テーマ:宮崎駿の集大成

 

個人的に、二面性のある青サギが好きです。眞人を騙そうとしたり、協力したりするので、見ていて飽きないキャラです。二番目の母である夏子は、眞人を気遣いながらも、下の世界のときには「あなたなんて大嫌い」と言い放ちます。つまり、母親からの愛情が欠如している状態です。それを無意識に元々感じてか知りませんが、眞人は自分で自分の側頭部を石で傷つけます。眞人は両親からもっと心配してほしかった、もっと自分のことを見てほしかったといえます。みなさんもご存知の通り、同監督の別作である『千と千尋の神隠し』でも、千尋は両親からあまり愛されていない描写があります。やはり何かつながるものを感じます。大伯父が眞人に13個の石を託し、世界の命運を握らせるという超展開には多少困惑しましたが、宮崎駿の作品数が13個なのを考えると、本作は宮崎駿の集大成としての意味合いがあるといえます。そう考えると、本作は宮崎駿が監督として残す最後の作品だといえるでしょう。悲しいですが、後に引き継ぐ宮崎吾朗氏に期待するとしましょう。