胸囲の格差社会について/ロリコン先輩と面倒な後輩女子→知り合い少女 | 墜落症候群

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墜ちていくというのは、とても怖くて暗いことのはずなのに、どこか愉しい。

胸囲の格差社会について/ロリコン先輩と面倒な後輩女子→知り合い少女

「貧乳のお前は、先輩の豊満な胸についてどう思うんだ?」
「それ、もう飽きた」
「……え?」
「どうせ、その質問は、『巨乳は死ねばいいと思ってる』、とか、そういう嫉妬系セリフを期待してのことなんでしょ?! だからそういう、貧乳キャラが巨乳キャラを羨ましがるっていうパターンに、飽きたって言ってるの!」
「へ、へぇ……」
「胸囲の格差社会だとかね、いい加減鬱陶しいの! テンプレもここまで来るとうんざりするのよねぇ……」
「そ、そうですか……」
「それにね、統計的に見て、男の80%はロリコンなんだから、むしろ巨乳キャラこそ貧乳キャラを羨ましがるべきなのよ! 自分の胸が、残念ながらあることを、悔しがるべきだと思うのよ!」
「お前は何と戦っているんだ……」
「ちなみに、それはあくまでテンプレ批判であって、私個人としては胸はあった方がいいと思っているわ!」
「なんて面倒な女なんだ……」

 テンプレ批判については作風として盛り込んでいきたいところだ……。

「な、なんて貧乳力だと言うの……?! 所詮、毒舌なだけの後輩では、モノホンの幼女には、敵わないわ……!」
「え、えーと……何言っているんでしょう、この人……」
「少女ちゃん。ちょっとこの後輩、頭がおかしくて……」
「そうなんですか?」
「現実と二次元の区別がついていない、残念な後輩で……」
「聞こえないわ!」
 堂々と後輩は『聞こえていない』ことをアピールした。それってつまり聞こえてるよね?
「どうせロリコンの先輩は、きっと少女ちゃんを好きになってしまう……!」
「俺はロリコンじゃない」
「真顔っ?! なんですか、その真顔……その真剣な顔、今まで見たことないんですけれど……」
「ロリコンじゃないんだ……」
「二度?! 二度言ったこの人?! なんかもうそれ、疑惑じゃなくて確定ですよね、そうですよね」
「(少女ちゃんは怯えた瞳で、こちらを見ている!)」
「いや、ネタだよネタ?! なんだよもう、後輩のお陰で、俺に要らない疑惑がついちゃったよな~、まったく、後輩に付き合うっていうのは先輩に課せられた義務だからな~」
「そ、そうですよね……? 先輩さんは、少女に欲情するような変態さんでは、ないんですよね……?」
「うるうるした瞳で見つめないでくれ! 禁断の扉を開けてしまいそうになるだろうが!」
「完全にロリコンじゃないですかこの人……やだー」
 後輩は完全に唾棄すべき者を見下す目つきで俺を見ていた。
「はぁ、まったく、俺も罪深き存在だぜ……たった一日で、二人の女にそんな見下した視線を向けられることになるとはな……」
 格好つけてぼやいてみた。
 二人の視線の温度が更に下がる。
 まったく今日は厄日だぜ――完全に自業自得なんだけどね。