理支払おうとして、子供にお金を押し付ける形であげます。シガーが去った後、服をもらった子供の方が、もう1人の子供からお金を折半するよう求めるシーンがあります。
しかし、その提案を、服をもらった子供の方が断ります。
「大人はかなり打算的で利己的であり、子供は純粋だが自分の権利はしっかりと守る」
そう示しているように思えました。
難解な映画だったので、インターネットで調べてみることにしました。シガーという不条理な存在に対し「どうすることもできない」という虚しさを示しているようです。
不条理の象徴であるシガーは生き残り、カーラ・ジーン・モスとルウェリン・モスは死亡します。生死の結果でも不条理さが出ています。
しかし、その不条理さがありつつ、視聴後は爽快感に溢れていました。
素晴らしい映画でした。




