〚日本専売公社〛では〈紙巻きたばこ〉の他にも〈葉巻〉〈シガリロ〉=〈リトルシガー〉と併せて〈パイプたばこ〉も製造販売しています。

 

今回は1975年頃に購入した〈パイプたばこ〉の中から《桃山》《飛鳥》の2銘柄をご紹介します。どちらも内容量は50グラムの缶入りです。

 

《桃山》と《飛鳥》は2004年まで国内で製造されていました。その後はデンマークのたばこ会社に委託して輸入しているようです。

 

〚日本専売公社〛の時代には国内に40ヶ所以上の製造工場や敷地がありましたが、平成の時代には次々と閉鎖されていて現在は5か所程度と言う事です。〈葉巻〉〈シガリロ〉=〈リトルシガー〉や〈パイプたばこ〉は、すべて海外で生産されています。

 

 

 

当ブログでは〚日本専売公社〛の〈フィルターたばこ〉を発売順にご紹介しています。これまでに、昭和32年(1957年)7月に初めて発売された《ショートホープ》から、昭和45年(1970年)3月に発売された《チェリー》までご紹介しています。

 

今回は〈フィルターたばこ〉から離れて、昭和51年(1976年)頃に購入していた〈パイプたばこ〉をご紹介して、引き続き〈葉巻〉や〈リトルシガー〉を暫くの期間はご紹介して行く予定です。

 

 

私は〈パイプたばこ〉はほとんど吸っていません。そもそも吸い方を知りません。パイプの値段も、学生時代に買おうと思ったのですが 安くても1,500円程度、一般的には3,000円前後と高額なので購入しませんでした。

 

学生時代には一度だけ 500円のコーンパイプを買いました。しかし着火してもすぐに火が消えてしまいます。結局4~5回ほど利用しただけです。そのためパッケージはほとんど残していません。

 

 

 

〚日本専売公社〛による〈パイプたばこ〉の歴史は昭和9年(1934年)まで遡ります。最初に発売された銘柄は《桃山》でした。パッケージには赤い色で帆船が描かれています。これは、広告デザインの先駆者と言える ≪杉浦非水≫ 氏によるデザインです。

 

発売当初から円筒形の缶入りでしたが、昭和33年(1958年)8月10日に紙製パッケージにくるみ込まれた(パウチ)と呼ばれる新しい包装形態で発売されています。

 

内容量は30グラムで、缶入りと並行販売されました。しかし昭和40年(1965年)5月には製造中止となっています。昭和47年の《ロックンチェア》以降は(パウチ)が主流の包装形態となります。

 

戦時中は3年間ほど製造が中止されていますが、昭和24年(1949年)6月に《日光》と言う新銘柄が登場するまで、〈パイプたばこ〉の銘柄は《桃山》だけの独壇場でした。

 

 

        葉巻 シガリロ パイプたばこ  公社名表記

 

    どの銘柄にも英文の社名表記があり〚日本専売公社〛の証票と併記されています。

    昭和54年(1979年)9月に発売の《プロムナード》にはありません。

 

1949年まで英文が(THE JAPAN MONOPOLY PUBLIC CORPORATHON)と書かれましたが、

1950年から英文の公社名表記は(THE JAPAN MONOPOLY CORPORATHON)となりました。

 

昭和49年(1974年)1月より(THE JAPAN TOBACCO CORPORATHON)に変更されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

                     桃山

 

《桃山》は、昭和9年(1934年)に登場しています。発売当初からずっと《50本入 ピース》のような円筒形の缶入りでしたが、昭和47年(1972年)12月から現在のような平缶になります。

 

円筒形の缶にはデザインの印刷された紙ラベルが巻かれていましたが、昭和47年(1972年)12月に平缶に変更されるとブリキ缶に直接印刷されるようになりました。

 

内容量は、100グラムと50グラムの2種類が用意されていましたが、昭和23年(1948年)3月に100グラムの缶入りは廃止されます。しかし在庫があったようで、販売は昭和26年(1951年)頃まで続いていたようです。100グラム入りは缶の形は同じで、サイズが大きくなっています。

 

 

          参考  〚日本のたばこデザイン〛より

        〚日本のたばこデザイン〛に掲載されている画像をお借りしました

 

 

 

 

 

