中学2年生の頃からずっと、最も仲の良かった友人と三人で週末になると各家に集まって夜通し騒いでいたものです。その時に必ず友人が持ってくるレコードが ≪吉田拓郎≫ さんのアルバムでした。そのレコードを散々聞いて、そこから私は ≪吉田拓郎≫ さんにドハマりしてしまいます。


友人が持っていたのは【エレックレコード】の《オンステージ ともだち》《人間なんて》と、リリースされたばかりの《オンステージ Ⅱ》《元気です》でした。当時私は1枚も持っていません。

 

ギターを習い始めると、小学生の頃から騒がしい曲が嫌いだった私は≪吉田拓郎≫ さんの弾き語り曲で、スリーフィンガーばかり練習していました。今でも弾くのは ≪吉田拓郎≫ さんと ≪中島みゆき≫ さんの、お二人の曲ばかりです。

 

今回は、中学生から高校生にかけて最も夢中になっていた ≪吉田拓郎≫ さんが【エレックレコード】からリリースされたステージアルバムとオムニバスアルバムの4枚をご紹介します。

 

この頃のお名前は、まだ ≪よしだたくろう≫ と、ひらがなでした。今も私のイメージはひらがなのお名前です。1975年に【フォーライフレコード】を設立の時に ≪吉田拓郎≫ と改名されたそうです。

 

 

 

 

 

       古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう

 

      1970年 6月1日  エレックレコード   価格 1500円

 

こちらの盤は製作が【エレックレコード】で、全国展開されたアルバムです。全8ページの歌詞と楽譜の冊子が付属していて、ジャケットはダブルジャケットです。

 

アルバムはもともと広島フォーク村が自主制作したレコードです。その時の製作には【エレックレコード】が関与していたそうです。自主制作盤は手売りでしたが、売れなくて苦労したとあります。


 

友人もこのアルバムは持っておらず、当時は聴いた事がありません。ネットが普及した時代になってからレコードが安くなったのでネットオークションで手に入れました。【フォーライフレコード】でも販売されたので今でもよく見かけるアルバムです。

 

 

       A面   1.イメージの詩      よしだたくろう

           2.色どられた世界     伊東明夫

           3.もしも         ボニーとクライド

           4.れんげの唄       いちごの木

 

       B面   1.赤い柿         ムツゴロー

           2.白い粉雪        宮城夕起夫

           3.マークⅡ        ユニオン・ジャックス                  

           4.波よけさないで     グルックス

           5.ニワトリの小さな幸福  フォーク村

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                唄の市 第一集

 

     1972年 1月15日  エレックレコード   価格 1700円

 

1971年に東横劇場で開催されたライブのアルバムです。≪吉田拓郎≫ さんはB面で《ハイライト》と言う曲を歌っています。ご自身のアルバムには収録されていません。

 

この頃は《ハイライト》を吸っていて、明石家さんまさんと共演したテレビの番組ではさんまさんがよく笑いのネタにしていました。

 

他の参加者には泉谷しげるさん、小室等と六文銭の他、古いフォークファンには懐かしい古井戸や、ケメ(佐藤公彦)さんがグループ時代のピピ&コットなどが歌っています。

 

こちらのレコードは、私が40代になってもギターで ≪吉田拓郎≫ さんの曲ばかり弾いているのを見ていた、中学生の時の先輩から貰いました。

 

 

     A面   1.ハイライト               よしだたくろう

         2.捨ててはいけないよ 大切なものを    ピピ&コット

         3.白い愛の言葉              宮島ゆき

         4.雨よ                  宮島ゆき

         5.戦争小唄                泉谷しげる

         6.愛しているよ              泉谷しげる

         7.帰り道                 泉谷しげる 

 

 

     B面   1.街と飛行船               小室等と六文銭

         2.今 旅に出るよ             シティ・ライツ

         3.僕のチータカ節             シティ・ライツ

         4.失恋のうた               ピース・シティ                  

         5.下北沢たそがれ             黄色い船

         6.花言葉                 古井戸

         7.大雪のあとで              古井戸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    よしだたくろう オンステージ ともだち

 

     1971年 6月7日  エレックレコード   価格 1700円

 

1971年にリリースされたライブ盤です。ライブ会場ははっきりしないようですが、1971年に開催された東京厚生年金ホールではないかと言われているようです。全12ページの楽譜と歌詞の冊子が付属していて、ジャケットはダブルジャケットです。

 

