彼との衝撃的かつ変態的な出逢いと、愛に至る道のりを語っていきます。

 

これは彼との愛の物語


 結果的には私のブチ切れで国家権力に頼ることになったものの、二人でジジイストーカーに立ち向かったことで絆は深まったように思えた。
 彼は過保護なくらいに私を丁寧に扱う。夜道では必ず手をつないで彼が車道側を歩く。夜の公園では私を一人でトイレにも行かせない。虫嫌いの私のために、木立の間を歩くときは必ず先に立って虫や蜘蛛の巣を払ってくれる。車に乗るときもお店に出入りするときも、私にドアを開けさせない。私が自分で開けようとすると、慌てて走って来るのが可愛くて可笑しい。
「ちょっと過保護すぎない?まるでお姫様扱いだね。奥さんとか他の女の子にもするの?」
 そうたずねる私に、彼は少し照れくさそうに笑って言った。
「しないよ。重い荷物は持つくらいはするけど。あっちにはしてあげたくなるんや」
 それは私が特別な存在だと思っていいってこと?

 この頃から彼が本領を発揮し始める。
「車でするのが好きなんや」
 2回目のデートのときに彼が言っていた。以来、ホテルに行くことはほとんどなくいつもカーセックスだ。毎週ホテル代を払うような余裕もないし、彼がそうしたいと言うなら異論はない。
 それがこの頃では「ギャラリーが欲しい」と言い出していた。他人のカーセックスを覗くのも好きだけれど、見られる方も好きなのだと。
 愛しい彼の願いを叶えたいというのが第一ではあるけれど、さほど抵抗もなかった。元々露出の多い服装が好きだし、私にも露出願望があったのかもしれない。
 そして何よりあまりにも楽しく語る彼の変態道が面白かったのだ。理解できないこだわりもたくさんあるけれど、何も悪いことはしていない。そう思えた。
 過去、彼以外に唯一本気で好きになったひとは女性を奴隷としてしか愛せないと言うドSのご主人様だった。その人は、その性癖を自分の暗い部分だと言った。それが無性に悲しかったのを思い出す。そんなところも含めて全てがその人で、その人そのものが素晴らしいのに、自分を否定するようなことを言って欲しくなかった。
 それに比べて彼は明るいのだ。見たい奴がいるなら見せたっていいじゃないか、と。豪快に笑う彼と一緒なら見られて恥ずかしいとも思わなかった。
 むしろこんなにも素敵な男性に愛される自分が誇らしい。
「今日も愛のパフォーマンスを見せつけちゃおう!」
 なんて二人で笑いあった。

 夜の公園の駐車場。わざと少し街灯に近いところに車を停める。
 運転席の彼の股間に顔を埋めて、ゆっくりと舌を這わせていく。丁寧に鼠径部から睾丸を愛撫して、固くなった彼自身を口に含む。彼の低い喘ぎ声が漏れ出すと、私は幸せを感じた。
 そのうち彼が私のスカートをめくり、助手席側の窓から私のお尻を見せつけるようにして撫で始める。
 私が夢中で彼のイチモツを愛撫していると、不意に彼が私の顔を上げさせる。窓越しに覗き込んでいる見知らぬ男性と目が合った。
「びっくりした」
 私は言いながら笑って、嬉しそうに微笑んでいる彼に微笑みを返す。

 そんな刺激的なデートを重ねていたある夜のこと。
 その夜の彼は情熱的だった。軽四の助手席の狭いシートで私の上に重なり、激しく突き上げながら耳元で囁く彼。
「最高の女や。最高にエロい」
「こんなに俺のために頑張ってくれる女初めてや」
 そして興奮と快感が絶頂に達するときに彼が熱っぽく言う。
「もう無理や!今日はこのまま出すぞ!我慢できん!いいか?いいか?」
 それはまずい。ダメ!微かに残った理性はそう言っていたけれど、私の身体はその衝動に抗えなかった。
「うん…」

 彼と別れた後で反省しきりだった。万が一妊娠でもしたら大ごとだ。
 しかしあの状況で咄嗟に拒否できる気はしない。きっと、これからも。
 暗がりの中で月明かりを映して光る瞳。触れ合う熱い身体。吐息混じりに低く呻くような彼の声。押し寄せる波のような快感と、募る愛しさ。あの迫力じゃ負けてしまうのも道理。
 常々彼は言っていた。
「中で出したい」
「いつか大丈夫なときに中で出させて欲しい」
「女だって中で出された方が気持ちいいやろ?」
 中出しに対する渇望は元々あった。興奮すると止められないだろう。愛しくはあるけれど、彼は危険だ。
 そこで私は自衛することにした。ピルを飲むのは家族に疑いの目を向けられる可能性があるし、私のことだから飲み忘れもしそう。私はIUDを選択した。
 これで心置きなく彼の願いを叶えてあげられる。この選択が、後に更なる変態ワールドへの扉を開くことになるのだが…。