昭和35年(1960年)6月20日に新発売された《ハイライト》は、《ショートホープ》に続くフィルターたばこの第2弾です。《ハイライト》以降、〈フィルターロングサイズ〉が主流となります。

それまでは、たばこは〈両切り〉で〈レギュラーサイズ〉が一般的でした。

 

若い人を中心に《ハイライト》は大人気となったようです。新しい喫煙者も増加したのでしょう。

昭和35年には世界で最大量の生産銘柄となり、昭和43年(1968年)には世界で1番の売上げ銘柄となったそうです。

 

何よりも、ほんの60年ほど前に日本の喫煙率が大増加していた事が驚きです。そう言えば ’60年代モノクロ時代のテレビドラマを見ると常に喫煙シーンがありました。中でも社員の多い会社の事務所風景、特に報道関係の事務所シーンや刑事ものなどでは室内がたばこの煙で白濁していたものです。

 

 

 

《ハイライト》は〚日本専売公社〛の2級品たばこです。1級品より安い価格が設定されていました。他にもフィルター付きでは《ひびき》《エムエフ》《おおぞら》などの銘柄が見られます。

 

〚日本専売公社〛では1級品から3級品まで用意していましたが、それぞれ葉タバコの使用部位に

よって区別されています。葉タバコを、捨てる部位なく全て使い切るためです。

 

1級品は柔らかい上質な部分、2級品はその他の部分、3級品は葉の中央にある葉脈部分とか低級な葉、また1~2級品の刻みクズなどが使用されたと聞いています。

 

 

 

たばこの生産が《ハイライト》に偏ったため〚日本専売公社〛では生産が追い付かず、品薄銘柄が出る恐れがありました。そこで、琉球民営煙草会社からの輸入が始まります。

 

最初は【琉球煙草株式会社】から《うるま》が輸入されましたが、1962年からは琉球に設立された

三社から輸入されます。〚日本専売公社〛の依頼は両切りたばこで【オリエンタル煙草株式会社】の《ロン》、【沖縄煙草産業株式会社】の《クィーン》が《うるま》と併せて輸入されています。

 

琉球の輸出たばこについては以前当ブログで詳しく掲載しています。宜しかったらご参照ください。

琉球煙草:本土向け輸出煙草 | アリタリアfujiのブログ (ameblo.jp)

 

 

 

 

昨年、当ブログで《ハイライト》の仲間はまとめてご紹介しています。《ハイライトデラックス》のほか、《ハイライト25》《ハイライトエキスポート》などです。今回は《ハイライト》の20本入に絞って、もう少し詳しくパッケージをご紹介します。

 

先に述べたように、1960年代には《ハイライト》は世界一の生産量、世界一の販売量を記録したほどの人気銘柄でした。発売期間が《ショートホープ》の次に長い事もあり、〚日本専売公社〛の時代には細かいパッケージの変化が多く見られます。

 

 

〚日本専売公社〛によるフィルターたばことしては、《ハイライト》は《ショートホープ》に続いて新発売された2番目の新製品となります。≪ロングサイズ≫ のたばことしては初めての製品です。

同じ年に【両切りたばこ】では、昭和35年5月に《スリーエー》が新発売されています。

 

 

 

 

ところで、現在は当たり前になっている安全上の観点から必要不可欠なセロファン包装ですが、銘柄ごとに個別に始まったようです。最初は昭和28年、両切りの高級たばこ《富士》なのだそうです。

 

昭和35年発売の《ハイライト》は、発売当初からフィルム包装されていたと言う事です。一般的に広く普及したのはどうも昭和46年頃だったようです。

 

 

≪ロングサイズ≫ の《ハイライト》は昭和35年6月20日の発売当時、従来の ≪レギュラーサイズ≫ より太く巻かれていました。長さと太さの比率の関係で ≪レギュラーサイズ≫ の比率に合わせて太くしたのだと思います。

