昭和41年8月20日、新しい銘柄《わかば》が発売されました。《エムエフ》発売から1年2ヶ月後の新製品です。今回は《わかば》に見られるパッケージの変遷をご紹介します。
2年ほどの販売で、定価改定に併せてデザインが変更されます。双葉をイメージしたようないかにも新芽らしく、若草色の現代風でしゃれたデザインになりました。
新発売当初のデザインは旧態依然とした古いイメージなのですが、昭和43年5月の一斉値上げに合わせて変更された新しいデザインはすっきりとしていて、全く雰囲気が変わります。
双葉をモチーフにしたデザインでは、古くは昭和22年11月に『戦後新たに生まれ変わる』と言う事から両切りたばこの《新生》が誕生しています。どちらも似たようなイメージからデザインが採用されていると言えますが、《新生》と新しいデザインの《わかば》では印象がかなり異なります。
両者には20年ほどの開きがありますが、《わかば》はグラフィックデザインのセンスとしてはかなり洗練されているように感じます。飽きのこない、センスの良いデザインと言えるのではではないでしょうか。私が黄色系や浅黄色が好きだと言う、ひいき目もあるのかも知れませんが……。
新しい《わかば》では地色の印刷色が変化しています。初期の頃は緑味の強い浅黄色でしたが、健康表示が印刷される前には既に黄色みの強い浅黄色になっていて、その色合いが最後まで続きます。
パステル調の色合いなので画像では伝わりませんが、現物はある程度色の違いが分かります。ただ、その色合いはパッケージによって濃い色から淡い色まで変化が無数に見られるので、違いがあまり感じられません。そのためコレクターも別に区別はしていないようです。私もそれに倣っています。
《わかば》は3級品たばこです。〚日本専売公社〛では1級品から3級品まで用意していましたが、葉タバコの使用部位によって区別されています。
1級品は柔らかい上質な部分、2級品はその他の部分、3級品は葉の中央にある葉脈部分とか質の悪い低級の葉、また1~2級品の刻みクズなどが使用されたと聞いています。葉タバコを捨てるところなく、全て使い切るためです。
現在は当たり前になっている安全上の観点から必要不可欠なセロファン包装ですが、銘柄ごとに個別に始まったようです。最初は昭和28年、両切りの高級たばこ《富士》なのだそうです。
昭和46年頃にたばこのフィルム包装が広く普及したようですが、《わかば》には装填されていません。《朝日》《ゴールデンバット》《しんせい》とフィルターたばこの《エコー》《わかば》など、3級品のたばこにはフィルム包装がありません。《いこい》にも廃止までありませんでした。
こちらのロングサイズ《わかば》は、フィルターたばことしては《エムエフ》に続いて発売された、〚日本専売公社〛による9番目の新製品となります。
手元で確認している《わかば》の変化
① 昭和41年(1966年) 8月20日 新発売
② 昭和43年(1968年) 5月 1日 デザイン変更 旧封緘紙 両サイド白抜き 68㎜.
③ 昭和43年 新パッケージ用の封緘紙 両サイド白抜き 68㎜.
④ 昭和43年 ネオフィルター用封緘紙 両サイド白抜き 68㎜.
⑤ 昭和43年 封緘紙 変更 囲みなし 両サイド白抜き 68㎜.
