彼との衝撃的かつ変態的な出逢いと、愛に至る道のりを語っていきます。
これは彼との愛の物語
恐ていた事態が起きた。YからLINEが届いたのだ。〇〇シネマでのことを家族にバラされたくなければ自分のものになれ、と。
しかしそこで泣く泣く言いなりになる私でもない。反撃のチャンスを虎視眈々と狙っていた。
HにもLINEで苦情申し立てしたけれど、Hからはこんな返答があった。
「だからオレがいないときに勝手にやられると困るんだよ」
いったい誰が紹介して遊んでやってくれと懇願したのだと思っているのか。しかもYとは〇〇シネマのようないかがわしい募集で顔を合わせる程度の知り合いで、住所も直接の連絡先も知らないと言う。無責任にも程がある。
しかし重要な情報源であることには違いない。協力しないならもう会わないと言えば、容易にHは協力を承諾した。
YへのLINEでの説得も虚しく数日が過ぎた頃、待ちに待った彼との初デートの日がやってきた。仕事が終わってからショッピングセンターの駐車場で彼を待つ。
これといってオシャレもしてないラフなスタイルで人懐っこい笑顔を見せる彼に、それまでの緊張が溶けて消えていく。
「オシャレな店なんて知らなくて」
と言う彼と、ファミレスで食事して他愛もない会話を楽しんで、気取らずまるで昔からの友人と話しているような感覚。彼の隣は居心地がいい。
食事の後はカラオケに行く予定をしていたけれど、彼の気まぐれなのか、少し寄り道。立ち寄ったのは住宅地の一角にある小さな公園だった。
夜の公園の駐車場に数台の車がとまっていた。彼の知り合いなのか、彼が車を降りて軽く手を上げると、1台の車から一組の男女が降りてきた。
何やらしばらく立ち話をした後、彼が手招きで私を呼ぶ。
「これがこの前話した子」
彼がそう私を紹介する。〇〇シネマでの一件のことをその男女に話していたようで、2人も私に同情するやら犯人に憤るやらで話は盛り上がっていた。
私はといえば持ち前の人見知りで、彼の背中に隠れてただそんな様子を見ているだけだった。
そこがどんな公園で、その男女が何者であるかを知るのはもう少し先のこと。
2時間ほどカラオケを楽しんだ後、妙に改まった調子で彼が言った。
「ちょっと遅くなっちゃったけど、どうする?ホテル行く?嫌ならいいんや…」
私も少しはにかみながらも微笑んで答える。
「私もしたい」
彼の力強い腕に抱かれ、私の中に彼を受け入れる快感に身を委ねる。好きな男の欲望を受け入れるのは初めてだった。
それまでにつきあった男は何人もいたし、経験人数だけなら人並み以上。でも、いつも請われて断れずにつきあったか、ただのセフレに過ぎない男ばかりだった。本気で好きになって自ら求めた男性が過去に一人だけいたけれど、そのひととは結ばれることはなかった。
初めて身も心も満たされることを知り、感動さえ覚えたそのときに彼の口から出た言葉に、私は唖然として思わず笑ってしまった。
「ああ、気持ちいい。これこれ。もう1回挿れたいと思ってたんや。あのとき、後ろから挿れてたの俺なんや」
「え!?そうだったの?」
あのときは彼をただ私を助けてくれた紳士なヒーローだとしか思ってなかったけど、しっかり放置プレイを楽しんでた一人なのね…。
「それ、どんな告白よ?」
軽蔑はなかった。まあ、どのみちあそこに参加していた時点でアブノーマルプレイを楽しむ種の人間であることに間違いない。
俺、なんか変なこと言った?とでも言いたそうにキョトンとする彼の顔を見て、盛大に笑ってしまった。
そしてお互いに貪るように抱き合い、初めての二人きりの夜は更けていった。