 

しかし昭和36年(1961年)4月1日より、たばこの巻きサイズが細くなり ≪レギュラーサイズ≫ と

一緒になりました。僅かに細くなったのでパッケージの横幅も狭くなっています。発売から10ヶ月ほどはパッケージの幅が広かったわけです。

 

昭和36年4月1日以降はこの細い巻きサイズが定番となるようです。後発の《ロングホープ》など、フィルター付きの ≪ロングサイズ≫ はどれも細巻きサイズです。≪レギュラー≫ と ≪ロング≫ は、

どの銘柄も太さが統一されたと言う事です。

 

 

 

包装形態は一貫して【U字Ⅱ形包装】でしたが、昭和41年8月頃に浜松で【スタンダード型包装】が

試験的に短期間だけ販売されたようです。詳しい事は分かりません。

 

時が経って、専売公社のマークが変更された以降に【スタンダード型包装】が突然、単発的ですが姿を見せて驚かされました。【スタンダード型包装】としても新しい裁断で、左下の隅がカットされていません。確か1982年~1983年頃からだったと思います。

 

これまで【U字Ⅱ型包装】しか見られなかった《セブンスター》《マイルドセブン》の2銘柄も、ほぼ同じ時期に単発で ≪ロングサイズ≫ なのに新裁断の【スタンダード型包装】が販売されています。

 

新しい包装機械が導入されて、まだ機械の数が少ないので単発的に販売されていたのだと思います。パッケージの印刷にほとんど変化の見られない〚日本専売公社〛としては画期的な事でした。

 

 

 

私は《セブンスター》より強い喫味だと感じていて、紙臭さはないのですがどうも喫味が好きになれませんでした。モワッと鼻へ抜ける独特の風味が苦手だったのです。

 

《ハイライト エキスポート》もパッケージが欲しくて吸いましたが、やはり好きにはなれない喫味でした。何しろ《ショートホープ》一辺倒の時代だった頃の思い出です。

 

 

 

 

昭和50年(1975年)頃より、当時集めていたたばこは全て開いています。1972年に刊行された〚日本のたばこデザイン〛にペーパーの展開写真が掲載されていて面白いので真似をしてみました。

当初は〈太巻き〉でしたが、こちらは1975年頃のたばこで〈細巻き〉です。

 

 

サイドに四桁の数字が印刷されています。上二桁は製造工場の番号で、下二桁はその工場の製造機械の番号だと聞いています。40番工場の28号機と言う事です。製造履歴が分かる数字の記載が始まったのは、昭和44年(1969年)5月からです。

 

明治42年(1905年)に《オリエント》と言う名前の両切りたばこが発売されます。〚専賣局〛では初の(トルコ巻き)と呼ばれる銘柄で、吸い口の部分にコルクが巻かれていたそうです。コルクの茶色い所からフィルター部分が茶色くなったと言われているようです。

 

 

 

 

 

              手元で確認している《ハイライト》の変化

 

   ① 昭和35年(1960年)  6月20日    新発売 〈太巻き〉たばこ

   ② 昭和36年(1961年)  4月       〈細巻き〉に変更

   ③ 昭和41年(1966年)  8月       スタンダード型包装 浜松で試作販売

   ④ 昭和43年(1968年)  5月  1日    定価改定 暫定封緘紙

   ⑤ 昭和47年(1972年)  7月       健康表示 印刷

   ⑥   昭和50年(1975年)  7月       ≪np≫ マーク印刷

   ⑦   昭和51年(1976年)  6月以降     レジスターマーク印刷

   ⑧   昭和55年(1980年)  6月       証票変更

   ⑨ 昭和57年(1982年)頃         新裁断【スタンダード包装】追加

 

 

昭和42年(1967年)に、【全国火災予防運動】協賛の《ハイライト》が5種類販売されました。

パッケージは変わらず封緘紙だけが変更されていますが、協賛たばこは含めていません。

 