⑥ 昭和45年(1970年) 9月 両サイド白抜き 70㎜. に変更 一般的な白抜き
⑦ 昭和45年(1970年) 以降 両サイド白抜き 70㎜. 白抜きに 1㎜. の地色ライン
⑧ 昭和47年(1972年) 7月 健康表示 印刷
⑨ 昭和50年(1975年) 7月 ≪np≫ マーク印刷
➉ 昭和50年(1975年)12月 定価改定 暫定封緘紙《ハイライト》の封緘紙使用
⑪ 昭和51年(1976年) 6月以降 レジスターマーク印刷
⑫ 昭和55年(1980年) 6月 証票変更
昭和58年(1983年)10月頃 製造年月日 印刷
⑬ 昭和59年(1984年) 封緘紙部分の白抜き 17㎜. と広くなる
⑬についてですが、昭和58年(1983年)10月頃からパッケージに製造年月日が印字されました。その頃までは封緘紙部分の白抜き幅が14mm.です。
昭和59年(1984年)に白抜き幅が17mm.へと拡幅されます。製造年月日が印字された当初には、白抜き幅が14mm.だったと思われるのですが《わかば》は未確認なので番号を付加していません。
わかば
①昭和41年(1966年) 8月20日 定価 50円
昭和43年(1968年) 5月 1日 デザイン変更により中止
昭和41年8月20日に新発売されました。たばこペーパーの印刷もパッケージデザインと同じです。たばこペーパーには中心のデザインとなっている3本に分かれた新芽の枝が描かれています。
追加修正
このブログに付きまして、(タバコ収集)様より貴重な情報を頂きました。私は、《わかば》にはこれまでセロファン包装がないと思っていましたが、こちらのパッケージにはセロファン包装があったそうです。私が知っている新デザインでは見られませんので、これは驚きの事でした。
昭和35年に発売の2級品《ハイライト》にしても、昭和41年に発売の3級品《わかば》にしても、発売当初から外装セロファンが装填されていたと言う事実は、〚日本専売公社〛では予想よりも早く
からセロファン包装が実施されていたのかも知れません。
デザイン変更
昭和43年(1968年)5月1日の定価改定でデザイン変更
昭和50年(1975年)頃より、当時集めていたたばこは全て開いています。1972年に刊行された〚日本のたばこデザイン〛にペーパーの展開写真が掲載されていて面白いので真似をしてみました。
発売初期のパッケージデザインの時とはペーパーのデザインが異なります。こちらは昭和43年5月以降のペーパーデザインです。初期の3本の若芽が、双葉のイメージに変更されています。
サイドに四桁の数字が印刷されています。上二桁は製造工場の番号で、下二桁はその工場の製造機械の番号だと聞いています。26番工場の49号機と言う事でしょう。たばこの製造履歴が分かる数字の記載が始まったのは、昭和44年(1969年)5月からです。
明治42年(1905年)に《オリエント》と言う名前の両切りたばこが発売されます。〚専賣局〛では初の(トルコ巻き)と呼ばれる銘柄で、吸い口の部分にコルクが巻かれていたそうです。コルクの茶色い所からフィルター部分が茶色くなったと言われているようです。
【昭和43年5月1日〚定価改定〛でデザイン変更の銘柄】
この時にデザインが変更された銘柄は、両切りの《ピース》《しんせい》《いこい》、フィルターたばこの《ハイライトデラックス》《わかば》と、計5種類が存在します。他は暫定封緘紙やシールで対応していました。
封緘紙の変化
昭和43年5月の一斉値上げに合わせてデザインが変更されました。この時期の封緘紙は複雑です。
●先ず、旧パッケージで使用された横ラインの封緘紙が新パッケージでも使われていました。
●次に、旧パッケージで使用された横ラインの封緘紙の品名を丸く囲んたものが使われました。
新デザインのパッケージのために用意された、新しい封緘紙だったと思われます。
●続いて、色が明るくなりラインが縦に変更され、同じく品名を丸く囲んた封緘紙が見られます。
ネオフィルターに変更されたようで、その時に新しいデザインとして用意されたようです。
●最後に、長期間使用された、ラインが縦で品名に丸い囲みのない封緘紙が登場します。
②昭和43年(1968年)5月 1日 旧封緘紙をそのまま利用
③昭和43年(1968年)5月 封緘紙を変更(品名を円形に囲む)
④昭和43年(1968年) 封緘紙を変更(縦線で円形に囲む)
②ごく初期には旧パッケージの封緘紙がそのまま使用されていました。間もなく品名を丸く囲んだ
封緘紙に変更されます。
③この封緘紙は昭和43年5月の定価改定で登場した、新デザインのパッケージで初期に使用されま
