ショーペンハウアー(著), 鈴木 芳子(翻訳)形式: Kindle版
出版社:光文社
5つ星のうち4.5 186個の評価
マイスコア:100
テーマ:内面を磨け
本当の幸福とは、金や地位、名声、男、女などの俗物的なものではなく、「自分が何者であるか」をしっかりと思考することである、と主張している。そして、内側にある幸福は外側にある幸福に勝るともいっている。しかし、美人やイケメンと映画を見たり、デートをしたりする行為も、すごく幸福であるというのが自分の意見である。自分の解釈としては、他人が求めるものが決して自分が求めているかと言われると違うというものである。実際、自分は高い時計や一軒家などは甚だ興味がない。興味があるのは、アニメや漫画、、映画、本などに触れることにより、昨日の自分と違う感覚を身につけることである。つまり、この自分の欲求こそが、自分の内側にある幸福だといえるだろう。そして、同じ状況にたっても、人によって感じ方はそれぞれなので、ある人がある状況を幸福ととらえていても、違う人はその状況を不幸と捉えるかもしれないのである。そして、陽気な人はどんなつらい状況でも、その中で良い部分を見つけようとするので、陰気な人よりも幸福であることが示唆されている。そして、幸福にとっての敵は、苦痛のみではなく、退屈もそうであると述べている。そして、貧困層は苦痛と戦い、裕福な層は退屈と戦っているのである。つまり、裕福な人が幸福かという問いには必ずしもYESであるというわけではないのだ。だから、たまに刺激を求めたり、追い込まれる状況を望む人がいる。長年の違和感が解消された。そして、幸福は自分の長所を活かすことで現れるとも言っており、自分の能力をしっかりと見極めることが重要であることは、ショーペンハウアーの時代からわかっていたことなのだ。