 

 

 

 

 

       〚日本専売公社〛の時代の定価は、最後にまとめて掲載しています

 

 

        ハイライト 20本入 《太巻き》

 

 

     昭和35年(1960年)  6月 20日 太巻き

     昭和36年(1961年)  4月       細巻きに変更のため中止

 

発売当初は現在より僅かに太く巻かれていました。たばこが太いのでパッケージの横幅も広くなり、横幅は9.4センチあります。デザインの青色地は、現在より青みが強く濃い色をしています。

 

ロングサイズとレギュラーサイズの長さの比率から太くしたのだと思いますが、販売期間がわずか10ヶ月でレギュラーサイズと同じ巻き幅に変更されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        ハイライト 20本入 《細巻き》

 

 

     昭和36年(1961年)  4月 1日    細巻きとなる

     昭和47年(1972年)  7月        健康表示のため中止

 

たばこの巻きサイズが細くなりました。〈細巻き〉と書きましたが、こちらが現在も流通している他の銘柄に見られる一般的な巻きサイズです。パッケージの横幅は 8.85センチあります。

 

青の色味も違います。青色の強い色合いから、現在まで続く灰色がかった青に変更されています。

この色は、よくハイライトブルーとかハイライトカラーと言った呼び方がされていました。国鉄で、0系新幹線の走行中のカラーがハイライトブルーと同じ色になるように考えられたと聞きました。

 

 

昭和43年5月の一斉値上げの時、《ハイライト》と《ハイライトデラックス》の新価格品には暫定的に波線模様の新しいデザインの〈暫定封緘紙〉が用意されました。

 

2銘柄とも同じデザインで色違いです。《ハイライト》では水色の波線模様となっています。この封緘紙のデザインは後に《ハイライト25》に引き継がれています。

 

 

 

 

 

                    幅 比較

 

太巻きと細巻きの幅を比較してみました。青い地色の幅も違う事が分かります。また、青地の色味も違います。太巻きは青みが強いのですが、細巻き以降は僅かに灰色がかった色合いです。

 

                               5mm.程度違います

                                  

 

《ハイライト》に太巻きと細巻きがあった事はコレクターには周知の事実だと思います。私も若い頃に聞いてはいましたが、三十数年前に琉球煙草の研究でお世話になった方にこのパッケージをいただくまで現物を見た事はありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

       参考 ④昭和43年5月1日 定価改定 暫定封緘紙

 

          1972年発行 〚日本のたばこデザイン1904~1972〛より

 

 

          〚日本のたばこデザイン〛の画像をお借りしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   昭和47年(1972年)  7月     健康表示

   不明(昭和51年 以降)      レジスターマーク印刷により中止

 

パッケージのサイドに健康表示が印刷されました。私が最初に購入したのはこのパッケージからです。昭和50年(1975年)秋頃です。過去のパッケージは全て琉球煙草の研究でお世話になった方にいただいています。

 

のちにレジスターマークが印刷されますが、最初に購入した頃にはまだ見られません。7月に印刷されていた ≪np≫ マークは既に販売していませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  昭和50年(1975年)  7月    npマーク印刷 (期間は2ヶ月程度)

 

  昭和50年 12月 18日 (外装セロファンにシール貼付)  定価改定   定価 120円

  昭和51年   2月まで   (外装セロファン白開封テープ)

 

昭和50年5月1日にはたばこの値上げが予定されていました。そこで沖縄たばこと《おおぞら》を

除く銘柄に新価格のマークが印刷されますが、国会を通過せずに値上げが見送られてしまいます。

 

口付きたばこ《朝日》はもともと値上げが予定されていないので印刷されていません。

 

npマークの印刷されたパッケージはごく短期間、何事もなく旧定価で普通に販売されていました。この印刷にはコレクター以外、一般の喫煙者はあまり気が付かなかったと思います。

 