した。品名部分が変更されただけです。旧封緘紙の品名が丸く囲まれています。
④はネオフィルターに変更された時に使用された封緘紙のようです。これまでの横線のデザインか
ら9本の縦線になりました。中央に書かれた品名が丸く囲まれています。
パッケージ両サイドフラップの糊付け部分に見られる白抜きの長さは 68㎜ です。フラップ部分の上端には黄緑のラインが半分だけ印刷されています。
②旧パッケージの封緘紙をそのまま使用
↑ ↑
白地 68㎜ 白地 68㎜
③新デザイン用の初期タイプで、旧封緘紙の品名を丸く囲む
↓
↑ ↑
白地 68㎜ 白地 68㎜
参考 ④昭和43年 ネオフィルター 封緘紙
1972年発行〚日本のたばこデザイン1904~1972〛掲載より
ラインが縦に変更された新しいデザインで、(わかば)の文字の周りを楕円で囲んでいます。
〚日本のたばこデザイン〛に掲載された画像をお借りしています。
⑤昭和43年(1968年) 封緘紙を変更(縦線で丸囲みなし)
昭和45年(1970年)9月 フラップ白地変更により中止
封緘紙の色が明るくなり縦のラインに変更されています。同じ封緘紙で(品名を丸く囲んだ)印刷が見られるのですが手元にはありません。ネオフィルターへ変更の時に用意されたようです。
こちらはその後変更された、このパッケージで最後まで使用されていた定番と言える封緘紙です。
品名の丸い囲みがありません。
パッケージ両サイドフラップの糊付け部分に見られる白抜きの長さは 68㎜ で、フラップ上端には黄緑のラインが半分だけ印刷されています。
縦ラインで品名の囲みなし
↓
↑ ↑
白地 68㎜ 白地 68㎜
⑥昭和45年(1970年) 9月 フラップ白地 70㎜ となる
昭和47年(1972年) 7月 健康表示により中止
両サイドフラップ部分の白地が 70㎜ と長くなりました。フラップの部分に黄緑のラインは印刷されていません。白地の長さは【U字Ⅱ型包装】では全銘柄が変更されています。ロングサイズでは70mm.となり、レギュラーサイズは 59mm.に統一されました。
⑥ 白抜き部分地色ラインなし
両サイドフラップ部分の白抜きの長さが 70mm.のパッケージには、白地が従来通りのタイプと中央に地色のラインがあって白抜きが2分割されたタイプがあります。こちらは従来のタイプです。
白抜き部分にラインのないタイプ
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白地 70㎜ 白地 70㎜
白抜き部分を拡大しました。白抜きは従来通りの縦長で、一面に広がっています。
⑦ 白抜き部分地色ライン入り
その白抜きの中央に地色のラインが入り、白抜きが2分割されています。白地の中央に見られる地色のライン幅は1mm.です。他のタイプでは確認しておらず、いつ頃見られたのかも分かりません。
他にも《ロングピース》で確認しています。《ロングピース》では地色の幅が 3mm.と広く、とても目立っています。他の銘柄でも見られるのかも知れませんが、確認していません。
↑ ↑
白地 70㎜ 白地 70㎜
中央のラインが分かるように白抜き部分を拡大しました。このラインは両サイドにあります。
まっ、普通の方は気にも留めない事でしょう。パッケージは貰いものばかりですが、私もとりあえずはコレクターの端くれです。どうしてもこのような変化は気にかかってしまいます。
⑧昭和47年(1972年) 7月 健康表示
不明(昭和51年 以降) レジスターマーク印刷により中止
サイドに健康表示が印刷されました。私が最初に購入したのはこのパッケージからです。昭和50年の秋頃の事で、同年7月に印刷されていた ≪np≫ マーク入りは既に販売していませんでした。過去のパッケージは全て琉球煙草の研究でお世話になった方に貰っています。
⑨昭和50年(1975年) 7月 npマーク印刷(期間は2ヶ月程度)
昭和50年 12月 18日 (外装セロファンにシール貼付) 定価改定 定価 80円
《わかば》にはセロファンがないので直接貼付
昭和50年5月1日にはたばこの値上げが予定されていました。そこで沖縄たばこと《おおぞら》を
除く銘柄に ≪np≫ マークが印刷されますが、国会を通過せずに値上げが見送られてしまいます。
口付きたばこ《朝日》はもともと値上げが予定されていないので印刷されていません。
≪np≫ マークの印刷されたパッケージはごく短期間、何事もなく旧定価で普通に販売されていました。この印刷にはコレクター以外、一般の喫煙者はあまり気が付かなかったと思います。
底面に ≪np≫ マーク
↓