 

昭和33年(1958年)8月10日~昭和40年(1965年)5月まで、紙製の(パウチ)と呼ばれる包装形態が販売されました。内容量は30gで、定価は90円でした。

 

 

          参考  〚日本のたばこデザイン〛より

        〚日本のたばこデザイン〛に掲載されている画像をお借りしました

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   戦前~戦後

 

              100g 缶

 

昭和  9年(1934年)  4月20日 発売  100ℊ  売価 90銭

昭和19年(1944年)       製造中止

昭和22年(1947年)  6月28日 再発売      売価 300円

昭和23年(1948年)  3月    製造中止

 

 

 

               50g 缶

 

昭和  9年(1934年)  4月20日 発売    50ℊ  売価 50銭

昭和19年(1944年)       製造中止 

昭和22年(1947年)  6月28日 再発売      売価 150円

昭和28年(1953年)  5月    証票変更 【専証票】

昭和47年(1972年)12月    平缶に変更    売価 200円

                      (THE JAPAN MONOPOLY CORP.)の表記

昭和49年(1974年)  1月    英語公社名表記 変更    

                      (THE JAPAN TOBACCO CORP.)となる

昭和50年(1975年)  7月    ≪np≫ マーク印刷        

昭和55年(1980年)  6月  1日 証票変更

 

 

            (紙パッケージ)

 

昭和33年(1958年)  8月10日 パウチ    価 90円

昭和40年(1965年)  5月    製造中止

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           昭和51年(1976年)  1月頃に購入

 

私はたばこのパッケージを集め始めた翌年となる、昭和51年の1月頃に初めて購入しています。

昭和50年12月の定価改定により、缶に定価改定の赤いシールが貼付されている時代です。

 

証票が変更されてから再び購入しましたが、全く同じデザインでした。底面には証票の印刷と、製造年月日が刻印されています。デザインが変わりませんので1個だけご紹介します。

 

平缶の発売当初は英文の公社名表記が(THE JAPAN MONOPOLY CORP.)と書かれていましたが、昭和49年(1974年)1月より(THE JAPAN TOBACCO CORP.)に変更されます。

 

 

 

 

 

 

 

            底面の製造年月日刻印 証票印刷

 

        旧証票 【専】のデザイン   5V09

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           昭和55年(1980年)11月頃に購入

 

昭和55年(1980年)6月1日より〚日本専売公社〛の証票が変更されました。これまでの(専)の字をモチーフにしたデザインから煙のような雲のようなデザインになっています。証票が変更されたと言う事で、当時販売中の〈パイプたばこ〉は一通り購入しています。

 

       新証票 煙のようなデザイン  59. 10. 15

 

 

 

 

 

 

 

学生時代には高田馬場に住んでいましたが、駅近くのたばこ店の店頭には古いたばこが何品かガラスケースに並んでいました。旧円筒形の《桃山》も飾られていて、「これを売っていただけませんか」と尋ねたところ「ダメだ」と断られた事が深く記憶に残っています。1976年の事です。

 

 

 

 

 

 

〚日本専売公社〛の時代に実施された《桃山》の定価改定

 

                     50グラム 丸缶

 

      昭和  9年(1934年)  4月20日   発売       定価    50銭

      昭和  9年(1934年)11月11日          定価    60銭

      昭和13年(1938年)  1月31日            定価    80銭

      昭和14年(1939年)11月16日          定価    90銭

      昭和16年(1941年)11月  1日          定価 1円50銭

      昭和18年(1943年)  1月17日          定価 2円75銭

      昭和18年(1943年)12月27日          定価        4円

                    (昭和19年 製造中止)

 

      昭和22年(1947年)  6月28日  再発売     定価  150円

      昭和22年(1947年)12月20日          定価  250円

      昭和25年(1950年 ) 4月  1日          定価  200円(値下げ)

      昭和26年(1951年 ) 4月  1日            定価  150円(値下げ)

      昭和43年(1968年)  5月  1日          定価  200円

      昭和50年(1975年)12月18日          定価  300円

      昭和55年(1980年)  4月22日          定価  360円

      昭和58年(1983年)  5月  1日          定価  410円

 

                     (パウチ 30g )

      昭和33年(1958年 ) 8月10日            定価    90円

                   (昭和40年5月 製造中止)

