1964年10月、第18回 東京オリンピックが開催されました。アジアで初めての開催で、戦後日本の復興を世界に示すこととなりました。この時には記念切手をはじめ、日本初の記念硬貨も発行されています。千円銀貨と百円銀貨が用意され、記念貨の人気は高く世の中が沸き立っていました。

 

たばこの銘柄でも東京オリンピックに因んだ新製品が発売されています。定価と別に10円の寄付金がつけられた、両切りとフィルター付きレギュラーサイズの《オリンピアス》が2種類とフィルターロングサイズの《とうきょう64》が発売されました。

 

 

 

昭和35年の《ハイライト》に続いて、昭和38年12月1日から10円の寄付金が加算された新製品として《オリンピアス》が新発売されました。レギュラーサイズで10本入小箱の製品です。フィルター付きと両切りの2種類が、どちらもレギュラーサイズで発売されています。

 

昭和39年9月からは《とうきょう64》と名付けられた、20本入でロングサイズ フィルター付きの新製品が新たに発売されます。

 


 

〚日本専売公社〛から発売されたフィルターたばことしては、《オリンピアス》が《ハイライト》に続いて新発売された3番目の製品となります。

 

《とうきょう64》は、フィルターたばことしては4番目の新製品《ロングホープ》に続いて発売された、5番目の新銘柄です。

 

 

 

 

 

             10本入 レギュラーサイズ 《オリンピアス》

 

10本入小箱の《オリンピアス》は寄付金付きの銘柄で、5ヶ月間の期間限定商品でした。サイズはレギュラーサイズです。両切りは《ピース》と同じ体裁で、フィルター付きは《ショートホープ》と同じ体裁でした。どちらもハードボックスの小箱です。

 

当時の価格を見ると《ショートホープ》と《ピース》はそれぞれ40円でした。《オリンピアス》の定価は50円なので10円高額です。

 

当時、高級品と言われた《富士》が両切り10本入で同じ体裁の小箱でした。販売価格も同じく50円です。《オリンピアス》は同じクラスと言えるでしょう。そこに寄付金10円が付加されますので、かなり高額な製品だったと思います。

 

 

 

            オリンピアス (両切り)

 

               レギュラーサイズ 10本入

 

       昭和 38年 12月   1日     売価  60円 

                            定価  50円

                    寄付金 10円

       昭和 39年   4月         製造中止

 

 

 

                     内箱

   金紙には五輪マークがエンボスされています。金メダルを意識して金色なのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          オリンピアス (フィルター)

 

               レギュラーサイズ 10本入

 

       昭和 38年 12月   1日     売価  60円 

                            定価  50円

                    寄付金 10円

       昭和 39年   4月         製造中止

 

             違いは地色だけで、サイズも価格も一緒です

 

 

 

 

 

 

       中箱と金色の包み紙です。金紙には五輪マークがエンボスされています。

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昭和39年9月には、20本入のフィルターたばこ《とうきょう64》が発売されます。記念たばこでありながら新銘柄の製品でもありました。定価の100円は、当時としては割高の価格だと思います。

 

同時期に発売されたフィルターたばこ《ロングホープ》《ロングピース》は同じ20本入でも80円の時代です。昭和35年に先んじて販売されていた《ハイライト》は70円でした。

 

 

 

                とうきょう 64

 

     昭和 39年   9月   1日            定価 100円 

     昭和 39年 12月     デザイン変更により中止

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     昭和 39年 12月       デザイン変更  定価 100円

     昭和 41年   9月       製造中止

 

オリンピックが終了すると、新発売から4か月後には同じデザインで五輪マークが削られた製品が登場しています。これは昭和41年9月まで販売が続きました。2種類の記念たばこが存在します。

 

 

               2種類の【記念たばこ】に利用

昭和39年9月5日に同じデザインで同じ名称の【国際通貨基金 国際復興開発銀行 東京総会】の記念たばこが用意され、東京に販売地域を限定して発売されました。

 

昭和40年9月17日には、【英国博覧会】の記念たばこが〚日本専売公社〛初めてのハードボックスで用意されています。こちらの販売地域も東京です。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      昭和36年12月5日  オリンピック東京大会 協賛

 

                             数量 500万個

 

東京オリンピックの協賛たばこ第一号です。《ピース》が利用されています。昭和39年10月1日には、オリンピック競技のイラストを描いた《ピース》が全20種類同時に発売されます。

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     参考 〚記念・観光たばこデザイン 第1集〛掲載より =

 

先に述べた通り、《とうきょう64》を利用して2種類の記念たばこが発売されています。どちらのパッケージも〚記念・観光たばこデザイン 第1集〛に掲載された画像をお借りしました。

 

 

        国際通貨基金 国際復興開発銀行 東京総会

 

   昭和39年9月5日   販売地域 東京都  数量 25万個

 

 

 

 

 

 

 

                   英国博覧会

 

   昭和40年9月17日   販売地域 東京都  数量 100万個

 

【英国博覧会】のパッケージは〚日本専売公社〛初めてのハードボックスとして発売されました。

現在ではごく普通に見られるボックスタイプで、【ヒンジリット型】と呼ばれる包装形態です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京オリンピックの寄付金募集のため、第1回アテネ大会から12枚がセットになった切手のようなシートが用意されていました。オリンピックが開催された各都市の風景がデザインされています。

 

 

以前、当ブログで2021年東京オリンピックに併せて12枚をご紹介していますのでご参照ください。第16回までの10枚は開催された都市の風景が描かれていて、水彩画風の美しいデザインです。

 

オリンピックの記念切手のようなシール | アリタリアfujiのブログ (ameblo.jp)

 

 

 

 

 

             1964年の東京オリンッピク公式ポスター
 

公式ポスターは何種類かあったようです。こちらも以前各国のポスターと一緒にご紹介しています。

 

 

 

 

 

 

 

1964年の東京オリンピックでは、2銘柄4種類の専用煙草が用意されていました。嫌煙が進んで喫煙者の減った現在、2021年 東京オリンピックの新銘柄はもちろん販売されていません。