監督 ジョナサン・デミ
脚本 テッド・タリー
原作 トマス・ハリス『羊たちの沈黙』
製作会社 ストロングハートプロダクション
製作国 アメリカ合衆国
テーマ:物事の本質を見ること
『本質を見ろ』というメッセージが本作の主要メッセージだといえる。そして、世間で有名なハンニバル・レクターという人物を見られたことが良かった。非常に聡明な凶悪犯である。
クラリスが一人で犯行現場に向かった理由は、幼いときのトラウマを克服しようという思いが強かったからであろう。
「不安を抱く状況に自ら身を置く」
つまり、クラリスはエクスポージャーを行ったのである。エクスポージャーのレベルが高すぎるように思えたが、幼いときのトラウマはとても大きいものなので、高いレベルのエクスポージャーが必要だったということだろう。
4人ほど殺害されていたが、殺された人に焦点を当てることによって、クラリスはバッファロー・ビルが「何かに囚われている」ことに気づいた。ハンニバル・レクターは凶悪殺人犯だが、素直なクラリスには丁重に対応していたので、分別はついている人間かと思われる。
「クロフォードはクラリスとセックスしたがっている」とハンニバル・レクターは指摘していた。クロフォードとクラリスの関係性としては、上司と部下であり、年の差は親子ほど離れているように見える。ハンニバル・レクターは、口に決して出せない本当に思っている心の中の部分を暴き出す人物だと言える。
羊たちが逃げようとしないのは、学習性無力感か、スタンフォード監獄実験による囚人が看守に愛情を抱く情動か、のどちらかが働いたからであろう。
FBIのコースの標語に「痛み、苦悩、苦痛を愛せ」というものがある。痛みや苦悩を愛せず、倒錯な趣味をもったバッファロー・ビルと、過去のトラウマをしっかりと良識的な道で克服しようとしたクラリスの対比であろう。私も『やる気が全く出ない』という苦悩を愛そうと感じた。つまり、負の部分の自分を受け入れることが自己成長へとつながるのであろう。