たばこの値上げは結局この年に実施されます。昭和50年12月18日《朝日》を除く銘柄に定価改定が実施されて5割もの値上がりとなりました。新価格の製品には、新たに赤いシールが貼付されています。昭和51年2月まで貼付されました。
昭和51年3月から ≪np≫ シールを貼付しないことを周知するポスターです。たばこ店の店頭に貼り出されました。サイズがB4判で長さが38センチ近いのでスキャナーに収まりません。
上下2枚の画像を張り合わせたので色の違いがありますが一枚のポスターです。このポスターは自宅と同じ商店街にあるたばこ店で貰いました。
昭和52年12月には法改正が実施されます。そこから値上げは国会の承認が必要なくなり、管轄大臣の認可で公社が独自で行えるようになりました。〚日本専売公社〛に限らず、〚日本国有鉄道公社〛国鉄の運賃も同じです。
定価改定の暫定封緘紙
➉昭和50年(1975年)12月 暫定封緘紙
昭和50年12月18日の定価改定の時には、新価格の外装セロファンに ≪np≫ シールが貼付されています。セロファンのない3級品には直接パッケージに貼付されていました。
また外装セロファンのあるパッケージでは暫定的に開封テープが白色に変更されましたがセロファンのない3級品には《ハイライト》の封緘紙を使用したパッケージがあります。
《しんせい》《わかば》《エコー》の三銘柄で、封緘紙が暫定的に《ハイライト》の封緘紙に変更されていました。【U字型包装】の《ゴールデンバット》にはもともと封緘紙がありません。
昭和55年4月1日にも〚日本専売公社〛の値上げが実施されます。この時の定価改定以降は、旧価格製品と新価格製品の区別がなくなりました。
⑪ レジスターマーク
両サイド糊付け部分の白地に濃い緑で長方形が印刷されています。これはレジスターマークと言われる、色検知用の印刷です。サイドに〈健康表示〉が印刷されて、その途中から印刷されています。
印刷された時期は不明ですが、銘柄によってばらつきがあるようです。早い銘柄では1976年に見られますが、多分多くの銘柄では1977年~1978年以降ではないでしょうか。
《わかば》での印刷は、証票が旧マークの時代でもかなり遅い時期です。遅いと1980年に、証票が新しく煙のような雲のようなデザインに変更された以降の銘柄もあります。《エコー》《しんせい》
などの3級品たばこです。
私の手元にある最も早いレジスターマークの印刷は《カレント》です。1976年6月にデザインが変更されて、新たに発売されたパッケージに印刷されています。当時、新《カレント》は発売と同時に購入していますが、その時には印刷されていました。
⑫昭和55年(1980年) 6月 1日 公社マーク変更
昭和58年(1983年) 10月頃 製造年月日 印字により中止
右サイドに印刷されている証票が、これまでの【専】を図案化したデザインから煙のような雲のようなマークに変更されました。
封緘紙を貼付している部分の白地幅がまだ 14mm.です。3年後にはパッケージに製造年月日が
印字されるようになり、数ヶ月後に変更されて 17mm.と広くなります。
↑
白地幅 14㎜
昭和58年(1983年) 10月頃 製造年月日 印字
⑬昭和59年(1984年) 封緘紙部分の白抜き変更
昭和60年(1985年) 4月 1日 社名変更により中止
〚日本たばこ産業株式会社〛となる
確か昭和58年10月頃からだと思いますが製造年月日が印字されました。他の銘柄ではフィルム包装に印字されていますが、旧3級品では直接パッケージに印字されました。
封緘紙の糊付け部分に見られる白抜き幅がこれまでは 14mm.でしたが、昭和59年より 17mm.と広くなっています。この変更は《しんせい》《エコー》でも実施されました。
昭和58年10月頃に製造年月日が印字されたばかりのパッケージは、まだ白抜きが 14mm.だったと思われますが、確認できないので番号は付けていません。
59.9.5 と印字されています ≪昭和59年9月5日≫
↑
白地幅 17㎜
〚日本専売公社〛の時代、《わかば》で実施された定価改定
昭和41年(1966年) 8月 20日 発売 定価 50円
昭和43年(1968年) 5月 1日 定価 60円
昭和50年(1975年) 12月 18日 定価 80円
昭和55年(1980年) 4月 22日 定価 100円
昭和58年(1983年) 5月 1日 定価 120円
《わかば》は〚日本専売公社〛の3級品たばこです。
3級品の銘柄としては他に《ゴールデンバット》《しんせい》《エコー》などが販売されています。
昭和43年(1968年)5月1日に、専売公社として初めての一斉値上げが実施されました。旧価格品と新価格品を区別するために、銘柄によっていくつかのパッケージ変化が見られます。