当時一緒に活動していた《ミニバンド》の井口よしのり氏が作詞した、【青春の詩】の替え歌である【老人の詩】を披露しています。斉藤哲夫氏の【されど私の人生】と、六文銭のメンバー及川恒平氏の【面影橋】も歌っていて、この2曲は他のコンサートでもよく歌っていました。

 

 

 A面   1.おろかなるひとり言          2.マークⅡ

     3.もう寝ます              4.老人の詩

     5.私は狂っている            6.何もないのです

 

 B面   1.やせっぽちのブルース         2.されど私の人生

     3.わっちゃいせい            4.夏休み

     5.面影橋から              6.イメージの詩

     7.ともだち

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         よしだたくろう オンステージ Ⅱ

 

   1972年 12月25日  エレックレコード   価格 3000円 

 

2枚組のライブアルバムです。渋谷のジァンジァンで、1971年8月11日~13日まで3日間開催されたリサイタル盤です。裏面の写真が裏打ちされたジャケットがあるとして騒がれていました。

 

1日目が弾き語り、2日目が《ミニバンド》との演奏、そして3日目は六文銭と【人間なんて】だけを歌ったそうです。アルバムの中で『あしたは会場の椅子を取っ払って…』とご本人がしゃべっています。

 

収録曲の中の《ポーの歌》は ≪浜口庫之助≫ 氏の歌なのですが、【エレックレコード】が勝手に

作詞作曲を ≪よしだたくろう≫ と書いたために盗作では、と騒がれたそうです。(実際は違う)


 

これは ≪吉田拓郎≫ さんの許可なく出されたそうで、ご本人がクレームを入れたうえに気に入らないアルバムのようです。A面の《準ちゃん…》の曲名もたくろうさんの付けた曲名と違うようです。

確か、《準ちゃんが今日のよしだたくろうに与えた多大なる影響》だったと思いますが?…。

 

【エレックレコード】倒産後には廃版となっている事は、たくろうファンの間では有名な話です。

大判1枚の歌詞カードが付属しています。

 

 

 

中学3年の時には、リリースされたばかりのこのレコードと《元気です》の2枚は、友人が泊まりに来ると必ず家に持ってきていて私が聴き馴染んだレコードです。

 

特にこのレコードは友人から借りっぱなしでした。たまに友人が聴きたい時には返しますが、またすぐに借ります。友人も私がギターの練習をしている事を知っていて、あきらめていたようです。

 

当時の私は、ギターの練習曲が主にこのアルバムの曲でした。ギターの練習のためもあって、当時私が最も聴いていたレコードです。私にとっては最も思い出深い大切なアルバムです。
 

 

 A面  1.準ちゃんがよしだたくろうに与えた偉大なる影響  2.なんとかならないか女の子

    3.プロポーズ                   4.静

 

 B面  1.トランプ                    2.大きな夜

    3.僕一人                     4.雨

    5.7万5千円の右手                  6.来てみた

 

 C面  1.腹へった                    2.ゆうべの夢

    3.日本人になりたい                4.ポーの歌

    5.恋の歌                     6.もうおかえり

    7.かくれましょう

 

 D面  1.人間なんて

 

 

 

 

収録曲の《静》と言う曲が大好きで、ギターではアルペジオばかり練習していたのですが、この曲だけは独特なストロークを習得してよく歌っていました。スリーフィンガーでは《大きな夜》を良く弾いていたし、他にもアルペジオの弾き語りが多くて聴き込んでいました。

 

《恋の歌》も好きでした。≪吉田拓郎≫ さんがキンキキッズと共演していた【ラブラブ愛してる】で、所ジョージさんがゲストの時に《恋の歌》が気に入って『権利、ちょうだい』なんて話をして、番組内で歌った時には懐かしい思いがよみがえりました。

 

 

 

学生時代高田馬場に住んでいた私は、洋品店だった自宅の洋品の仕入れで、秋葉原の洋品問屋には毎月出かけていました。1976年に、その日も仕入れで秋葉原へ出かけた時です。倒産した【エレックレコード】の在庫処分が行われたところに偶然行き当たりました。

 

広場でのあおぞら即売会場で、定価あるいは定価より僅かに安く販売されていました。ひと回り見ましたが、結局レコードは1枚も購入していません。私が偶然見かけた時、たくろうさんのアルバムは既にすべて売り切れていたのです。

 

 

 

 

次回は ≪吉田拓郎≫ さんが【エレックレコード】でリリースしたデビューアルバムなど、スタジオで収録したアルバムと、同じく【エレックレコード】のベストアルバムをご紹介します。