先日ネットでニュースを見ていたら、漫画家の ≪ささやななえこ≫ 氏の訃報が飛び込んできました。学園ものからミステリー、社会性の高い作品まで幅広く活躍された方です。

 

どの作品も人物設定がしっかりされているので、読み応えがあり惹きこまれてしまいます。好きな

漫画家でしたので、今も大切にしている作品集をご紹介しながらご逝去を心より悼みたいと思います。2回に分けてご紹介する事として、今回はホラー作品などです。

 

 

私は二十代の頃から良く読んでいました。≪一条ゆかり≫ 氏や ≪木原敏江≫氏、≪大和和紀≫ 氏などと並んで人物像の絵に好感が持てる方で、大変お上手な方だと思いながら読んでいました。

 

私が中学生の頃にデビューされた方なのですが、夢中になったのは二十代に入ってからの事でした。

小学館の女性雑誌《フォアレディ》に連載の〚おかめはちもく〛で大いに笑わされ、毎回楽しみに

していたものです。


SF好きな私が二十代中頃に最も好きだった漫画雑誌は、少年誌や青年誌を抑えて少女雑誌でした。

小学館の少女雑誌《プチフラワー》です。そこで連載されていたホラー作品も、《ミノタウルス》からずっと夢中になっていました。

 

女性誌は少年誌には少ない、登場人物の心理描写が巧みだと思います。人間性や性格等が緻密に描かれているところが気に入っている理由です。

 

隣りが親戚で書店だったので幼い頃から漫画は読み放題でしたが、30年前に現在の地へ引っ越してからは漫画本を読む事がなくなります。お名前は、私の中では今でも ≪ささやななえ≫ さんです。

 

 

 

 

本にはパラフィン紙をカバーにしています。その上、何度も読み返していますのでパラフィン紙も汚れていて見づらい事をご了承ください。

 

 

小学館で出版された青年誌コミックスのレーベルはいずれも(ビッグコミックス)ですが、掲載雑誌誌名のアルファベットが付加されています。《プチフラワー》は【PF】と付いています。

 

《プチフラワー》は昭和55年(1980年)5月に《春の号》として、季刊誌で創刊されました。そして昭和56年(1981年)1月号から《隔月刊》となり、昭和59年(1984年)5月号から《月刊紙》で出版されました。掲載作品にはその旨を記載しています。

 

 

 

 

              小学館 PF ビッグコミックス

 

                   ミノタウルス

 

    昭和58年10月20日 初版第1刷 発行  定価 480円

 

小学館の少女雑誌《プチフラワー》に連載されました。B5判サイズのコミックスです。1988年頃に地元の(ブックオフ)で購入しています。価格は 250円でした。ドジな二人組のコソ泥が主人公で、サイコパスと繰り広げるコミカルなホラーミステリーです。

 

 

 

                    【掲載作品】

 

      サラの遺言        プチフラワー  昭和55年 秋の号(季刊)

      ミノタウルス       プチフラワー  昭和57年 3月号~9月号(隔月刊)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              小学館 PF ビッグコミックス

 

                   化粧曼荼羅 1

 

     昭和60年1月20日 初版第1刷 発行  定価 480円

 

小学館の少女雑誌《プチフラワー》に連載されました。B5判サイズのコミックスです。面白い作品なので、出版と同時に書店で購入しました。特殊な能力を持つ一族と超自然的な世界の物語で、その世界に巻き込まれる女性が主人公のホラーです。

 

 

 

                    【掲載作品】

 

      言化粧曼荼羅       プチフラワー  昭和59年   6月号~9月号(月刊)

      オシラ伝         プチフラワー  昭和58年 11月号(隔月刊)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              小学館 PF ビッグコミックス

 

                   化粧曼荼羅 2

 

     昭和60年5月20日 初版第1刷 発行  定価 480円

 

小学館の少女雑誌《プチフラワー》に連載されました。B5判サイズのコミックスです。こちらも、出版と同時に新刊本を書店で購入しています。

 

第一巻の後編と、第2部《冬の祭り》は全く別のシチュエーションで繰り広げられるホラーが掲載されています。《河童》は名家で早世した男児の孤独な霊と、その親族の青年が織りなす切ない作品です。

 

 

 

                    【掲載作品】

 

    言化粧曼荼羅        プチフラワー  昭和59年   10月号~11月号(月刊)

    化粧曼荼羅 ー冬の祭りー    プチフラワー  昭和60年   3月号~  4月号(月刊)