                       底面に ≪np≫ マーク

                           

 

 

 

 

結局、たばこの値上げはこの年に実施されます。昭和50年12月18日《朝日》を除く全銘柄に定価改定が実施されて、5割もの値上がりとなりました。新価格の製品には、新たに赤いシールが用意されています。外装セロファンに昭和51年2月まで貼付されていました。

 

 

昭和51年3月から ≪np≫ シールを貼付しないことを周知するポスターです。たばこ店の店頭に貼り出されました。サイズがB4判で長さが38センチ近いのでスキャナーに収まりません。

 

上下2枚の画像を張り合わせたので色の違いがありますが、1枚のポスターです。このポスターは、自宅と同じ商店街にあるたばこ店で貰いました。

 

 

 

昭和52年12月には法改正が実施されます。そこから値上げは国会の承認が必要なくなり、管轄大臣の認可で公社が独自で行えるようになりました。〚日本専売公社〛に限らず、〚日本国有鉄道公社〛国鉄の運賃も同じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               白い開封テープ 〖暫定〗

 

昭和51年2月まで、値上げされた新価格の製品は、セロファンのない3級品以外の全ての銘柄で、外装セロファンの開封テープが白色に変更されていました。


 

 

新価格のパッケージで外装セロファンの開封テープが暫定的に3ヶ月間ほど白く変更されます。当時8銘柄だけ白いテープのパッケージを残しておきましたが、その中に《ハイライト》も含まれていました。

 

本来は赤い開封テープが白に変更されたパッケージです。外装セロファンをそのまま残しています。

セロファンが縮んでパッケージには皺が寄ってしまいました。セロファンの上部糊付けだけを剥がして、たばこを抜いて代わりに綿を詰めています。

 

 

 

 

 

昭和55年にも〚日本専売公社〛の定価改定が実施されます。この時の定価改定以降は、旧価格製品と新価格製品の区別がなくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 レジスターマーク

 

両サイド糊付け部分に黒く長方形の印刷があります。これは印刷を検知するためのレジスターマークと呼ばれます。〈健康表示〉が印刷されたパッケージの時代、途中から印刷されました。

 

印刷された時期は不明ですが、銘柄によってばらつきがあります。早いと1976年に見られますが、多くの銘柄では1977年~1978年以降ではないでしょうか。遅いと1980年以降も見られます。

 

 

私の手元にある最も早い印刷は《カレント》です。1976年6月にデザインが変更されて新たに発売されたパッケージに印刷されています。当時、新《カレント》は発売と同時に購入していますが、その時には印刷されていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    昭和55年(1980年)  6月  1日  新しい公社マークとなる

    昭和58年(1983年)10月頃    外装セロファンに製造年月日 印字

    昭和60年(1980年)  4月  1日  社名変更のため中止    

                          〚日本たばこ産業株式会社〛となる

 

1980年6月より専売公社のマークが【専】を図案化したデザインから煙のような雲のような形に変更されました。これまでの納税印を彷彿とさせるような証票から、イメージが一新されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    昭和57年(1982年)頃     包装形態 追加

                           【スタンダード型包装】が現れる

 

これまで ≪ロングサイズ≫ の《ハイライト》での包装形態は【U字Ⅱ形包装】しか見た事がなかったので、新たに登場した【スタンダード型包装】の出現は驚きでした。

 

短発的に登場したようです。初めて見つけたのは確か昭和57年 ~ 昭和58年頃だったと思います。出会うことはまれで、数は限られていたようです。珍しいパッケージでしょう。

 

 

 

他にも ≪ロングサイズ≫ の《セブンスター》《マイルドセブン》と、これまで【U字Ⅱ形包装】しか見られなかった銘柄に【スタンダード型包装】が見られます。この3銘柄以外の ≪ロングサイズ≫にも見られるのかは分かりません。少なくとも私の住む地域では見かけた事がありません。

