分けて考えるのをやめにしよう | 酒井聡の一億総経営者
2014年08月09日 18時31分08秒

分けて考えるのをやめにしよう

テーマ:酒井聡の日記

僕は元々アートが好きな人間だった。
小説作家になりたいとずっと思っていたし、学生の頃はバンドを組んで音楽に打ち込んだり、絵を描いたりすることが好きだった。
寝る暇を惜しんで情報誌を編集したりイベントの準備をしたりしていた。
過去形で書くのは対比を強調するためであって、今でもアートはすごいと思っている。

いつのまにか、日常を占めるビジネスの割合が大きくなっていた。
いつのまにか起業を志すようになって、中小企業診断士の資格を取るために四六時中勉強をするようになった。
試験に合格してからも、5分でも時間があればビジネス書や技術書を読むようになった。
知識を仕事に活かすのが楽しくなって、あんなに好きだった小説は読まなくなった。
この豹変を我ながら納得できていなかった。

きっかけは自覚している。
もともと本を読む習慣がある中で、「経営者の本」にはまった時期があった。
CAの藤田さん、ヤマトの小倉さん、コマツ、タリーズ、リクルート、ミスミ…。
本を読むほど事業を興す魅力に取り込まれていった。


最近よく「起業の目的」を聞かれる。
人によっては世の中を良くすることだったり、エクセレントな組織を作ることだったり、お金を稼ぐことだったりと、人間性が現れやすいところだからだと思う。
どこにフォーカスしている人が成功しやすいとか、井戸端会議にはうってつけの話題だろう。
僕は企業理念にも掲げている通り「個人をエンパワーすることで世界を変える」ことがしたくて起業をしたと答えてきた。
そこに偽りはない。
ただこの企業理念だけだと説明がつかないとも感じていた。
自分が何を指針にして動いているのか分からなくなることがあった。


最近人と話をしていてふと辿り着いたキーワードがあって、これが強烈に自己理解を助けてくれた。
僕は「感動」を追い求めていたことが分かった。
賢くなったって金銭的に豊かになったってそれが幸福につながるとは限らない。
でも、毎日感動することができるのであればそれを幸せと言って差し支えないと思う。

小説や音楽はいつも僕たちを感動させてくれる。
あの夕涼みに浸る野外会場でプレイヤーもオーディエンスも感動に包まれる。
だから素晴らしい。

新しいビジネスも同様に感動を生むことがある。
Macintoshやブクログはアートのような瞬発力こそないものの、長くゆるい感動を生み出してくれる。
だから素晴らしいと思う。

そう考えると僕の価値観は何も変わっていなくて、今までアートとビジネスを分けて考えていたことが間違っていたのだと気づいた。
結局僕は自分が感動したくて、感動を生みたくて動いている。
色々なことを言う人がいるが、自分の方針と合わないことを器用に考えようとしても残念ながら意味がない。
今まで分けて考えていたものを一緒にしてしまうとあらゆることがシンプルになる。
仕事に向かう姿勢もプライベートの過ごし方も何を勉強するのかも全部だ。
オフの日には仕事を持ち込まないべきとか、企業理念は持つべきとか、起業家はこうあるべきとか、社会的意義がどうだとか、よく分からない一般論に左右されるのは馬鹿げている。
情報発信しようとして、ライフハックしようとして、みんなあまりにも難しく考えすぎている。
難しく考えすぎたライターの記事は印象派のように美しいから、多くの人が真に受けて自分が好きなわけでもない野菜を育てている。

感動を基準におくやり方は汎用性があるのではないかと思ってこのエントリーを書いた。
人によって価値観は違うと言うが、共通するベースとして感動があるのではないかと思う。
難しく考えるのをやめよう。
感動をベースに、アートもビジネスも飛び越えて、何をしたいのかを考えよう。

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