彼との衝撃的かつ変態的な出逢いと、愛に至る道のりを語っていきます。

 

これは彼との愛の物語


 彼には毎日LINEで好きだという気持ちを伝えた。お礼と報告のために会ったときに既婚者だとは聞いていたけど、気持ちは止められなかった。彼はなんとなくはぐらかしながらも、気持ちは嬉しいと言ってくれた。
 お互いに既婚者。彼にとっては私は遊び相手に過ぎないかもしれないけれど、それでもただ好きと伝えたかった。

 そんな中、Yへの報復作戦が進行していた。
 Hの立てた作戦はこうだ。〇〇シネマでYが喜びそうな募集をして、現れたところをHの知り合いの男数名で拉致するというもの。
 そこで他人には知られたくないような恥ずかしい目に遭わせてやれば、警察に訴えることもできないだろうと。
 しかしここで私の持病が悪影響を及ぼし始めた。私は双極性障害、いわゆる躁うつ病というやつだ。極端なうつ状態から彼との日々を過ごしているうちに躁転してしまったようだった。
 復讐計画が楽しくて仕方ないのだ。そして私は大のホラー好きである。残虐な行為をいくらでも思いつく。
 Hが言い出した、縛って浣腸して全身うん○まみれにしてから玩具でケツを犯しまくる…なんて生ぬるい。
 浣腸して全身塗りたくったら、鼻からチューブを入れて胃に排泄物を流し込んであげよう。チューブを通すときには潤滑油にたっぷりタバスコを練り込んであげよう。尿道には線香でも差して火をつけよう。
 それから手足の爪の間に注射針刺して皮下注射も痛そう。あれもこれも…
 狂気に陥った医療従事者というのは恐ろしい。それを実現するスキルを持っているのだから。

 いよいよ報復作戦決行の日が近づいていた。そんなある日の彼とのデート。夜の公園の車の中。
 彼には報復作戦のこともLINEで逐一報告してはいたけれど、彼は決行当日は家を開けられないとのことだった。しかし心配する彼を他所に私はハイテンションだった。
「私もしかしたら危ないことするかもしれない。脅しで止まればいいけど、Yを殺しちゃうかも。私ね、双極性障害なんだ。鬱のときは自分がしんどいだけだからいいんだけど、躁状態になると何するかわかんない。衝動に任せて歯止めが利かなくなっちゃうからね。もしK(彼)に迷惑かかるような事態になったら全力で逃げてね」
 まるで笑い話のように言って笑う私。彼もよく冗談で「殺しちゃう?」なんて言うひとだから、笑い飛ばすものだと思っていた。
「嫌だ」
 彼は不意に真面目な顔で、即座にキッパリと言った。
「俺は逃げないよ。俺が逃げたら誰が止めるんや」
 そして私をギュッと抱きしめて言った。
「守ってやれなくてごめんな…」
 まるで憑き物が落ちたようだった。彼の胸に顔をうずめて安心感に満ちて、バカなことはよそうと思えた。