美しきバケモノへの愛~MIWA | Cecilia's Diary

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「聖セシリア」は、音楽の守護聖人。これにならって、音楽をはじめとする芸術や
伝統文化などを楽しみつつ、毎日を生き生きと過ごしている様子をつづります。
ライフワークとしてコーチングも勉強中。

昨日は、NODA MAPの公演「MIWA」を観てきました。
「MIWA 」とは、美輪明宏さんのこと。
実在するだけでなく、まだ存命中の人を取りあげるというのは、
結構勇気がいることだなあ、と思うのですが、
この「MIWA」を宮沢りえさんが演じています。
美輪さんの若いころの写真を見ると、ほっそりとした美少年。
りえさんの華奢な雰囲気が当時の美輪さんのイメージに近そうです。
この役をもし男性が演じたら、どんなに美形でも
ちょっと違ったものになってしまったかもしれません。

またとてもユニークなのが、「MIWA」の影武者のように
くっついてくるのが、安藤牛乳(アンドロギュヌス)。
アンドロギュヌスとは男性と女性、両性を備えたものという意味。
このアンドロギュヌスを、小さいころの「MIWA」が
うまく言えなくて「安藤牛乳」と言ったところから
ずっと「安藤牛乳」と呼ばれることになりますが、
これを古田新太さんが演じています。

「MIWA」の陰ひなたとなって現れたり消えたり。
思わず笑ってしまうのが、「MIWA 」が歌を歌うときに
うしろで「安藤牛乳」が声を出すというシーン。
何度出てきても笑ってしまうほほえましいシーンです。

美輪さんの自伝を読んだことはないのですが、
幼少のころは長崎の遊郭街のある場所で育ったとか、
第二次世界大戦中は、直撃を受けてはいなくても原爆を体験しているとか、
若き映画スターとの悲恋とか、彼の自伝的要素が盛り込まれていますが、
その真実に虚構をまぶした、野田ワールドは、
いつもながら言葉遊びと舞台を走り回る役者たちで
スピード感のある舞台でした。

今でこそ、オカマとかゲイとかオープンにされて、
少なくとも芸能界やメディアの世界では受け入れられていますが、
まだまだ一般的な世間では受け入れ難いものだろうと思います。
今でもそんな感じなので、美輪さんの若い時代は本当に大変だったんだろうな、
と思いました。

この芝居の中で何度も「バケモノ」という表現が出てきますが、
これは決してネガティブな言葉ではなく、まるでバケモノのように
おいそれとは手に入れられない美しさのことを
表しているように思いました。

当事者の美輪さんは、この舞台を見ていったいどう感じるのかなー。