 

 

 

                     100グラム 丸缶

 

      昭和  9年(1934年)  4月20日   発売       定価    90銭

      昭和  9年(1934年)11月11日          定価 1円10銭

      昭和13年(1938年)  1月31日            定価 1円50銭

      昭和14年(1939年)11月16日          定価 1円80銭

      昭和16年(1941年)11月  1日          定価        3円

      昭和18年(1943年)  1月17日          定価 5円50銭

      昭和18年(1943年)12月27日          定価 8円80銭

                    (昭和19年 製造中止)

 

      昭和22年(1947年)  6月28日  再発売     定価  300円

      昭和22年(1947年)12月20日          定価  500円

      昭和25年(1950年 ) 4月  1日          定価  400円(値下げ)

      昭和26年(1951年 ) 4月  1日            定価  300円(値下げ)

                    (昭和23年 製造中止)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《桃山》の発売から15年後の昭和24年(1949年)6月1日に《日光》と言う新銘柄が登場します。角型の箱入りで、デザインは日光東照宮の(ねむり猫)が描かれていました。その後東照宮の建物が描かれたデザインに変更され、昭和38年(1963年)4月に製造中止となりました。

 

その後、昭和47年(1972年)11月16日には、新銘柄の《ロックンチェア》が発売されています。

ビニールが装填された紙製のパッケージで包装された(パウチ)と呼ばれる包装形態です。

 

 

 

そして、〚日本専売公社〛では4銘柄目となる《飛鳥》が昭和48年3月25日に新発売されました。

 

 

 

 

                    飛鳥

 

昭和48年(1973年)  3月25日    発売  50g 売価 400円

                           (THE JAPAN MONOPOLY CORPORATHON)の表記

昭和49年(1974年)  1月    英語公社名表記 変更

                     (THE JAPAN TOBACCO CORPORATHON)となる

昭和50年(1975年)  7月    ≪np≫ マーク印刷        

昭和55年(1980年)  6月  1日 証票変更

 


昭和48年(1973年)3月25日には、50gの平缶で新発売されました。デザインはブリキ缶に直接印刷されています。《桃山》のような円筒形の缶は昭和47年(1972年)12月に廃止されていて、《飛鳥》には見られません。

 

当初は英文の公社名表記が(THE JAPAN MONOPOLY CORPORATHON)と書かれていましたが昭和49年(1974年)1月より(THE JAPAN TOBACCO CORPORATHON)に変更されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           昭和50年(1975年)10月頃に購入

 

私はたばこのパッケージを集め始めた翌年となる、昭和51年の1月頃に初めて購入しています。

昭和50年12月の定価改定により、缶に定価改定の赤いシールが貼付されていました。

 

証票が変更されてから再び購入しましたが、全く同じデザインでした。底面には証票の印刷と、製造年月日が刻印されています。デザインには変化がありませんので1個だけご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            底面の製造年月日刻印 証票印刷

 

        旧証票 【専】のデザイン   5W18

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昭和55年(1980年)6月1日より〚日本専売公社〛の証票が変更されました。これまでの(専)の字をモチーフにしたデザインから煙のような雲のようなデザインになっています。

 

〈パイプたばこ〉は吸わないので無駄になると分かっていましたが、証票が変更されたと言う事で、当時販売中の〈パイプたばこ〉は一通り購入していました。

 

       新証票 煙のようなデザイン  58. 6. 13

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〚日本専売公社〛の時代に実施された《飛鳥》の定価改定

 

                     50グラム 丸缶

 

      昭和48年(1968年)  3月25日    発売    定価  400円

      昭和50年(1975年)12月18日          定価  600円

      昭和55年(1980年)  4月22日          定価  660円

      昭和58年(1983年)  5月  1日          定価  710円

 

 

 

 

 

 

 

 

昭和50年(1975年)から販売中のたばこパッケージを集め始めましたが、パイプたばこには馴染みがなくあまり興味を持てませんでした。僅かに購入していたパッケージだけを残しています。

 

今回は缶入りの《桃山》と《飛鳥》をご紹介しました。次回は缶繋がりと言う事で、50本の缶入り《ショートピース》をご紹介します。良く〈缶ピー〉とか〈ピー缶〉と呼ばれていました。