 

相次ぐたばこ工場の閉鎖により、老朽化した【U字Ⅱ型包装】や【スタンダード型包装】の包装機械の置き換え処分が進み、新しい包装機械に交換されたのが大きな理由だと思われます。

 

そして〚日本たばこ産業株式会社〛の時代になると新裁断の【スタンダード型包装】は普通に見られるようになります。≪ロングサイズ≫ や ≪キングサイズ≫ では最も一般的になります。

 

 

 

            新裁断の【スタンダード型包装】

 

                  1980年より

 

1980年以降に【スタンダード型包装】の新しい裁断が見られるようになりました。従来は左サイドの下が欠けていましたが、新しい裁断には欠けがなくたばこの表と裏が逆になっています。

 

最初に新しい裁断に気が付いたのは ≪キングサイズ≫ の《キャビン85》です。《キャビン85》では【スタンダード型包装】で新裁断と旧裁断の、2種類の裁断方法が並行販売されていました。

《キャビン85》が発売された1980年7月から3ヶ月後の、10月頃にたばこ店で見つけています。

 

旧型の【スタンダード型包装】はもともと ≪キングサイズ≫ では一般的に使われていました。その後、他の銘柄でも ≪キングサイズ≫ では新裁断の【スタンダード型包装】が一般的となり、良く見られるようになります。

 

 

≪ロングサイズ≫ なのに【スタンダード型包装】で登場した3銘柄はどれも同じで新しい裁断方法です。そして3銘柄とも短発的に見られますが、なかなか巡り会えませんでした。


 

 

 

 

 

パッケージとしては、1960年に新発売当初の【太巻きハイライト】と昭和41年に浜松で試験的に販売された【スタンダード型包装】が希少だと言えます。

 

しかし〚日本専売公社〛の時代に限ると、最近の事とは言えこちらの【スタンダード型包装】も今ではなかなか目にする事のないパッケージだと思います。

 

 (〚日本たばこ産業株式会社〛の時代になると ≪ロングサイズ≫ でもごく普通に見られます)

 

 

 

 

 

 

 

 

        〚日本専売公社〛の時代、《ハイライト》で実施された定価改定

 

         昭和35年(1960年)   6月 20日 発売    定価    70円

         昭和43年(1968年)   5月   1日       定価    80

         昭和50年(1975年) 12月 18日           定価  120

         昭和55年(1980年)   4月 22日         定価  150

         昭和58年(1983年)   5月   1日         定価  170

 

          《ハイライト》は〚日本専売公社〛の2級品たばこです。

 

 

 

昭和43年(1968年)5月1日に、専売公社として初めての一斉値上げが実施されました。旧価格品と新価格品を区別するために、銘柄によっていくつかのパッケージ変化が見られます。

 

● 封緘紙のデザインを変えずに、暫定的に印刷色を変化させる。

  《ホープ》《ピース》《ルナ》《ハイライト》《ハイライトデラックス》《mf エムエフ》

  《ひびき》《トリオ》《スリーエー》の、9種類の暫定封緘紙が確認できます。

 

  《ハイライト》と《ハイライトデラックス》は、《ハイライト25》の封緘紙と同じデザインで

  (25)の数字のない色違いです。その暫定封緘紙が《ハイライト25》に引き継がれます。

 

 

 

 

● 定価改定の丸型の小さなシールをパッケージに貼付する。

定価改定のシールは全6種類が用意されたようです。印刷色と併せて中央の星の数がそれぞれ違います。たばこの値上げ価格によって違うようです。ただし、赤色=星1個は共通用なのだそうです。

 

 

こちらは赤色で中央の星が1個です。他に赤紫色=星1個、青色=星2個、オリーブ色=星3個、

レモン色=星4個、また中央に星の代わりに〈輸入たばこ〉と書かれたタイプを加えて6種類です。

 

