《エポック》は昭和45年(1970年)9月に新発売されました。《蘭》の発売から半年後に登場した新銘柄です。これまでの銘柄よりニコチン、タール量の少ない ≪軽いたばこ≫ です。世の中の喫煙者の風潮が ≪軽いたばこ≫ に移行し始めた、走りの銘柄と言えます。

 

〚日本のたばこデザイン〛の解説では、『軽いたばこの新時代を迎えて名付けられたのか…』と書かれています。実際この頃から ≪軽いたばこ≫ の発売が続きます。昭和50年(1975年)以降は特にその傾向が顕著に表れて行きます。

 

 

 

《エポック》は昭和49年(1974年)4月に製造中止になりました。この時には4種類の銘柄が同時に廃止されました。両切り《富士》《いこい》、フィルターたばこの《ひびき》《エポック》です。

 

幼い頃に父親が吸っていた《いこい》の廃止が私にとって忘れ難い事で、この時の廃止のニュースがたばこのパッケージを集めるきっかけとなったと言う話は《いこい》の記事で述べています。

 

 

販売期間は短く、3年7ヵ月でした。その期間に全銘柄共通のパッケージ変化は〚健康表示〛の印刷だけです。《エポック》個別の変更もないため、変化の乏しい銘柄となりました。

 

《エポック》のパッケージにはひとつの特徴があります。四隅が丸くカットされていると言う事です。他の銘柄はどれも長方形にすっぱりとカットされています。

 

 

両サイドのフラップに見られる糊付け部分の白抜きですが、昭和45年(1970年)9月頃から長さが【U字Ⅱ型包装】は全て統一されました。《エポック》は新発売の時から統一後の長さです。

 

〈ロングサイズ〉は 70mm.となり、〈レギュラーサイズ〉では 59mm.に変更されました。ロングサイズの《エポック》は長さが 70mm.しか知られておらず、統一後のサイズになっています。

 

 

 

こちらのロングサイズ《エポック》は、〚日本専売公社〛のフィルターたばことしては《蘭》に続いて発売された、20番目の新製品となります。

 

 

 

 

 

 

昭和50年(1975年)頃より、当時集めていたたばこは全て開いています。1972年に刊行された〚日本のたばこデザイン〛にペーパーの展開写真が掲載されていて面白いので真似をしてみました。

 

《エポック》は、昭和53年(1978年)頃に神保町〈古書センター〉内の趣味関連全般を販売している店で、中身入り(2個で 300円)を見つけています。そちらを開いたのでシミが目立ちます。

その時に私も吸いましたが、喫味が変質していて本来の風味は分かりませんでした。

 

 

サイドに四桁の数字が印刷されています。上二桁は製造工場の番号で、下二桁はその工場の製造機械の番号だと聞いています。15番工場の17号機と言う事です。製造履歴が分かる数字の記載が始まったのは、昭和44年(1969年)5月からです。

 

 

 

 

 

 

 

 

        《エポック》の販売期間中に定価改定は実施されていません

 

 

                  エポック

 

  ①昭和45年(1970年)9月20日  発売   定価 100円

   昭和47年(1972年)7月     健康表示のため中止 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ②昭和47年(1972年)7月     健康表示 印刷

   昭和49年(1974年)4月 8日   製造中止 

 

 

 

 

 

 

〚日本専売公社〛の時代のパッケージ変化はいくつか見られます。これは他の銘柄でも同じことが言えます。《エポック》販売中の共通した変化を挙げておきます。

 

  ● 昭和45年9月頃から、U字Ⅱ型包装ではサイドの白地部分の長さがレギュラーサイズ 59㎜

                      ロングサイズは 70㎜ となる。

  ● 昭和47年7月から、サイドに健康表示が印刷される。

 

 

両サイドフラップに見られる糊付け白抜きの長さは、《エポック》では 70mm.しかありません。

 

 

 

 

 

 

 

次回は《エポック》の発売から9ヶ月後に新発売された《ハイライトエキスポート》をご紹介します。〚日本専売公社〛の〈フィルターたばこ〉としては21番目の銘柄です。