えーと・・・。
バトスピブレイブの50話(最終回)があまりにもアレなんで、
ついついバロ→弾で書いちゃいました(;´▽`A``
お目汚しですみません。
興味ある人だけ下に(^^ゞ
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暗闇の中、ドアが音も無く開く。
疲れた顔で部屋に入るバローネに、まだ若いお付きの魔族が声を掛ける。
「ワインをお持ちしました」
仕事終わりに酒を飲むのは、最近追加された日課であった。
バローネは自室の椅子に投げ出すように体を預け、
「ああ、そこに置いてくれ」
と顔を手で覆いながら答えた。
お付きの魔族の若者は、ワインを机に置きまた静かに去っていく。
主人がどれほど疲れて見えようが、心配を口にして長居したりなどはしない。一日の仕事を終えたバローネが、何より1人になりたいと願っていることを知っていたからだ。
灯りも付けず真っ暗闇の部屋でただ1人佇んでいたバローネは、やがて重い体を無理矢理動かしているような仕草でワインをグラスに注いだ。
グラスを手に持ち、バローネは背後の窓から空を仰いだ。
「・・・そうか、今夜は満月か。仕事に追われていて、気付かなかったな」
ワインの鮮やかな赤を月の光に翳しながら、自嘲的な笑みを浮かべた。
「馬神弾。お前が帰ってこないままもう一ヶ月だ。世界はまだまだぎこちないまでも、確実に前に進んでいる。今日は人間と魔族の初の会合があったんだ。・・・まゐ達がお前のいた時代に帰ったぞ。ソフィア号の艦長はこの時代に残る事を選択したようだ。彼のおかげで魔族と人間の共存も、どんどんいい方向に向かっていくだろう。
何もかも、お前が願った通りだ、弾」
弾が纏っていた赤。ワインの赤をくゆらせながら、こうして日々の報告を口にするのがバローネの日課になった。
「馬神弾・・・。俺は、・・・頑張っているだろう?」
片頬をゆがませて笑む。グラスの中のワインを一気に煽った。
力を持つ者として、上に立つ者として、魔族として、馬神弾が守ったこの世界をよりよい方向へ導く為に、頑張っているだろう?
不意に訪れる、込み上げてくる激情のまま空になったグラスを床に叩き付けた。
無惨に砕け散ったグラスに、更に机の上のワインボトルを払い落とした。
普段なら厚い絨毯に阻まれて割れないだろうボトルは、グラスの破片に当たったか激しい音と共に砕け散った。
絨毯に、まだ多く残っていたワインが零れ、染みを作った。
「バローネ様、どうかなさいましたか?!」
「来るな! 何でもない」
音に驚いてやってきたであろう付き人を、しかしバローネは扉を開ける許しを与えることもなく拒絶する。
「何でもない。・・・手を滑らして瓶を割っただけだ」
「しかし、それですとお掃除を・・・」
「必要ない。私の不始末だ。私がしておこう」
バローネの固い声にはっきりとした拒絶を感じ、付き人は諦めて部屋の前から去っていった。
扉の外に気配が無くなったを感じ、バローネは重く息を吐いた。
言ったからには、片付けをしなければならない。
バローネはしゃがんで瓶の破片を手に取った。
ガラス片をワインが滴り、バローネの手を汚す。
赤い液体が自分の指をすり抜けて落ちて行く様を見て、バローネは強くその破片を握りしめた。
一ヶ月だ。お前が消えてから一ヶ月。
お前が残したこの世界を守る為、頑張っているだろう、俺は。
───なのに、何故
「何故、お前がいないっ。弾っ!!」
強く握りしめた拳から、ガラス片で切ったのだろう、バローネの血が滴り落ちる。
いつまで、お前のいない世界で生きていかねばならないのか。
毎朝、起きる度に弾の不在を思い知らされる。
いつも一緒にいた訳ではない。むしろ離れていた方が多い。それでもあの時は、すぐ間近に弾の存在を感じていた。
同じ世界に居て、同じ方向を見ていると思っていられた。
だが今は───・・・・・・。
お前がいない。
ただそれだけで、世界が死んでしまったようだ。
あのまま一緒に行ければ、こんな苦しみを味あわずにすんだのに。
『ありがとうございました。いいバトルでした』
1人だけ気持ちよく消えていって。
「帰ってこい、馬神弾。帰ってこい!!」
バローネは強く月に願っていた。