● 封緘紙のデザインを変えずに、暫定的に印刷色を変化させる。
《ホープ》《ピース》《ルナ》《ハイライト》《ハイライトデラックス》《mf エムエフ》
《ひびき》《トリオ》《スリーエー》の、9種類の暫定封緘紙が確認できます。
《ハイライト》と《ハイライトデラックス》は、《ハイライト25》の封緘紙と同じデザインで
(25)の数字のない色違いです。この暫定封緘紙が《ハイライト25》に引き継がれます。
● 定価改定の丸型の小さなシールをパッケージに貼付する。
定価改定のシールは全6種類が用意されたようです。印刷色と併せて中央の星の数がそれぞれ違います。たばこの値上げ価格によって違うようです。ただし、赤色=星1個は共通用なのだそうです。
こちらは赤色で中央の星が1個です。他に赤紫色=星1個、青色=星2個、オリーブ色=星3個、
レモン色=星4個、また中央に星の代わりに〈輸入たばこ〉と書かれたタイプを加えて6種類です。
はっきり分かりませんが、改定額が星1個=10円、星2個=20円、星3個=30円、星4個=40円なのだと思います。星の数で10円~40円までの値上げ金額を表しているようです。
《わかば》の新価格品はパッケージのデザインが変更されています。10円の値上げなので旧パッケージに〈赤紫色=星1個〉あるいは共通用〈赤色=星1個〉のシールが貼付されたと思われます。
昭和43年(1968年)5月1日の定価改定は、たばこのフィルム包装が広く普及する前の事です。
定価改定のシールは、まだ多くの銘柄でパッケージに直接貼付されていたと思います。
しかし《ハイライト》では昭和35年(1960年)の発売当初からセロファン包装されていましたがシールの貼付が見られます。他の全銘柄に対しても、セロファンが装填される前に直接パッケージにシールを貼付していたのでしょうか?。
この2種類の方法が採られたようです。銘柄によって違うようですが、当時小学生だった私には詳しい事は分かりません。学生時代にも《たばこサービスセンター》で伺っていませんでした。
〚日本専売公社〛の時代のパッケージ変化はいくつか見られます。他の銘柄でも同じ事が言えます。共通した変化を挙げておきます。
● 昭和45年9月頃から、U字Ⅱ型包装ではサイドの白地部分の長さがレギュラーサイズ 59㎜
ロングサイズは 70㎜ となる。
● 昭和47年7月から、サイドに健康表示が印刷される。
● 昭和49年9月から、金色が彩色されている銘柄では、金付けが金インクに変更される。
● 昭和50年7月には、ごく短期間、パッケージに ≪np≫ マークが印刷される。
● 昭和51年6月から、順次レジスターマークが印刷される。多くは昭和52年以降です。
● 昭和55年6月から、公社のマークが変更される。
昭和58年10月頃より《ゴールデンバット》《しんせい》《わかば》《エコー》では、パッケージに製造年月日が印字されています。《しんせい》と《エコー》はその頃にレジスターマークが印刷されるようになりました。
また昭和59年頃には《しんせい》《わかば》《エコー》の封緘紙の糊付け部分の白抜き幅がそれまでの 14mm.から 17mm.へと広くなっています。他の銘柄は確認できないので不明です。
〚日本専売公社〛の時代はパッケージの印刷もキッチリとしていて、印刷会社による変化が見られません。そのためこちらの大きな変更は共通しているし、各銘柄の変化もしっかり管理されています。
パッケージの変化ではなく、定価改定などによる外装フィルムの変化。セロファン包装の第一号は
昭和28年からで、高級たばこ《富士》だったそうです。
《わかば》では、昭和41年(1966年)の発売当初からセロファン包装されていたと言う事ですがその後省略されたようです。新しいデザインに変更されて、私が知っている時代には既に装填されていませんでした。
● 昭和46年頃から、 外装セロファンが広く普及する
(旧3級品にはセロファン包装がありません)
● 昭和50年12月から、3か月間、外装セロファンに ≪np≫ シールが貼付される。
(セロファンのない旧3級品は直接シールを貼付)
● 昭和51年 2月まで ごく短期間、外装セロファンの開封テープが白色となる。
(セロファンのない旧3級品は暫定封緘紙)
● 昭和58年10月頃 外装セロファンに製造年月日が印字される。
(セロファンのない旧3級品は直接パッケージに印字)
外装セロファンが装填されなかった〈旧3級品〉の銘柄とは、両切りの《ゴールデンバット》と
《しんせい》、フィルター付きの《わかば》と《エコー》の4種類です。
