監督:ジェームズ・ワン
脚本:リー・ワネル
製作会社:エボリューション・エンターテイメント、ツイステッド・ピクチャーズ
メタスコア:46
IMDb:7.6
☆5
テーマ:真剣に生きているか、否か
面白い。とんだ神作品に出会った。ローレンスとアダムは命のやりとりをやるようゲームをさせられる。その中で、ゼップが黒幕であるかのような演出があったが、実際には真ん中で倒れている人間、ジョンが黒幕だった。ジョンは序盤で癌の診断をうけている。その中で、命を大切にしていない人々に命の大切さをわからせるために、ゲームをたびたび起こしているのである。犯人側も自分自身がつらい状況であるからこその犯行なので、犯人の信念が見て取れる。セブンよりよっぽど良い作品である。途中で見るのをやめようかと画策したときもあったが、見て正解であった。犯人は近くでゲームを見るのが趣味という伏線もしっかり回収された。ゼップも「ゲームを開始しよう」と呼びかけたメンツに入っていたのだ。なぜ、この作品のメタスコアが低いのか全くわからない。真犯人がわかってからのBGMもかなりいいし、鳥肌が立つ。ホラーやサスペンスという部類の中で、ここまでメッセージ性を残した作品はないのではないだろうか。ローレンスは妻と娘が存在するが、あまり相手をせず、不倫相手にぞっこんである。そんなローレンスに黒幕は「真っ当に生きることがいかに簡単ではないか」を身をもって教えたかったのではないだろうか。アダムは可哀想であった。特にわるいことはしていないのに。次回作も気になるところである。想像以上に深い作品だった。ただのサイコホラーではなかった。生きることの喜びを教えているという意味ではデビッド・フィンチャー監督のファイト・クラブと似ている部分はあるのかもしれない。ローレンスは終盤で意を決して自分の足を切った。不倫をしていたが、自分の本心、つまり心の奥底では家族が一番大事であることを想起して、みずからの足を切ったのだろう。ローレンスは結局自殺はしなかった。まだ、家族といたいという思いがあったのだろう。ジョンも最後見逃していたし、目的は考え方を変えるというところなのだろう。