こんばんは。
今回は少しマニアックな話で、ストレス処理能力「SOC」について語っていきます。
先にネタばらししておくと、数年前に職場の学会でストレス軽減について取り組みまして。
その際にこの「SOC」に着目し研究を行いました。
今回は、その時の学びを簡単に書こうと思います。
介護を行う上で切っても切れない、ストレス。
介護以外でも仕事や人間関係、家庭や社会情勢などストレスを感じる場面はたくさんあると思います。
そんなストレスと戦う方々の参考になれば幸いです。
まず、SOCとは「sense of coherence(センス オブ コヒーレンス)」の略称で「首尾一貫感覚」とも呼ばれます。
イスラエルの医療学者であるアーロン・アントノフスキー博士が提唱した概念で、一般的にストレスに強いと言われる方は、このSOCの数値が高いと言われています。
SOCとは、以下の3つの感覚からなります。
①把握可能感(わかる感)
自分の置かれている状況を把握・理解できること。
説明や予測が可能な状態であること。
②処理可能感(できる感)
何とかなりそうだと感じれること。
困難な状況でも解決への道筋が立てられる状態であること。
③有意味感(やるぞ感)
やりがいを感じること。
いま行っていることが、人生にとって意味があると感じられること。
また、このSOCを測れるテストがありまして。
要は、ストレス処理能力を数値化することが出来ます。
13項目の簡易的なテストなので、これが絶対とは言えないですが…指標の1つぐらいにはなるかと思います。
もしお時間あれば、下記のサイトにテストの設問が掲載されてますのでやってみて下さい。
↑テストはこちら
いかがだったでしょうか。
ちなみに、一般平均が54〜58点と言われていまして。
それより高い点数の方は、ストレス処理能力が高い傾向にあるといえます。
ちなみに先述の学会の取り組みで、自フロアの職員対象に同様のテストを行ったところ…
平均が48.5点とかでした。
うちの職場ストレス耐性低っ!とか言いつつ、たしか私自身は43点とかでした…。
自分では楽観的だと思ってたのですが、無自覚にストレスにまみれて生きてたみたいです。笑
むしろ、平均値を越えてる職員の方が少なかったですね。
なぜこんなにもストレス処理能力が低いのか。
この結果を受けて、テストの解答を集計・分析を行いました。
結果、うちの職場の場合は
「自己肯定感が低い傾向にある」
という結論に至りました。
前述の3つの感覚でいうと「②処理可能感(できる感)」が低い傾向にあったんですね。
業務がキャパオーバーというより、自分の能力に自信が持てていない傾向が強かったです。
そのため、学会では
自己肯定感を高める取り組みを行い「ありのままの自分で良いと思える職場環境づくり」が、ストレスに強い職場を作り、ひいては離職の防止・人材の定着に繋がっていくのではないか。
みたいなまとめ方で発表をした…ような気がします。
記憶が曖昧ですが。
ただ、結局「着眼点は良いが継続性に課題」との審査員評で賞は取れませんでした。
おかげでまた私の自己肯定感とSOCは下がりました。笑
うちの職場の場合は自己肯定感でしたが、SOCを下げる要因なっているものは環境によって違うのかなと思います。
やりがいがある仕事だけど、やることが多すぎてキャパオーバーでストレスが処理出来なくなっているケースだったり…
ある程度理解してるし出来るけど、なんでこんな事やらなくちゃいけないんだろうという心持ちになってしまっていたり…
いろいろあるかと思います。
ストレスをこの世から無くすことは出来ないし、ストレスへの対応の明確な正解もない。
けど1つの引き出しとして、今回ご紹介したSOC(首尾一貫感覚)がストレス対処の何かヒントになれば幸いでございます。
この記事だけではとてもSOCを語りきれないので、外部リンクも載せておくので興味ある方はご参照下さい。
では、また。
参考文献
学会の時にめちゃくちゃお世話になった本です
↓