原作 えすのサカエ

 

かなり面白い作品です。未来日記という未来を予測する携帯を使用しながらバトルするデスゲーム作品です。

 
※以下、ネタバレが入ります。
 
実は1話の最初のシーンから伏線はあります。我妻由乃が天野雪輝のことを「天野くん」と呼んでいることや、我妻由乃の殺されるシーンを挿入することによって、1周目の我妻由乃が2周目の我妻由乃を殺していることを示唆しています。我妻由乃が天野雪輝に執着するきっかけとなったのは進路相談のときです。「我妻由乃は過去に天野雪輝に助けられている」といったよくあるパターンではございません。つまり、我妻由乃からすると、執着する相手は誰でも良かったのです。たまたまそこに天野雪輝がいたというだけです。家庭環境が荒んでいることにより、依存する相手が誰でも良いから欲しかっただけです。
 
それに加えて、重要なのが天野雪輝も守ってくれるなら我妻由乃でなくても良かったのです。しかし、1周目2周目とゲームをしていく中で、2人の絆は紡がれていきます。やがて、2人の絆は本物となり3周目で結ばれることになります。偽物の思いだった者たちが本物の絆を紡いだのです。この部分が、本作の一番の主軸だと思います。
 
普通の人間がデスゲームに参加するとなったら、自分の命を守るために他人を殺します。しかし、我妻由乃は天野雪輝を守るために他人を殺します。この違いこそ、我妻由乃が最強たる所以だと思います。現実世界でも同じことがいえます。独り身の人間が自分の生活を成り立たせるために稼ぐより、世帯持ちの人間が家族を養うために稼ぐ方が明らかにモチベーションが高いでしょうし、やる気も出ます。人のために行動を起こすことが何よりのモチベーションになります。タレントである田中みな実さんも、こう語っています。
 
「今は求めてくれる人のために生きたいと思ってるし、それが幸せ」
 
まさに我妻由乃と同じ価値観で行動しているといえます。本作でも相手を守るために他人を殺すペアが登場します。7thである戦場 マルコ & 美神 愛のペアです。我妻由乃 & 天野雪輝とバトルするのですが、結果は我妻由乃 & 天野雪輝のペアが勝利します。まさに2人の愛の強さが勝因だといえるでしょう。ここまで愛せる人間に出会えることは非常に幸せなことでしょう。私も見つけていきたいと思います。