こんちには、個別進学塾アライン大網校です。

 

去る5月18日に、令和4年度の千葉県立高校入試の平均点が発表されました。

5教科(本検査)で266.7点でした。

前年度が286.2点でしたので、約20点程下がりました。

国語47.7 社会56.3 数学51.5 理科52.7 英語58.7

となっています。

 

当教室としては、国語が一番課題だと感じていたので、

国語をもう少し分析していきたいと思います。

 

今年度の国語の問題は、前年度から若干の変化がありました。

設問の前に前提となる文章を読まないといけなかったり、

記述式の設問が多くなったりしたことが変更点として挙げられます。

 

国語は入試当日に一番初めに取り組む教科であり、変更があると

大きく動揺してしまう生徒もみられます。

当教室の生徒でも、国語が難しかったという意見が多かったです。

 

正答率の低い、「難問」と言える問題を、まず見ていきます。

 

大問5(小説)の(2)の抜き出し問題が正答率0.6%となっており、

最も正答率の低い問題となっています。

入試終了後に問題の難易度を自分なりに

☆1つから☆☆☆3つ(☆1つが一番易しく、☆3つが一番難しい)で評価していたのですが、

やはり、この問題は☆☆☆になっていました。

「正浩の期待を上回る悠人の変化が表現されている一文」とありますが、

”正浩の期待を上回る悠人の変化”を読み取れる文が無く、

この解答にたどり着くのは、困難な問題になっています。

”正浩の期待を上回る悠人の変化”を表す表現を探して何度も読み返しましたが、

結局、明確にここだ、と言える部分は見つかりませんでした。

(ほとんど誰も正答できていないので、この問題で差がつくことはありませんが)

 

次に正答率が低いのが、大問5(小説)の(5)の(C)の記述問題

4点満点は1.4%、1~3点も1.7%のみとなっています。

20字~25字指定の記述問題ですが、「・・・と・・・とは、・・・・・」という形で書け

という指定があります。「・・・と・・・とは、」の部分に人物が入ることは想像できますが、

模範解答の「強い絆で結ばれている」ということまでは、

指定範囲の最後の四行の表現から読み取るのは困難です。

この解答になるということは、明らかに”絆の強さ”を感じさせる表現が、通常ならあるはずです。

しかし、”強い絆”の明確な根拠になる表現が見つかりませんでした。

もちろん、仲が良くお互いに信頼していることはわかるのですが・・・。

 

漢字の”陶冶”の読みも、3.9%の正答率でかなり低くなっています。

”冶”の字は印象的だったので(読めませんでした(泣き))、教科書に載っているのを

覚えていましたが、日常的には接することのない漢字だと思います。

 

と、ここまでは点数の差がつかない問題でしたが、

やはり差がついたのは、記述問題ですね。

正答率10%台から40%台前半の記述問題が計6題あります。

記述問題ということで、表現力がものすごく必要だったり、文章を書き慣れている必要があるのかというと、

そういう訳ではありません。

記述問題ですが、字数が少ない(5字~10字)ので、作文力がそれ程必要だとは思いません。

 

文章及び設問自体の情報から、いかに最適な回答を導き出すか、ということが重要だと感じます。

また、営業マン=相手の立場に立って話を聴くことが大事、優しさと厳しさ=愛情

のように、大人であれば、経験的にあるいは知識として、文章を読まなくても

何となく答えを導き出せそうなものもあります。

やはり、国語は読解力を含む総合力の学問だと思います。

知識や経験があった方が有利ですし、様々な文章に触れて疑似体験や疑似的な経験・知識を

持っていたほうが有利だと思います。

 

また、大問5の(4)Ⅰ 立ち向かう⇔Ⅱ 逃げる

のように”対比”するような語句を求められているんだなという理解、

大問5の(5)(a)の直喩をつかった表現⇒「~ように」を探す、

のような公式的に対応できる問題もあります。

そういった、設問を解く際の引き出しを増やしていくことも大事だと感じます。

 

ここまで、千葉県立入試の国語を、主に設問をどう理解し解いていくか

という観点から分析してみました。

これらのことも踏まえつつ、夏休み以降の中学3年生の国語の指導について考えていきます。

 

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