遠くに鳥の声が聞こえる
もう朝だと知らせる声
今日は当直も無かったから
ゆっくり寝ていられたよなと
またまどろみの中に足を戻そうとする
が、朝の光が僕の邪魔をした。
僕は渋々目を開ける。
見覚えの無い風景が
僕の前に広がる
シンプルというよりはそう
【殺風景】という言葉が
そこにはよく似合っていた
そして・・・僕を最も驚愕させたそれが
僕の横で気持ちよさそうに寝息を立てたいた
『・・・スッ・・・スズキッ!』
僕は思わず声をあげそうになる
が、その声を咄嗟に抑えっていた。
とにかく状況の整理が必要だった
冷静になる必要があった
そうだ男同士なんだ、雑魚寝することだって
別におかしいことじゃないはずだ
僕は自身の行動の正当性を主張していた
がそれは次の瞬間もろくも砕け散っていた
僕は産まれたままの姿でシーツにくるまっていた。
僕の心臓が早鐘を鳴らし始めていた。
僕は一つ深呼吸をし、冷静さを取り戻す努力をする
そして一つの事実にいきついていた。
昨日の記憶が無い
闇の中を歩くようなそんな感覚
僕は順番に記憶をたどっていく
がやはり記憶が無い
考えれば考えるほど曖昧な記憶と
そこで起こったかもしれない最低な事実を
肯定する考えが浮かんでくる。
そして気持ちよさそうに眠る横顔が
酷く憎たらしいものに思えてきた。
とにかく、思い出すしかない
昨日、あったことのすべてを。
僕はもう一度記憶をたどっていくことにした
~続く~