〈レタックス〉のサービスでは、申込人が用意した原稿を郵便局の処理でファックスを送付します。⦅受取人⦆は郵便局が用意した専用の封筒に入れられた文書を受け取るわけです。

 

前回〈レタックス〉のサービスで郵便局が用意した⦅受取人⦆が受け取る封筒から、【一般用】と

【弔事用】をご紹介しました。今回は【慶事用】をご紹介します。

 

⦅受取人⦆が受け取る封筒には【一般用】と【慶事用】そして【弔事用】の3種類が用意されていました。制度が始まったばかりだからなのか、1年程度の間にデザインや形式の変更が頻繁に見られます。種類が多いので【慶事用】だけを今回ご紹介する事にしました。

 

 

昭和60年(1985年)12月には、翌年の年賀用が用意されています。郵便局から送付する配送封筒は新しい特別デザインが用意されています。⦅受取人⦆が受け取る配送用の用紙にも、干支の虎や獅子がカラーで描かれた特別デザインが3種類用意されました。

 

《配送封筒》は郵便局内の処理ですから、申し込む利用者側には全く関係のない封筒ですが、郵便局の窓口には用意されていて簡単に貰う事が出来ました。

 

 

 

 

 

 

                  受取封筒

 

                 【慶事用】

 

 

 

              昭和59年(1984年)9月

 

                (59.9.  寿堂 納)

 

ごく初期の《配送封筒》です。裏面に印刷された納入時期と製造会社名が印刷されていますので、

昭和59年(1984年)9月に納入された事が分かります。住所欄は透明セロファンになっていて、差出人が書いた原稿のコピーが見えるようになっています。

 

翌年、昭和60年(1985年)6月に(津田 納)と印刷された封筒も貰っていますが、紙質が違います。こちらは、ごく一般的な洋紙で純白です。

 

 

 

 

 

 

 

                      裏面

 

申込用の封筒と違い、《配送封筒》の裏面は無地です。右下に小さく製造会社と納入日が印刷されています。郵便局から送付されますが、一般的な封筒と同じで密封するようになっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               昭和60年(1985年)6月

 

                 (60.6.  津田 納)

 

昭和60年(1985年)6月に納入された封筒です。昭和59年(1984年)9月に納入された(寿堂)の封筒と体裁は全く同じですが、紙質が違います。こちらは紙の色がオフホワイトで、ごく僅かに

ザラついていて艶がなく、和紙のような雰囲気を感じる洋紙です。

 

 

 

 

 

 

 

                      裏面

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               昭和60年(1985年)9月

 

                 (60.9.  寿堂 納)

 

この頃は郵便局へ出かけると常に〈レタックス〉には注意していました。昭和60年(1985年)9月の封筒は、デザインの変化はありませんが封緘方法が変更されていました。

 

以前のように密封するのではなく、閉じるだけの形です。【慶事用】〈レタックス〉は電報変わりに送付される事が多いのでしょうから、封書を受け取るのはほとんどの場合が結婚式場と決まっています。祝辞の扱いは結婚式の司会者が行うと思います。

 

密封されている必要はないし、そもそも密封されていると司会者が開封する時の手間がかかります。

電報は用紙を開くだけですから、そこで〈レタックス〉も制度が変更されたのでしょう。

 

この時に私が見かけたのは【慶事用】だけで、【弔事用】ではこちらのように旧デザインで開封型の《配送封筒》には出会っていません。【弔事用】の開封型は新デザインからしかありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

                      裏面

 

封緘する糊が見られません。これまで《配送封筒》も差出人の《申込封筒》と同じで、糊で密閉する形でしたが開封タイプに変更されています。【一般用】ではこの変更は見られません。【一般用】はあくまでも私書扱いと言う事なのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              昭和60年(1985年)12月

 

                (60.12. アベ 納)

 

封筒のデザインが変更されています。【一般用】と【弔事用】も併せて、3種類の《配送封筒》の

デザインが同時に変更されました。

 

【慶事用】と【弔事用】は開封タイプになっていますが、【一般用】はデザインが変わっても糊で

密封する形式のままです。

 

 

 

 

 

 

 

                      裏面

 

   裏面の形は、旧デザインの時に既に閉じるだけの形になっていて、変更されていません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          昭和61年 年賀用、慶事用

 

 

              昭和60年(1985年)12月

 

                (60.12.  寿堂 納)

 

昭和60年(1985年)12月には、新しい【慶事用】《配送封筒》が用意されました。昭和61年用の年賀に多く利用されたようです。年賀用に⦅受取人⦆が受け取る《配送用紙》にも干支の虎や獅子がカラーで描かれた特別デザインが3種類用意されました。

 

年賀用の配送用紙と同じ頃に登場していますが、別に年賀用ばかりではなく利用者が希望すれば他の【慶事用】でも利用されていたと思います。郵便局に用意されていて、気軽に窓口で貰えました。

 

《配送封筒》は閉じるだけで、糊で密封する形ではありません。年賀用は、企業、または個人あての私書なのですが、年賀状の扱いで開封状態のまま配送する事が可能だったのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

                      裏面

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              【慶事用】実逓便

 

 

            昭和59年(1984年)11月30日

 

                (59.9.  寿堂 納)

 

秋田県に住んでいる学生時代の友人の結婚式で祝辞を送りました。その時に送付された封筒を返送してもらっています。こちらの面に【秋田  西馬音内】郵便局の消印が押印されています。

 

 

 

 

 

                     裏面

 

   【富士宮】郵便局では消印が裏面に押印されていましたが、秋田の封筒では表面です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【一般用】【慶事用】【弔事用】ともにA4判用紙を三つ折りにして送付する形でしたが、後に電報

のように台紙に貼付する形に変更されます。昭和63年(1988年)に、電報のように台紙に貼付するタイプが最初に登場しています。

 

昭和63年(1988年)頃を境に、それまでの封書形式に代わって台紙貼付型にシフトして行くのではないかと思います。台紙形式も封書型も、サービスは並行して提供されています。

 

 

 

 

 

 

 

         次回は⦅差出人⦆が書く原稿用紙と申込用紙をご紹介します。