井上堅二(著)
相変わらず面白い。アニメも斉木楠雄と双璧をなすぐらいの面白さを保有している作品である。
本書は前半に姫路との同棲生活、後半にCクラスとの試召戦争が行われた。お弁当の交換の下りとかも笑ってしまった。全キャラのキャラ立ちがすごい。姫路はおっとりで天然、島田はツンデレで暴力を振るい、工藤は童貞を誘惑する小悪魔女子、霧島は雄二に一途なSっ気のある女子。かなりキャラの個性の差別化がなされている。
雄二と明久の掛け合いが主に読者を笑わせるポイントとなる。ムッツリーニは一見必要のないキャラに見えるが、むっつりで寡黙な彼がいるからこそ、周りの主要キャラが引き立つのである。鼻血を出すという鉄板のお約束の展開も彼が役割を果たしている。秀吉は完全にツッコミ役である。
本作の面白いところは、ボケとツッコミという役割がきっぱりとキャラごとに分かれていないところにある。例を挙げると、主人公の明久は自分自身の察しの悪さにより勝手にボケ扱いされたり、雄二の行動に突っ込んだりしている。雄二もまたボケ、ツッコミ両方行う。まるで、お笑い芸人の笑い飯みたいである。そんなことを言ったら、芸人さんに激怒されるので、今の発言は撤回しておこう。
何はともあれ、最高に馬鹿で面白い作品なのは間違いないのである。

