ショーペンハウアー(著), 鈴木 芳子(翻訳)

出版社:光文社

 

テーマ:自分で思考することの重要性

 

名著です。まるで自分にいわれているかのような文章でした。

 

「クソな本は読まなくて良い。時間の無駄である。」と主張されています。つまり、多読を否定されています。「名著を繰り返し読め」というメッセージもあります。これはグレッグ・マキューンの著作である『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』に通じるところがあるといえます。読書とは他人の考えをなぞる行為であるとも述べています。つまり、自分でその都度考えながら読むことが重要であるといえます。このアウトプットもその一環です。わかり易い言葉で重要な真実を伝えることの重要性も説いています。これは、全人類に言えるのといえます。本を読みながら、「自分ならどう思うか?」という部分が大事であるといえます。新刊ばかり買っている人も否定していました。しかしながら、長年残っている本は科学的根拠に乏しい本が多いと個人的に感じます。現在の方が科学は進展しているので、実用書などは今世紀のベストセラーを読んでもいいと感じました。

 

しかし、小説などは古典を読んだほうが意義はあるといえます。小説はあくまで暇つぶしであり、楽しむために読むことが主目的なので、あまり意識しなくても良いともいえます。私はメッセージ性の高い作品が好きなので、小説は古典を読む方が良いと感じました。「なぜ一般人は新刊を好むのか」という理由づけも秀逸でした。「同属性の法則が働いて、陳腐な文章である新刊のほうが読みやすく、親しみ易いからだ」とショーペンハウアーは一刀両断していました。だから、高度な思想体系を保有している名著は読みにくく、みんな避けたがるという理屈らしいです。私自身、ドストエフスキーの『罪と罰』を読むのが苦痛でしかありません。私の思考がまだまだ凡人であることを示しているのかもしれません。

 

本作は古典読書チャンネルというYouTubeチャンネルの影響で読みました。今後も古典読書チャンネルが勧めている作品を読んでいこうと感じました。