日本たばこ産業株式会社
1985年4月1日、〚日本専売公社〛に代わって〚日本たばこ産業株式会社〛が発足します。私がたばこのパッケージを集めていたのは〚日本専売公社〛の時代ですが、社名が変更されて収集を全くやめてしまったわけではありません。
全てを集める事はなくなりましたがふと思い立った時などに購入していましたし、友人からもパッケージを貰っていました。手元に残している初期のパッケージだけ一緒にご紹介します。
1985年4月1日~1990年
新しいマークに代わっています。健康表示は同じですが横書きになりました。その後文章の変更が何度も行われています。そして1988年10月以降は【JT】のネームが導入されます。
パッケージに【JT】と印刷されるのは1990年頃からです。【JT】になってもパッケージの基本的なデザインは同じですが、文字表記が目まぐるしく変化しています。
〚日本たばこ産業株式会社〛になっても当初は社名表記が変更されただけでパッケージのデザインは同じでした。健康表示の文字が横書きになり、バーコードが印刷された程度の違いです。それまでの(製造年月日)が(賞味期限)にも変更されています。
太い封緘紙
(所持していません)
封緘紙は〚日本専売公社〛の時代と全く同じです。1988年2月頃まで使用されていました。太い封緘紙での販売期間はだいたい3年弱ほどです。1985年4月1日~1988年2月まで。
細い封緘紙
1988年2月より封緘紙の幅が狭くなりました。古くからの銘柄は封緘紙の幅が全て細くなり、このサイズに統一されています。17mm. だった封緘紙部分の白抜き幅は 14mm. に戻っています。
1988年10月以降はマークが順次【JT】へ変更されますが、印刷されたのは1990年頃のようです。《わかば》では1990年1月の製造までこちらのマークが見られます。(賞味期限は10ヶ月です)
(製造年月日)の印字が(賞味期限)に変更されています。≪2.11≫ これは1990年11月です。
逆算すると製造されたのが1990年1月と分かります。【JT】前の最後のパッケージだと思います。
2. 11. と印字されています (平成2年11月)
↑
白地幅 14㎜
封緘紙を並べて比較してみました
〚日本専売公社〛の時代にも1976年以降は ≪キングサイズ≫ 以上では細い封緘紙になりますが、
≪ロングサイズ≫ は太い封緘紙が使われていました。
〚日本たばこ産業株式会社〛の時代になると全ての銘柄が細い封緘紙に統一されます。
JT
1990年~1997年頃
1988年10月から【JT】のネームが導入されていますが、パッケージは1990年頃より登場します。
〚日本たばこ産業株式会社〛が誕生してから、第2期の印刷と言えます。
【JT】に変更された時にはサイドにロゴが大きく印刷されていました。そして、アルファベットと数字を組み合わせた定価記号が表示され、定価が分かるようになっています。
1997年 以降
1997年頃より、サイドに大きく表示されていた【JT】の文字が小さくなって、社名と並べて表記されるようになります。同時に定価記号が廃止されて定価が分からなくなりました。
ニコチンとタール量がパッケージに表記されるのもこの時期からでした。現在も続く表記で〚日本たばこ産業株式会社〛第3期の印刷と言えそうです。
【JT】になっても2005年頃まではパッケージに〚日本専売公社〛のイメージが残っていました。
2005年から健康への注意喚起が表面に印刷されるようになるとパッケージの雰囲気が一変します。
【JT】のパッケージもとりとめなく残していますが、短期間であまりにもパッケージの変化が激しくて、もともと所持している種類が少ないので細かい変化は全く分かりません。
【JT】の《わかば》はこちらの1枚だけ残していました。当初は【JT】のマークがサイドに大きく印刷されていましたが、初期の大きなロゴのパッケージはありません。
賞味期限 H.15.6. (2003年6月)
たばこの賞味期限は10ヶ月なので、製造は2002年8月と言う事になります。【JT】のロゴが小さくなって社名と並べられています。またこの時には既にリサイクルマークが印刷されていました。外装セロファンがないので【プラ】のリサイクルマークはありません。
この後、2005年から健康表示が正面と裏面に大きく印刷されますが、そのパッケージもありません。このパッケージは、ホントに偶然思い立って購入していたと思います。《エコーと一緒に》
次回の【フィルターたばこ】のご紹介は、《わかば》から4か月後に新発売された《こはく》です。〚日本専売公社〛で用意したフィルターたばことしては10番目の新製品です。