つい先日、ネットニュースで手塚治虫氏の ≪ブラックジャック≫ の記事を見かけました。AIを活用して新作が作られたと言う事です。ご長男で、現在手塚プロダクションの代表取締役の《手塚真》氏が発表されていました。200話ほどが作られ【週刊 少年チャンピオン】で連載されるとあります。
≪ブラックジャック≫ は集めていましたのでそこから【少年チャンピオンコミックス】のレーベルで出版されていた過去のコミックスについても調べたところ、いろいろと面白い記事に出会いました。
昭和49年からの出版なので現在では差別用語とみなされる表現があったり医療漫画なので内容について市民団体から抗議が出たり、または医療錯誤などによって、現在封印された作品がいくつか存在します。封印作品については、1~2作は私も知っていましたがほかにも結構多い事に驚きました。
隣りが書店で親戚だったので漫画本は少年少女共にすべて読んでいました。手塚治虫氏が大好きだった私は、【少年チャンピオン】では ≪クレーター≫ や ≪ブラックジャック≫ には夢中でした。
学生時代には高田馬場に住んでいましたので地の利を生かして古書店を巡り、高田馬場駅横の商業ビル【ビッグボックス】で毎月開催される古書感謝市にも欠かさず出かけて、≪ブラックジャック≫ の初版本を探していました。
手塚プロダクションは近くにありましたが、『忙しくて迷惑だろう』とか『どうせ会えないだろう』などと理由をつけて、意気地のない私は訪ねる事ができませんでした。
昭和51年頃から探し始めましたが、当時から〈第1巻〉はなかなか見つからず苦労していました。そして、結局〈第2巻〉には巡り合うことができませんでした。他はそんなに大変ではなかったのですが…。 それでも【初版】にこだわりましたので結構時間がかかっています。
第12巻からは書店で新刊本を購入していますので、第1巻~第11巻までの11冊を探したのですが、集まるまでに2年ほどは費やしたでしょうか。
第1巻から第6巻あたりまでの初期作品集は少なく、漫画市場でもなかなか見かけないと言う事です。また帯付きが2冊含まれますが、いずれも少ないと聞きました。
中でも第1巻発売時にはまだ ≪ブラックジャック≫ の知名度が低く、特に少ないようです。確かに、私が探していたのは発刊から2年ほど経過した頃ですが、古書店で見かける事がなくてようやく見つけるまでに2年程が必要でした。
今回から一回に8冊程度づつ、三回に分けて【少年チャンピオンコミックス】のレーベルで出版されていた ≪ブラックジャック≫ をご紹介します。古書店での購入価格も、私は価格シールをできる限り当時のまま残していますので購入場所などと併せて掲載します。
ブラックジャック 第1巻
昭和49年 5月 20日 初版発行
この本は入手までに手間がかかりました。昭和51年(1976年)頃から探し始めて、ようやく見つけたのは昭和53年(1978年)頃だったでしょうか。
早稲田通りにある古書店で見つけました。カバーの状態が悪く、画像で分かる通り表紙が破れています。それでも初版だったので購入しました。価格は100円です。
第1話 医者はどこだ
第2話 海のストレンジャー
第3話 ミユキとベン
第4話 アナフィラキシー
第5話 人間鳥
第6話 海賊の腕
第7話 ふたりの修二
第8話 鬼子母神の息子
ブラックジャック 第2巻
昭和49年 5月 20日 初版発行
初版本に出会う事ができませんでした
どこの古書店でも見かけませんでした。当時の情報では、少ないのは物語の一話が他の作品に差し替えられているからだと聞いていたのですが?、ネットの情報ではそのような話が出てきません。
ブラックジャック 第3巻
昭和49年 11月 30日 初版発行
早稲田通りの古書店で購入しました。そんなに苦労する事なく、昭和51年(1976年)頃には見つけています。価格は200円です。
≪第19話 血がとまらない≫ は血友病の話です。雑誌掲載時とコミックスでは多くのセリフが書き換えられたようですが、加山雄三氏主演のテレビドラマに血友病の団体からの抗議があり、封印されたようです。〈チャンピオンコミックス〉の他は、部数限定の ≪ブラックジャック大全集≫ 以外収録されていないと言う事です。