はっきり分かりませんが、改定額が星1個=10円、星2個=20円、星3個=30円、星4個=40円なのだと思います。星の数で10円~40円までの値上げ金額を表しているようです。

 

 

《ハイライト》には値上げ専用の暫定封緘紙が用意されています。10円の値上げなので暫定封緘紙とは別に、〈赤紫色=星1個〉のシールが貼付されていた事が分かっています。

 

 

 

昭和43年(1968年)5月1日の定価改定は、たばこのフィルム包装が広く普及する前の事です。

定価改定のシールは、まだ多くの銘柄でパッケージに直接貼付されていたと思われます。

 

しかし《ハイライト》では発売当初からセロファン包装されていましたがシールの貼付が見られます。他の全銘柄に対しても、セロファンが装填される前に直接パッケージにシールを貼付していたのでしょうか?。

 

 

この2種類の方法が採られたようです。銘柄によって違うようですが、当時小学生だった私には詳しい事は分かりません。学生時代にも《たばこサービスセンター》で伺っていませんでした。

 

 

新価格の製品には〖暫定封緘紙〗を使用するか〖定価改訂シール〗を貼付して対応していましたが、値上げに合わせてパッケージのデザインを変更した銘柄もあります。

 

両切り《しんせい》《ピース》《いこい》と、フィルター付き《ハイライトデラックス》《わかば》の5銘柄です。

 

 

 

 

 

 

 

 

〚日本専売公社〛の時代のパッケージ変化はいくつか見られます。これは他の銘柄でも同じ事が言えます。共通した変化を挙げておきます。

 

  ● 昭和45年9月頃から、U字Ⅱ型包装ではサイドの白地部分の長さがレギュラーサイズ 59㎜

                      ロングサイズは 70㎜ となる。

  ● 昭和47年7月から、サイドに健康表示が印刷される。

  ● 昭和49年9月から、金色が彩色されている銘柄では、金付けが金インクに変更される。

  ● 昭和50年7月には、ごく短期間、パッケージに ≪np≫ マークが印刷される。

  ● 昭和51年6月から、順次レジスターマークが印刷される。多くは昭和52年以降です。

  ● 昭和55年6月から、公社のマークが変更される。

 

 

昭和58年10月頃より《ゴールデンバット》《しんせい》《わかば》《エコー》では、パッケージに製造年月日が印字されています。《しんせい》と《エコー》はその頃にレジスターマークが印刷されるようになりました。

 

また昭和59年頃には《しんせい》《わかば》《エコー》の封緘紙の糊付け部分の白抜き幅がそれまでの 14mm.から 17mm.へと広くなっています。他の銘柄は確認できないので不明です。

 

 

 

 

〚日本専売公社〛の時代はパッケージの印刷もキッチリとしていて、印刷会社による変化が見られません。そのためこちらの大きな変更は共通しているし、各銘柄の変化もしっかり管理されています。

 

 

 

 

 

 

 

パッケージの変化ではなく、定価改定などによる外装フィルムの変化。セロファン包装の第一号は

昭和28年からで、高級たばこ《富士》の新発売の時だったそうです。

 

《ハイライト》には昭和35年(1960年)の発売当初からセロファン包装が使用されていました。

 

  ● 昭和46年頃から、 外装セロファンが広く普及する

              (旧3級品にはセロファン包装がありません)

 

  ● 昭和50年12月から、3か月間、外装セロファンに ≪np≫ シールが貼付される。

              (セロファンのない旧3級品は直接シールを貼付)

 

  ● 昭和51年  2月まで、ごく短期間、外装セロファンの開封テープが白色となる。

              (セロファンのない旧3級品は暫定封緘紙)

 

  ● 昭和58年10月頃    外装セロファンに製造年月日が印字される。

              (セロファンのない旧3級品は直接パッケージに印字)

 

 

