映画の楽しさ2400通り

映画の楽しさ2400通り

ある映画好きからすべての映画好きへの恋文
Love Letters to all the Movie Lovers From a Movie Lover

映画鑑賞数が累計2400本に達したのでブログのタイトルを更新しました。

ジャンル:一般犯罪
製作国:韓国
監督:ナ・ホンジン
愛するポイント:現実社会の暴力と人として生き抜く力をリアルに描く


韓国のアクション映画/ドラマをよくご覧になる方はご存知と思いますが、韓国製アクションには驚くほど銃器が登場しません
銃器の所持、場合によっては携行も認められているアメリカと違って基本的には一般個人の銃器所持が認められていないので当然と言えば当然ですが、同じく認められていない日本の映画では「遊戯シリーズ」や「あぶない刑事シリーズ」(未見)などで派手な銃撃戦が行われていることを考えると、よりリアルな対応だなあと思います。

勢いアクションシーンで使われる武器は、銃器よりも刃物(刀剣から包丁、まさかりなどを含む)、鈍器(鉄パイプ、角材、鉄製工具など)、素手(テコンドーやボクシングなどを含む)などが多くなります。
その上、韓国の作家も観客もリアルな描写を好むというか、中途半端な描写を許さないというか、映像を観ている側までも痛みを感じるような詳細で具体的な容赦ない描写・映像が多く、正直げんなり、よく言っても疲弊してしまうこともたびたびです。
一時のマカロニ・ウエスタンにそういう描写が多く見られましたが、マカロニファンの僕から見ても韓国映画の描写のほうが凄まじいと感じます。

連続殺人事件を題材にした本作「チェイサー」もまさにそれ。どういう得物を使ったどんなシーンがあるかはこれから観る人のために言わずにおきますが、気の弱い方には決してお勧めしないレベルではあります。
とはいえ、「あれで本当に(弾丸が)当たったのかな?」「あんな風に一発で相手の戦闘能力を奪うことってできるのかな?」などと思ってしまう銃撃戦のシーンにはない迫力で観る者(観るだけの精神力?がある者)の眼をくぎ付けにする、トップクラスのアクションであることは間違いありません。

アクションだけでなくストーリーも割と悲惨で心が洗われるような救いもなく、映画に現実の悲惨さを求めないファン(楽しいから映画を見るのですからそういう観方も当然ありますよね)にはやはりお勧めしない展開でもあります。
ですが韓国のみならずどこの国でも起こりうる、というか現実に起こっている悲惨さ・残酷さ(暴力)が真っ向正面から描かれていることも事実で、そんな中に"人間として"責任を果たそうとする心根、生き抜こうとする力を現実的に説得力を持って描いた点に心を掴まれました。

監督は「哭声/コクソン」で大ヒットを飛ばし、新作「Hope」(未見)もカンヌで好評だったというナ・ホンジン
「Hope」はカンヌ映画祭主催者側が提出期限を延長してまで参加させたというほどの期待の作家で、長編デビュー作となった本作でも本国で500万人以上を動員したそう。こういう作品がヒットする韓国大衆のパワー(肝の座り具合)も同時に感じる作品です。

※15年前に初めて観たときのちょっとだけネタバレありの紹介記事はこちらです。
 

ブロトピ:2026/6/11