〚日本専売公社〛では〈紙巻きたばこ〉の他にも〈葉巻〉〈シガリロ〉=〈リトルシガー〉等が用意されていて、〈パイプたばこ〉も製造販売しています。

 

今回は1975年頃に購入した〈パイプたばこ〉の中から、《ロックンチェア》をご紹介します。内容量は40グラムで、(パウチ)と呼ばれる包装形態です。

 

《ロックンチェア》は昭和48年(1973年)11月16日に発売され、2004年まで国内で製造されていました。その後はデンマークのたばこ会社に委託して輸入しているようです。

 

〚日本専売公社〛の時代には国内に40ヶ所以上の製造工場や敷地がありましたが、平成の時代には次々と閉鎖されていて現在は5か所程度と言う事です。〈葉巻〉〈シガリロ〉=〈リトルシガー〉や〈パイプたばこ〉は、すべて海外で生産されています。

 

 

 

当ブログでは〚日本専売公社〛の〈フィルターたばこ〉を発売順にご紹介しています。これまでに、昭和32年(1957年)7月に初めて発売された《ショートホープ》から、昭和45年(1970年)3月に発売された《チェリー》までご紹介しています。

 

今回は〈フィルターたばこ〉から離れて、昭和51年(1976年)頃に購入していた〈パイプたばこ〉をご紹介して、引き続き〈葉巻〉や〈リトルシガー〉を暫くの期間はご紹介して行く予定です。

 

 

 

古くは〚煙草専売局〛の時代、明治38年(1905年)から〈葉巻〉《ペルフェクトス》が発売されていますが〈シガリロ〉=〈リトルシガー〉はかなり遅く、昭和42年(1967年)に登場しています。

 

一方〚日本専売公社〛による〈パイプたばこ〉の歴史は昭和9年(1934年)まで遡ります。最初に発売された銘柄は円筒形の缶入り《桃山》でした。

 

《ロックンチェア》は、昭和47年11月16日に新発売されました。(パウチ)と呼ばれる包装形態で、《ロックンチェア》の発売以降は(パウチ)が主流の包装形態となります。紙製のパッケージがビニールで包装され、セロファンに入れられたたばこが包み込まれています。

 

 

        葉巻 シガリロ パイプたばこ  公社名表記

 

    どの銘柄にも英文の社名表記があり、〚日本専売公社〛の証票と併記されています。

    昭和54年(1979年)9月に発売の《プロムナード》にはありません。

 

当初は英文の公社名表記が(THE JAPAN MONOPOLY CORPORATHON)と書かれていましたが昭和49年(1974年)1月より(THE JAPAN TOBACCO CORPORATHON)に変更されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                ロックンチェア

 

《ロックンチェア》と言う名前は…、何となく想像がつきます。ロックンチェアーに座ってゆらゆらと揺られながら、ゆったりとパイプをくゆらす……。そんなイメージがあります。

 

 

昭和50年にはたばこの値上げが予定されていました。そこで〈紙巻きたばこ〉では、沖縄たばこと《おおぞら》を除く銘柄に、昭和50年7月から ≪np≫ マークが印刷されていますが国会を通過せずに値上げが見送られてしまいます。
 

≪np≫ マークの印刷されたパッケージはごく短期間、何事もなく旧定価で普通に販売されていました。口付きたばこ《朝日》はもともと値上げが予定されていないので印刷されていません。

 

〚日本のたばこデザイン〛によると、《ロックンチェア》にも ≪np≫ マークが印刷されていなかったようです。その代わりのように、昭和50年7月から印刷色が変更されました。

 

〈葉巻〉〈リトルシガー〉〈パイプたばこ〉の仲間では、高級葉巻の《パンドール》とパイプたばこ《ロックンチェア》の2銘柄だけに ≪np≫ マークが印刷されていないようです。

 

 

 

 

 

①昭和47年(1972年)11月16日  発売  40g 売価 200円

                    (THE JAPAN MONOPOLY CORPORATHON)の表記 

②昭和49年(1974年)  1月     英語の公社名 表記変更

                    (THE JAPAN TOBACCO CORPORATHON)となる

③昭和50年(1975年)  7月     パッケージの地色が濃くなる

④昭和55年(1980年)  6月  1日  証票変更

 

 

        〚日本専売公社〛の時代には、以上のような変化が見られます

 

 

 

 

 

 

 

②昭和49年(1974年)1月 (THE JAPAN TOBACCO CORPORATHON)の表記

 

地色が淡いベージュで販売を開始しています。1年ほどで英字で印刷された公社名表記が変更されました。そしてこの後、1年半ほどの販売期間でパッケージの地色が濃い色に変更されています。

 

 

 

 

 

 

                     内側

 

紙製のパッケージの全体を透明ビニールで包み込んでいます。内側に折り込まれて袋状にしてあり、そこにセロファンに入れられたたばこが収められています。

 

             

  (THE JAPAN TOBACCO CORPORATHON)の表示

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ③昭和50年(1975年)  7月     地色が濃くなる

 

1975年7月からパッケージの地色が濃い色に変更されました。1975年5月1日に定価改定が予定され、他の銘柄には7月から ≪np≫ マークが印刷されますが《ロックンチェア》には見られません。

定価改定に合わせて、新価格の製品として印刷色を変更したと言う一面もあるのかも知れません。

 

定価改定は国会を通過せずに見送られてしまい、7ヶ月後となる同年12月18日より値上げされます。新価格のパッケージには (np) と印刷された赤く丸いシールが貼付されました。

 

 

 

 

 

 

                     内側

 

紙製のパッケージの全体を透明ビニールで包み込んでいます。内側に折り込まれて袋状にしてあり、そこにセロファンに入れられたたばこが収められています。

 

たばこの入れられたセロファン袋も残しています。セロファンに貼り付けられている、赤色の見えるセロテープはパッケージを封印していたテープです。

 

             

  (THE JAPAN TOBACCO CORPORATHON)の表示

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ④昭和55年(1980年)  6月  1日   証票変更

 

証票が変更されました。(専)の字をモチーフにした証票から煙のような雲のようなデザインに変更されています。これまでの証票らしいデザインが一新されました。

 

 

 

 

 

 

                     内側

 

紙製のパッケージの全体を透明ビニールで包み込んでいます。内側に折り込まれて袋状にしてあり、そこにセロファンに入れられたたばこが収められています。

 

             

  (THE JAPAN TOBACCO CORPORATHON)の表示

 

 

 

 

 

 

 

〚日本専売公社〛の時代に実施された《ロックンチェア》の定価改定

 

       昭和47年(1972年)11月16日   発売       定価 200円

       昭和50年(1975年)12月18日          定価 300円

       昭和55年(1951年 ) 4月22日            定価 340円

       昭和58年(1983年 ) 5月  1日          定価 380円

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回は、〚日本専売公社〛のパイプたばこでは5番目の銘柄となる《ビッグホーン》をご紹介します。たばこのパッケージを集め始めた昭和50年(1975年)から、僅かに購入していたパッケージだけですが……。私はパイプたばこには馴染みがなく、あまりパッケージを残していません。