昭和59年(1984年)10月から始まった〈レタックス〉のサービスですが、翌年の2月25日に納入された原稿用紙にはイラストや文字がモノクロで印刷されたものが登場しました。

 

そしてその頃には、郵便局から⦅受取人⦆へ送付される《配送用紙》に【慶事用】のカラーイラストが登場しています。それまでの《配送用紙》は白無地だったようです。

 

昭和60年3月頃には、紅白にツルが描かれた最初のカラーイラスト《配送用紙》が1種類のみ登場しています。《原稿用紙》は無地で、イラスト専用に付けられた整理記号などはありません。

 

昭和60年4月頃には3種類のカラーイラストが用意されています。それぞれアルファベットの記号が付けられました。昭和63年(1988年)には5種類が追加され、記号入りは8種類が揃います。

 

《配送用紙》のサイズはサービス開始から A4判で、三つ折りで封入されて配送されます。最初に用意されたツルが描かれた《配送用紙》以外は、同じデザインが描かれた《原稿用紙》も併せて用意され、共通した記号となっています。

 

 

郵便局の窓口付近の壁一面に、最初に登場したツルのデザインを含めて9枚の配送用紙が3枚×3枚で貼り出された様子は実に壮観で見事でした。

 

この《配送用紙》は郵便局に用意されていて、利用者が書いた原稿を受け取るとその《配送用紙》に写して、専用の封筒に入れて⦅受取人⦆に届けるわけです。

 

 

全9種類のカラーイラストの配送用紙は【慶事用】は主に《結婚祝い》で【弔事用】は《葬儀用》が揃っています。この時の8種類には【A】から順にアルファベットが付けられていました。

 

今回は初期のカラーイラスト1枚とアルファベット【A】から【C】までの4種類をご紹介します。

原稿用紙の納入日を見ると、【A】から【C】には昭和60年(1985年)3月と書かれています。

 

配送用の用紙なので無理だと思いましたが、郵便局の窓口で「この用紙を1枚づつ頂けませんか?」と恐る恐る尋ねたところ、「いいですよ」とこころ良く応じていただきました。

 

郵便局の壁面に展示されていた全9種類のカラーイラストで描かれた《配送用紙》には、私でも知っている著名な切り絵作家や漫画家のイラストが含まれていましたので、強く魅かれていました。

 

前回ご紹介した、モノクロのサンプル原稿に用意されていた文字だけのバージョンと組み合わせれば祝辞や弔辞としては最強ではないでしょうか。この時代の様式は2010年度で廃止されています。

 

 

 

 

 

 

 

                  【慶事用】

 

                   配送用紙

 

 

他の用紙より一足早く用意されたカラーイラストの〈配送用紙〉です。最初のカラー用紙で、まだ

アルファベットの記号は付けられていません。昭和60年(1985年)3月には既に見られました。

 

郵便局で⦅差出人⦆の原稿を写して⦅受取人⦆へ配送される用紙です。原稿用紙もカラー用紙と組み合わせて用意されていました。上部無地の欄は⦅差出人⦆と⦅受取人⦆の住所印刷欄でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

                   原稿用紙

 

                  (60.3.29. 納)

 

       昭和60年(1985年)3月29日 原稿用紙

 

組み合わせて用意されていた無地の原稿用紙です。あらかじめ(種別蘭)に【2】と書かれていますから【慶事用】で、ツルの《配送用紙》とセットだと分かります。《配送用紙》のカラーデザインを考慮せずに、無地の《原稿用紙》です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  【慶事用】

 

                配送用紙 【A】

 

昭和60年(1985年)4月頃に登場した、一挙に3種類が用意された配送用紙には【A】から【C】までのアルファベットが付けられていました。こちらは【A】です。イラストレーター ≪水森亜土≫氏のイラストが描かれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

                原稿用紙 【A】

 

          (60.3.日本ビジネスコンサルタント 納)

 

        昭和60年(1985年)3月 原稿用紙

 

組み合わせて用意されていた原稿用紙です。あらかじめ(種別蘭)には【2】ーAと書かれていますので【慶事用】の【A】と分かります。カラーイラストの部分が淡い青緑色で印刷されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  【慶事用】

 

                配送用紙 【B】

 

昭和60年(1985年)4月頃に登場した、一挙に3種類が用意された配送用紙には【A】から【C】までのアルファベットが付けられていました。こちらは【B】です。少女漫画家のイラストです。

漫画家のお名前は分かりませんが ≪津雲むつみ≫ 氏の漫画を彷彿とさせる方です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                原稿用紙 【B】

 

                  (60.3. 井坂 納)

 

        昭和60年(1985年)3月 原稿用紙

 

組み合わせて用意されていた原稿用紙です。あらかじめ(種別蘭)には【2】ーBと書かれていますので【慶事用】の【B】と分かります。カラーイラストの部分が淡い青緑色で印刷されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  【慶事用】

 

                配送用紙 【C】

 

昭和60年(1985年)4月頃に登場した、一挙に3種類が用意された配送用紙には【A】から【C】までのアルファベットが付けられていました。こちらは【C】です。漫画家 ≪滝田ゆう≫ 氏のイラストが描かれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

                原稿用紙 【C】

 

             (60.3. 日本ユニバックサプライ 納)

 

        昭和60年(1985年)3月 原稿用紙

 

組み合わせて用意されていた原稿用紙です。あらかじめ(種別蘭)には【2】ーCと書かれていますので【慶事用】の【C】と分かります。カラーイラストの部分が淡い青緑色で印刷されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これまで白無地だった《配送用紙》がカラーのイラスト入りになりました。それにしても、機械の技術的な事は知りませんがファックスはモノクロしか転送できないのでしょうか?。当時は、何となくですが『差出人がカラーの原稿を用意する方が自由で手っ取り早いのに……』と思っていました。

 

私はそれまでモノクロだった写真がカラー写真に入れ替わった時代に小学生時代を過ごしています。学生時代には、モノクロだったコピーにカラーコピーが登場しました。私にはファックス機能に対する知識が全くないので、単純に『ファックスもカラーにならないのか?』と考えてしまいます。

 

 

 

 

 

 

次回は、5種類が同時に用意された《配送用紙》のD~Hまでを、原稿用紙と共にご紹介します。