    河童            プチフラワー  昭和58年   3月号、  7月号(隔月刊)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              小学館 PF ビッグコミックス

 

                   たたらの辻に…

 

    昭和63年1月20日 初版第1刷 発行  定価 480円

 

小学館の少女雑誌《プチフラワー》に連載されました。B5判サイズのコミックスです。出版を待ちわびていて、書店で新刊本を購入しています。たたら場の恨みからなる、異世界の中心にある旧家に取り込まれる女学生と、その苦難を救う弟が主人公のホラーです。

 

昭和61年(1986年)9月~10月掲載の《空ほ石の…》は、団地に引っ越してきた家族に降りかかる恐ろしい怪異の物語です。当時は、二作品とも世の中で最も『…怖い !! 』と感じた漫画でした。

 

 

 

                    【掲載作品】

 

     たたらの辻に…      プチフラワー  昭和62年   6月号~  8月号(月刊)

     空ほ石の…        プチフラワー  昭和61年   9月号~10月号(月刊)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              小学館 PF ビッグコミックス

 

                 水面の郷・水底の守

 

     1989年5月20日 初版第1刷 発行  定価 500円

 

小学館の少女雑誌《プチフラワー》に連載されました。B5判サイズのコミックスです。面白い作品なので、出版と同時に書店で購入しました。前回掲載の作品《たたらの辻に…》に登場する、姉とその姉を超自然的な世界から守る弟の物語 第二弾です。

 

 

 

                    【掲載作品】

 

     第1話 清神・見参    プチフラワー  1988年  3月号(月刊)

     第2話 水底の守        プチフラワー  1988年  4月号(月刊)

     第3話 石の巫女      プチフラワー  1988年  5月号(月刊)

     第4話 対決        プチフラワー  1988年  6月号(月刊)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              角川書店 あすかコミックス

 

                 生霊  (いきすだま)

 

       昭和63年8月17日 初版 発行  定価 380円

 

角川書店の少女雑誌《アスカ》に連載されました。新書版のコミックスです。少女コミックスが多かった地元の古書店で購入しています。他の店より安価で、新書版はいずれも 150円でした。

 

学園もののホラーです。偏執的な女学生が男子生徒に想いを寄せ、霊となって悪害を及ぼす物語が

二編収録されています。幽霊よりも、生きている人間が一番怖いと思わせる作品でした。そう言えば《山岸凉子》氏の〚二日月〛もそのような作品です。

 

 

 

                    【掲載作品】

 

      生霊(いきすだま) 前編      ASUKA    1986年 9月号

      生霊(いきすだま) 後編      ASUKA    1986年 11月号

      鉄輪(かなわ)   前編      ASUKA    1987年 10月号

      鉄輪(かなわ)   後編      ASUKA    1987年 11月号

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              角川書店 アスカコミックス

 

                霊送(たまおくり)の島

 

       1991年11月17日 初版 発行  定価 390円

 

角川書店の少女雑誌《アスカ》に連載されました。新書版のコミックスです。1993年頃、地元の(ブックオフ)で購入しています。価格は 200円でした。

 

死者が復活する古い言い伝えのある島で巻き起こる、死者と生者との物語です。前.後編で増刊号に

掲載されました。この作品の頃には絵のタッチが変わっているように感じます。

 

《はるかなる向こう側》は1988年12月号に掲載されています。ご本人が受けた、霊的で不思議な体験を綴ったエッセイ漫画です。

 

 

 

                    【掲載作品】

 

 霊送の島(たまおくりのしま) 前編  増刊 ASUKA  ミステリーDX 1991年 7月20日号

 霊送の島(たまおくりのしま) 後編  増刊 ASUKA  ミステリーDX 1991年 9月20日号

 はるかなる向こう側             ASUKA             1988年 12月号

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              小学館 フラワーコミックス

 

                     獄門島

 

     昭和53年9月20日 初版第1刷 発行  定価 320円

 

小学館の少女雑誌《少女コミック》に掲載された作品です。フォーレターワードの関係で継続出版されず、現在は希少漫画に含まれています。以前当ブログでご紹介しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            新書館 ペーパームーンコミックス

 

                     沈黙の朝

 

           1983年12月15日    初版 発行

 

【新書館】から発行された漫画とイラストエッセイの作品集です。B5判で、本来は帯付きでした。

 

 

 

 

 

 

子供の頃から二十代の頃に好きだった漫画家や小説家、あるいは俳優、歌手などにしても、子供の頃から知っていた多くの方が鬼籍に入られていらっしゃいます。私自身がそのような年代になっているのだと実感させられます。