作品や演奏者の対比を感じられた最終日~ラ・フォルジュルネ・オ・ジャパン2019第3日 | Cecilia's Diary

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「聖セシリア」は、音楽の守護聖人。これにならって、音楽をはじめとする芸術や
伝統文化などを楽しみつつ、毎日を生き生きと過ごしている様子をつづります。
ライフワークとしてコーチングも勉強中。

ラフォル最終日は、少しゆっくりめに昼前の公演から。

 

地中海沿岸の伝統楽器アンサンブル、カンティクム・ノーヴムと、尺八、箏、津軽三味線といった邦楽器に二胡と、さまざまな楽器によるとてもグローバルな「シルクロード」。

 

極東と地中海をつなぐ「絹の道」シルクロードでは、さまざまな文化やものが行き来した歴史がありますが、その当時のエキサイティングな活気あふれる様子をほうふつとさせるような、いろんな音楽がクロスオーバーする感じでした。

 

特に、日本の民謡「こきりこ節」を、全員で演奏したのが印象的、いや衝撃的でした。斬新なサウンドに耳がくぎづけ。何度でも繰り返し聴きたいと思わせる演奏で、実はこれ、今年のラフォルの公式CDに収録されていたようですが、買いそびれました…。

 

続いては、「藤倉大が考えるボヤージュ」。

へんみ弦楽四重奏団が演奏したライヒ「ディファレント・トレインズ」は、あらかじめ録音された音楽に、生の弦楽四重奏の演奏がコラボするミニマル・ミュージック作品。タイトルからも想像できるように、電車に乗ってさまざまなところへ旅をする様子を音で表しています。それも、どこかの場所というより、人生、もっと大きくいうと時代を旅する感覚。どこまでもどこまでも人類が命あるかぎり、ずっと続いている時代という旅を表すような音楽でした。

 

そして、今回結構楽しみにしていたのが「コスモポリタン・リストによる2大協奏曲」。

1日目にも聴いたマリー=アンジュ・グッチさんがリストのピアノ協奏曲第1番、そして金子三勇士さんが同じくリストのピアノ協奏曲第2番と、リストのピアノ協奏曲をそれぞれのピアニストが弾くというコンサート。

 

第1番は、よく知られた曲なので、聴きなじみがありますが、グッチさんのきらびやかで柔らかな音が、これまたいっそうステキな作品に聴こえました。第2番は、金子さんのキャラクターもあるのか、男性的で勇ましい感じがありました。金子さんは、つい最近リリースされたCD音源を聴いて、とてもやさしいリストを弾く方だなと思っていたのですが、今回のピアノ協奏曲第2番は、それとは違ってかなり激しい感じだったので、少し意外でした。この方の演奏、ぜひまた生で聴きたいと思いました。

 

夕方は、「パリとニューヨークのエトランゼ」と題し、ガーシュインの「パリのアメリカ人」と、それに対比させるようなミヨーの「ニューヨークのフランス人」を演奏する公演へ。「パリのアメリカ人」は、言わずと知れた有名な曲で、1曲ものですが、ミヨーの「ニューヨークのフランス人」は、6曲に分かれた組曲になっていました。この曲は、ガーシュイン生誕65周年を記念して、レコード会社から依頼された作品だそう。ガーシュインが、「きっとアメリカ人がパリに行ったらこんな感じでパリの街を歩き回るんだろうな」というイメージなら、ミヨーは「きっとフランス人がアメリカに行ったら、ハドソン川やセントラルパークなどを、こんな感じでめぐるんだろうな」というイメージでしょうか。ミヨーの曲は、曲のはしばしからパリっ子のセンスのよさが感じられました。

 

そして、これもとても楽しみにしていた公演、小曽根真さんが出演される「アメリカからJAZZ meets クラシック」。小曽根さんが、ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」を、これぞ小曽根流という感じで、ジャズっぽいアドリブをきかせて演奏。アドリブ演奏しているときの、イキイキして楽しそうな小曽根さん。聴いているこちらまで楽しくなってくるような、ノリノリの演奏でした。それに対比するような感じで、ラヴェルのピアノ協奏曲を演奏したのは、フランク・ブラレイさん。ラヴェルも、どこかジャズ的な要素を含んだところが多い作曲家ですが、こちらはやはりフランス的なエスプリやセンスがあふれていて、ガーシュインと対比させて聴けたのが、とてもおもしろかったです。

 

最後は、ラフォル恒例のファイナルコンサート。「世界を巡る音楽の旅絵巻」と題したファイナルは、シルバ・オクテット、ヴァイオリンのディアナ・ティシチェンコ、チェロのアナスタシア・コベキナ、萩原麻未さん、ソプラノ歌手のラケル・カマリーナ、そしてアレクサンドル・スラドコフスキー指揮によるタタルスタン国立交響楽団と、豪華な演奏陣による演奏で、おなかいっぱいになりました。

 

やはりシルバ・オクテットの演奏は、エキサイティングで盛り上がりました。萩原麻未さんは、グリーグのピアノ協奏曲を演奏されましたが、演奏はともかく、オケの伴奏で待ちのあいだ、ドレスが気になるのか、また椅子の調子なのか、しじゅう座りなおして落ち着きがないのが気になりました。

 

今年も、3日間ずっと音楽三昧で過ごしたゴールデンウィークでした。途中までではあったけど、コルシカの男声合唱団、タヴァーニャのインタビューを聴いたり、ジャン=クロード・ペヌティエさんや、ギターのエマニュエル・ロスフェルダーさんのマスタークラスを聴いたり、また、島村楽器さんのブースにおいてあった、SAUTER(ザウター)というドイツのピアノをちょこっと弾かせてもらったりと、音楽そのものを楽しませてもらいました。

 

来年2020年は、生誕250年を迎えるベートーヴェンがテーマ。大好きなベートーヴェンのほか、彼に関連する作曲家の作品も聴けそうです。今から来年が楽しみです!