外装セロファンが装填されなかった〈旧3級品〉の銘柄とは、両切りの《ゴールデンバット》と

《しんせい》、フィルター付きの《わかば》と《エコー》の4種類です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           沖縄 専用  ハイライト

 

     昭和48年(1973年) 11月 1日 発売  定価 80円

 

昭和48年11月には、沖縄県専用の《ハイライト》が販売されました。廃止がいつだったのかは不明です。同じ20本入なのでご紹介しておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            日本たばこ産業株式会社            

 

1985年4月1日、〚日本専売公社〛に代わって〚日本たばこ産業株式会社〛が発足します。私がたばこのパッケージを集めていたのは〚日本専売公社〛の時代ですが、社名が変更されて収集を全くやめてしまったわけではありません。

 

全てを集める事はなくなりましたがふと思い立った時などに購入していましたし、友人からもパッケージを貰っていました。手元に残している初期のパッケージだけ一緒にご紹介します。

 

 

                1985年4月1日 以降


新しいマークに替わっています。健康表示は同じですが横書きになりました。その後文章の変更が何度も行われます。1988年10月以降は【JT】のネームが導入されます。

 

 

〚日本たばこ産業株式会社〛になると健康表示の文字が横書きになり、バーコードが印刷されました。それまでの(製造年月日)が(賞味期限)にも変更されています。

 

パッケージのデザインは変わりません。1988年2月頃より封緘紙の幅が狭く統一されます。そして1988年10月以降は順次【JT】の表記へと変更されますが、印刷は1990年頃の事のようです。

 

 

 

                   太い封緘紙

 

封緘紙から〚日本専売公社〛の時代に使われていた、煙のような雲のようなマークが消えています。だいたい3年弱ほどは販売されていました。1985年4月~1988年2月までです。

 

 

 

 

 

                   細い封緘紙

 

1988年2月頃から封緘紙の幅が狭くなりました。古くからの銘柄は封緘紙の幅が全て細くなり、このサイズに統一されています。1988年10月以降は順次【JT】へ変更されますが、登場するのはだいたい1990年頃です。こちらのマークで細い封緘紙は1年~2年程度の販売期間でした。

 

 

 

 

                封緘紙を並べて比較してみました

 

          

 

〚日本専売公社〛の時代にも1976年以降は ≪キングサイズ≫ 以上では細い封緘紙になりますが、

≪ロングサイズ≫ は太い封緘紙が使われていました。

 

〚日本たばこ産業株式会社〛の時代、1988年2月頃より全ての銘柄が細い封緘紙に統一されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     JT

 

〚日本たばこ産業株式会社〛では、1988年から順次【JT】のネームを導入しました。パッケージに【JT】のロゴが印刷されるのは1990年頃からです。【JT】になるとパッケージの基本デザインは同じですが、文字表記が目まぐるしく変化しています。

 

【JT】のパッケージもとりとめなく残していますが、箱に入れたままです。分類しましたがあまりにもパッケージの変化が激しくて、所持している種類が少ないので細かい変化は全く分かりません。

 

【JT】のロゴは当初サイドに大きく描かれましたが、1997年頃から小さくなり社名と並べて表示されます。【JT】表記のパッケージは、まだロゴが大きく書かれたこの1枚しかありません。

 

 

 

【JT】のロゴが初期の大きな表示の時代には、全ての銘柄に定価記号がサイドに小さく印刷されています。(GA-20)とあります。定価が200円と言う事です。健康表示は3段で印刷されています。

 

ニコチン、タール量も記載されています。ニコチン 1.7㎎. タール 22㎎. です。このあと2回ほど減量されますが、こちらは旧来からの最も高い数値です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〚日本専売公社〛の時代のフィルターたばこを、ぼちぼちと発売順にご紹介する予定でいます。

 

《ハイライトデラックス》《ハイライト25》《ハイライトエキスポート》など、《ハイライト》の他の仲間は以前まとめてご紹介していますが、発売順で改めて個別にご紹介します。