前回より【東京都宝くじ】の〚江戸百景シリーズ〛をご紹介しています。第801回~850回まで続いて全50回のシリーズで発売されました。発行枚数は 50万枚~60万枚です。
昭和47年(1972年)4月~昭和48年(1973年)5月まで販売されました。1回に6枚~7枚ずつ、8回に分けて掲示します。今回は第二回目、第807回~812回までです。
デザインは《歌川広重》の〚名所江戸百景シリーズ〛がベースになっていますが、〚江戸百景〛と言う事で《葛飾北斎》や《鈴木晴信》の美人画など、他の絵師や作品も僅かに登場します。
基本的に《歌川広重》の風景画です。〚名所江戸百景〛〚江戸名所〛〚東都名所〛〚江都名所〛の他〚江戸近郊八景〛などの、各シリーズものがモチーフになっています。
東京都は、1952年より 10月1日を(都民の日)と制定しました。1956年には《東京開都500年》の記念行事として(大東京祭)が開催され、以降毎年実施されています。
【東京都宝くじ】も10月初めの発行は(記念宝くじ)として、発行枚数は通常の2倍程度が発行されました。学生時代には、(大東京祭)に合わせて〈カッパのバッチ〉が記念バッチとして出回っていました。5個セットで 300円程度でしたが購入した事はありません。
学生時代、東京で住み始めた私は〈宝くじ〉が毎週発売されている事に驚きました。一ヶ月に4種類以上の〈宝くじ〉が登場しています。【全国自治】は1回程度【へき地医療振興】が1回程度です。そして【東京都】は他のブロックくじとの兼ね合いからまちまちで、おおかた2回程度の発売です。
デザインはいずれもイラストや浮世絵などが描かれていて美しく、特に浮世絵シリーズは私の収集癖をくすぐります。地元静岡では【全国自治】と【関東中部東北自治】の2回でした。
高校生の時にたばこの収集のために販売店へ出かけ、偶然【関東中部東北自治】を見かけています。
デザインは風景写真シリーズの時代で、写真デザインが嫌いな私は全く興味を持ちませんでした。
中でも私は【東京都宝くじ】が気に入っていました。リアルタイムでは《東京名所シリーズ》61種が発売中の時代です。イラストの風景が様々なタッチのデザインで描かれています。
宝くじは何でも、販売中に出会うと1枚ずつ購入しています。しかし住んでいた(高田馬場)の朝は早く、夜更かしの学生が駅に出掛けても常に売り切れで販売するおばさんの姿はありません。
ちょうど私は琉球の葉書や収入印紙に夢中になっていた時代です。都内に散在する切手商には、国電を利用して散歩がてらあちらこちらへと出向いていました。
そこでは過去の空くじも安価なセットで販売されていました。都内なので【東京都宝くじ】はいずれも安価でした。だいたい1枚 10円~30円程度です。そのあたりを購入しています。
第801回から820回あたりまでは 50円程度と高額でしたが、デザインが気に入っていたので購入しました。昭和51年(1976年)から昭和52年(1977年)頃の事です。
最近の事は分かりませんが、私が学生時代には発売日と抽籤日は一週間の猶予がありました。発売日は印刷された抽籤日から7日遡っています。
東京都宝くじ
第807回 =江戸百景シリーズ № 7=
神田 紺屋町
〚名所江戸百景〛の第75景です。(紺屋町)とは、木綿を藍で染める業者が軒を連ねていた事から呼ばれます。《場違い》と言う言葉は、この場所以外の藍染めは質が悪く《場違い》と呼ばれた事が発祥と言う事です。
抽籤日 昭和47年(1972年)6月3日 発行枚数 60万枚
東京都宝くじ
第808回 =江戸百景シリーズ № 8=
千駄木 団子坂 花屋敷
〚名所江戸百景〛の第16景です。上野公園の北西あたりで、団子坂の上からは眺望が良くて江戸湾まで見えた事から古くは(汐見坂)とも呼ばれたそうです。
抽籤日 昭和47年(1972年)6月10日 発行枚数 60万枚
東京都宝くじ
第809回 =江戸百景シリーズ № 9=
昌平橋 聖堂 神田川
〚名所江戸百景〛の第16景です。(聖堂)はお茶の水の(湯島聖堂)の事で、絵は神田川にかかる(昌平橋)から川向うの様子を描いているようです。昌平坂に築地塀が並んでいます。
抽籤日 昭和47年(1972年)6月17日 発行枚数 50万枚
東京都宝くじ
第810回 =江戸百景シリーズ №10=
隅田川 水神の森 真崎
〚名所江戸百景〛の第35景です。向島から水神の森の風景と、川向うに真崎を望むデザインです。春の景色で、桜の花が描かれています。遠景の山は筑波山なのだそうです。
抽籤日 昭和47年(1972年)6月24日 発行枚数 60万枚
東京都宝くじ
第811回 =江戸百景シリーズ №11=
京橋 竹河岸
〚名所江戸百景〛の第76景です。原図では上に大きく京橋がかかっていますが、横に長い宝くじでは省略されて川の部分だけです。
抽籤日 昭和47年(1972年)7月1日 発行枚数 60万枚
東京都宝くじ
第812回 =江戸百景シリーズ №12=
多摩河の里
歌川広重が描く〚江戸名所〛《多摩河の里》です。多摩川の風景と遠景には富士山が見えます。
抽籤日 昭和47年(1972年)7月8日 発行枚数 60万枚
当時の大都市〈江戸〉の名所風景画を見ていると神社仏閣が多く描かれています。江戸時代の庶民は信心深いと言うか、(神様)が生活に溶け込んでいる様子がうかがえます。
江戸時代には(富士見)の地名が多いように各地から富士山が望めたようです。広重の風景画でも
場所と方角によりますが、高台や山上などの景勝地の図では富士山の遠景が良く見られます。
〈第807回 江戸百景シリーズ № 7 神田 紺屋町〉は(こんやちょう)と読まれるようです。私が在住する静岡県には、静岡市にも〈紺屋町〉があります。そこは(こうやまち)と呼ばれています。
次回は〖第813回〗から〖第818回〗までをご紹介します。





