監督 アルフレッド・ヒッチコック
脚本 ジョン・マイケル・ヘイズ(英語版)
原作 コーネル・ウールリッチ
製作会社 Patron Inc.
製作国 アメリカ合衆国
メタスコア:100
imdb:8.5
マイスコア:50
テーマ:妄想の世界
全く面白くなかった。同監督の別作品である『鳥』と同じパターンであった。『鳥』でいうところの「なぜ鳥が人間を襲うのか」という理由付けができていないのと同様に、本作品では、「ソーワルドは妻を殺したのか」は最後まで明かされなかった。インターネットで調べてみると、あえて殺人が起きたかどうかを明かさないことで、想像力を駆り立て、恐怖感を演出している、とのことらしい。論理的ではないので、本作はあまり自分は好まない。ただ、ソーワルドがジェフリーズの部屋に入ってきた際の表情は恐怖感をかなり煽っていたので、良かったと思う。ただ、ソーワルドはジェフリーズを殺そうとしていたので、ソーワルドが罪を犯しているのは間違いない事実である。ジェフリーズはいわゆる部屋から一歩も動かずに事件を解決しようとする安楽椅子探偵に見えた。そして、リザ演じるグレース・ケリーがとても美人である。昔の映画の女性キャストは顔面偏差値がとても高い。美人がいると映画が映える。「汝の隣人を愛せよ」といった聖書の言葉が引用されているのは当時のアメリカの背景が見えて面白い。人は他の人がどう生活しているのか見たくなるという欲望を裏窓という設定で生かしていたのは良かったと思う。一つ解せないのは、なぜソーワルドは犯罪を犯しているのに、窓を開けっ放しで罪を犯したのかという点である。そういった部分でも論理的ではないと言える。そして、本作の全編にいえることだが、アパート内ですべて映像が取られている部分は、かなり画期的であると言える。ソーワルドがホテルに向かった際も、そのままソーワルドをカメラで追っかけるのではなく、あくまでアパート内にカメラを向けるといったところは、ヒッチコックならではのこだわりといえよう。あと、「触らぬ神に祟りなし」という言葉をジェフリーズとリザに送りたい。事件に干渉しなければ、ジェフリーズは足を骨折することはなく、時間も無駄に浪費することもなかったのである。