「天田さんって、かなり自己評価高いですよね? でももっとちゃんと自分を見つめた方がいいと思いますよ?
このブログが天田さんが自分を全力で放出している場所ですよね? つまりこのブログに対する評価が、世間的な天田さんへの評価ですよ。
これは結構適正で、天田さんは今のままでは世界なんて変えられるはずないですよ。
あまりにも矮小で、ちっぽけです。大したことないんです。
結局、じんさん人気に頼らなければ、ネットでも読んでもらえなかったくらいにちっぽけなんですよ。
現状分析できてますか?
あなたの人生の中ではそりゃあ、あなたが一番なんですから、そういう感覚はあったっていいですよ。でもですね、結局のところ、今の状態でも色々な人に知ってもらえたなら、人気が出るなんて考えているなら甘ちゃん過ぎて笑っちゃいますね。
結局、どんなに既存作品を見下したとしてもですね、あなたの作品には商品価値がないんですよ。
売り上げ千五百円が適正なんですよ。
いい加減に現実を見てくださいよ。
あなたが色々なよそ見をしている場合ではないんです。
あなたはそのままではいけないんです。
もっと文字を書くことに傾倒しないといけないし、もっともっとストイックになるべきなんです。
自分の出来ることを全部捧げてもあなた程度の才能では作家になれるだなんてちゃんちゃらおかしいんですよ。
笑わせないでください。
私を爆笑させないでください。
哀れですね。
こんなブログを経営して、少数の人のやり取りができていれば、あなたは満足なんですか?
それで幸せですか?
ブログに色々なレスが付くのは良いことですよね。
でもそれと作家になるってことはまったく別のこと、別のレベルのことではないですか?
いい加減、作品を書くべきです。
作品を書いて死ぬべきです。
ダラダラと生き延びるくらいならば、もう死んじゃった方がいいんじゃないの?
あなたは生きる価値がないです。
一片もね。
一ミリもね。
ほら……語彙がない。
会話センスがない。
人を惹きつけられない。
面白いと思ってもらえない。
あなたの弱点なんていくらでも思い浮かべることができます……なんて言葉で誤魔化しているからいけないんですよ。
天田さんはヤバいと思ってますよね?
文章、書けなくなってきているんじゃないの? 俺、って。
このままでいいのか? って。
いや良い訳がない、って。
適正な評価って一体何なんでしょうね……それはなかなか悩ましいところです。
でも、はっきりとこれだけは言えますよ。
あなたはとにかく公募に作品を送りまくってください。
まだまだ無理だとは思います。
引っ掛かりもしないでしょうけど、まず文章を仕事に結び付ける努力をしてください。
ネットに文章を上げていくことで、いつか人気出るかも……とかバカなこと言ってないでください。
いつまでもそんなこと言っていると、あっという間におじさんになって、おじいさんになっちゃいますよ?
一日の価値っていうのは大事ですし、結局の所、人間には二十四時間しかない。そのことにもっともっと自覚的になった方がいいですよ?」
「さて。
揚羽。
俺は一体どうしたらいいんだろう? どうやってバランスを求めたら良いんだろう? 文字を書くことと、文字を読むことにどれくらいの比率を保ったらいいんだろう?
そしてどれくらいの休憩を取るのが正解なんだろうか?
どうやったら俺は作家になる為の生活を手に入れることができるんだろう?」
揚羽はため息を吐いた。
「まず、そこからダメですね。作家っていうのは別に生活のことではないんですよ。作品のことなんですよ。面白い作品が書き上げられれば何でもアリなんですよ。もうこだわりは捨ててください。
もっと面白い文章を書くことに固執してください。面白い文章を生み出す為の生活、なんて遠回りじゃないですか? ただひたすらに書けばいいじゃないですか?
っていうか、ただ書いていても仕方ないんですよ。何作も何作も書いてください。
基準点以下のあなたが何故出し惜しみができるんですか? 舐めないでくださいよ、人生……。
いい加減、なんとかしましょうよ。
這い上がりましょうよ。
腐ったみたいな人間の仲間はやめましょうよ。
いい加減にしましょうよ。
そろそろ他人の批判の時間は終わりです。
そろそろ始めましょう。
あなた自身の時間を」
「まあ、書き続けるしかないのかな。
そうだろうな。
結局、今の俺の文章が簡素なのはずっと読みまくってて書かなかったからなのかな。
文体っていうのもよくわからないけれど、何がいいのか、正解なんて見えないけれど、一つだけ言えるのは書かないとダメだってことだな。三ヶ月で一作っていうのがラインなら、その中で自分の全力をぶつけていくしかない。色々な方法が考えられるけれど、三ヶ月に一作っていうラインを守らなくてもいいかもしれない。例えば、一ヶ月で書き上げる作品があったっていいし、新人賞の為に半年掛ける小説があってもいい。
でも多分一、ニ、三ヶ月で一作っていうのは一つのラインになるだろうし、やっぱり俺としては、一日五万字っていうのはラインだな」
「例えば、その五万字ですけれど、それが本当にできて、しかも小説に限定したとすれば、天田さんは四日で一作書けるんですよ。長編をですよ?
それなのに、どうして小説を書かないんですか?」
「僕は小説を書くのが怖いんだ……どうしてだろう?」
「泣かないで……」
「何故か、小説だけは書くのが苦しいんだ。他の文章は大丈夫なのに……長編の設定から高めて、それで書くっていうのだけがどうしてもできない……」
「天田さんなら書けますよ」
「…………」
「天田さんなら書けます。
満足できるのはなかなかできないかもしれない。多分天田さんは商品としての小説に求めるラインが高過ぎるんですよ……」
「うん……」
「勿論、あなたの文筆力はまだまだですが、天田さんは電撃文庫のほとんどが稚拙に感じますよね?」
「そうだね」
「あれくらいなら俺にも書けるって思いますよね?」
「もっと凄いの書けるよ」
「だったら書きましょう。書けばいいんです。目に物見せてやってください。
理想が高過ぎるあなたは自分に満足出来ないでしょうし、小説を書く度に死にたくなるでしょう。
見下しているレベルの文章すら書けないかもしれません。
それらの文章はひたすらに自慰的で、あなた以外の人間には見てられないものかもしれないです。
でもあなたは色々なものが稚拙に見えるくらいには本当は実力がある人だと私は考えています。
小説だって、慣れですよ」
「ああ。書くよ俺は。
ありがとう。揚羽」