衣笠彰梧 (著), トモセ シュンサク (イラスト)
出版社:KADOKAWA
マイスコア:90
相変わらず面白い。久々にライトノベルを読んだが、やはり面白い。ライトノベルすべてが面白いとはいえないが、『ようこそ実力至上主義の教室へ』は面白い。綾小路を退学させようとする動きがあり、学校の上層部が敵というなんともやりづらい状況にはなっている。しかしながら、綾小路は相変わらず人間的な感情を全然持ち合わせていない。そのおかげで、極めて精巧な判断をし、行動に移すことができているといえよう。宝泉という人間はかなり龍園と似通っている。ただ、綾小路は龍園より宝泉のほうが劣っていると間接的に発言した。個人的には、龍園のほうが、もっと落ち着いて行動し、先を見据えて判断しているという感じがする。ただ、なぜ天沢が宝泉に協力したのかが、かなり意味不明である。しかも、天沢はAクラスである。Aクラスの人間が、宝泉と関わるメリットは、ほぼほぼない。むしろ、宝泉と関わっていることによって、周りから煙たがられたり、関わらないように仕向けられたりする可能性を十二分に含んでいる。そもそも、天沢はクラスで孤立していたと発言していたぐらいだ。だから、宝泉の提案に乗り、少しでも人間関係の網の目を大きくしようと考えたのかもしれない。堀北もかなり優秀であり、怒りにまかせて怒らないところも良い。須藤は堀北という存在がいることにより、自分自身が成長している感じがする。人に恋することにより、人間性が変わり、成長するということがあると感じた。いずれにせよ、面白い作品である。