彼との衝撃的かつ変態的な出逢いと、愛に至る道のりを語っていきます。

 

これは彼との愛の物語


 彼からの告白を聴いた翌日から、家族旅行の予定だった。その間、暇さえあれば彼にLINEを送り続けた。
「Kが悪くないとは言えないけど、Kだけが悪いわけじゃない。あんまり自分を責めないで」
「過去に何があったとしても、私は今のKが好き」
 言葉を変えて何度も何度も、彼の心に届くようにメッセージを送り続けた。

 それから私の考えも話した。
 元カノはきっと少なからず彼に未練があるのだと思う。恨みを晴らしたいだけなら、10万という請求額は少ないのではないだろうか?本当に恨んでいるだけなら、本当に訴えてもっと多額の慰謝料を請求するなり、妻に不倫をバラすなりした方が効果的だろう。お金に困っていて、すぐにでも脅し取れる額面にしたという可能性もなくはないけれど。
 しかし女の勘が告げている。元カノが彼と話したいという動機が大きい。彼が無理だと泣きついてくるのを期待しているのか。あわよくばヨリを戻したいと思っているのかもしれない。こんなやり方では到底無理だとは思うけれど、別れるなら死んでやるなんて言い出す女のやりそうなことではある。

 だから無駄に交渉したり直接会ったりせず、徹底的に事務的に要求額を支払って、二度と関わらないと約束させるようにと助言した。証拠になるメールや振り込みの証明をきちんと保管して。万が一のときには脅迫の証明になる。

 そして元カノのためにも、彼がキッパリと元カノの手を離れてあげるのも優しさだと。彼はきっと元カノにも優しかったのだろう。だからこそ未練を残して、元カノ自身が自覚しているかどうかわからないけれど、恨むことでまだ彼に縛られている。それでは元カノも前に進めない。
 ここは優しさを見せずに思いきり突き放すことが必要なのだと彼を諭した。

 最初から脅迫だとして戦う道もなくはない。けれどそれでは、きちんと水子供養もして元カノにしたことを悔やんでいる彼なのだから、元カノと争うことは余計に心の傷を抉るだろう。
 だから最後の誠意としてお金を払って今後の連絡はキッパリ断る。
 そのためには相手にも考える時間を与えずすぐに行動に移すこと。金策に時間を費やせば、相手に考える時間を与えるし自分も疲弊するだけ。
 無期限無催促で貸すと言っているひとがいるんだから、頼っていいんだと。

 3日間説得し続けて、ようやく彼は頷いてくれた。
 私から5万円を借りて、決着をつけることにした。