第18話 木の芽
第19話 発作
第20話 血がとまらない
第21話 誘拐
第22話 万引き犬
第23話 パク船長
第24話 白葉さま
第25話 ときには真珠のように
第26話 獅子面病
第27話 閉ざされた三人
ブラックジャック 第4巻
昭和50年 3月 30日 初版発行
こちらも昭和51年から古書店で探し始めて、そんなに苦労せずに入手しています。価格シールがなく正確ではありませんが確か200円程度でした。早稲田 鶴巻町の《ナイキまんが図書館》の販売会で〈第5巻〉と一緒に購入しました。どちらも貸本落ちではありません。
こちらには封印作品が2作載っていて有名です。≪第29話 しずむ女≫ は知的障害者への差別用語のため、作品集や文庫には収録されていないようです。
≪第37話 植物人間≫ は昭和52年頃までの掲載で ≪からだが石に≫ へ差し替えられたようです。その他には ≪第32話 2人のジャン≫ もシャム双生児の話で、扱いが難しいようです。
第28話 焼け焦げた人形
第29話 しずむ女
第30話 ピノコ生きてる
第31話 ある教師と生徒
第32話 2人のジャン
第33話 誤診
第34話 目撃者
第35話 赤ちゃんのバラード
第36話 純華飯店
第37話 植物人間
ブラックジャック 第5巻
昭和50年 5月 20日 初版発行
こちらも早稲田にある《ナイキまんが図書館》の販売会で〈第4巻〉と一緒に購入しました。価格は200円程度です。実はこの時、〈第2巻〉の初版もないかと期待していたのですが見つかりませんでした。現在この本も初版は希少とされていますが、それは帯付きがとても少ないと言う事です。
第38話 めぐり会い
第39話 人面瘡
第40話 にいちゃんをかえせ!!
第41話 二つの愛
第42話 はるかなる国から
第43話 白いライオン
第44話 電話が三度なった
第45話 ピノコ還る
第46話 アリの足
ブラックジャック 第6巻
昭和50年 9月 5日 初版発行
この本も初期のコミックスとして初版はなかなか少ないようです。≪第56話 水頭症≫ は、確かコミックスの4版まで掲載されて封印されたと聞いています。部数限定の〈ブラックジャック大全集〉に掲載された以外はどの単行本にも掲載されていません。
昭和54年(1979年)頃、大阪ミナミの大きな古書店で購入しています。第8巻~第10巻までの3冊と併せて合計4冊をまとめて購入しました。価格はいずれも200円です。
第47話 針
第48話 灰色の館
第49話 化身
第50話 ブラック・クイーン
第51話 ちぢむ !!
第52話 えらばれたマスク
第53話 のろわれた手術
第54話 なんという舌
第55話 イレズミの男
第56話 水頭症
ブラックジャック 第7巻
昭和51年 1月 20日 初版発行
こちらには店名の入ったシールがなく、どこで購入したのか分かりません。価格は170円でした。鉛筆書きで価格のみが書かれています。いずれにしても早稲田か神保町の古書店のどちらかです。
購入してすぐにパラフィン紙をかけていました。そのため本体カバーは奇麗です。パラフィン紙は40年以上が経過してボロボロだったのでスキャンの時にはずしました。
第57話 シャチの詩
第58話 スター誕生
第59話 コルシカの兄弟
第60話 オオカミ女
第61話 ハローCQ
第62話 ピノコ・ラブストーリー
第63話 地下壕にて
第64話 デベソの達
第65話 おばあちゃん
第66話 ガス
ブラックジャック 第8巻
昭和50年 6月 30日 初版発行
第6巻と一緒に購入しています。昭和54年(1979年)頃、大阪ミナミの大きな古書店で購入しました。第6巻と一緒に第8巻~第10巻まで、併せて4冊を同時に買いました。4冊とも価格は同じで、いずれも200円です。いずれの本もまだ出版されて間もないので、カバーの状態は奇麗です。
購入してすぐにパラフィン紙をかけていました。そのため本体カバーは奇麗です。パラフィン紙は40年以上が経過してボロボロだったのでスキャンの時にはずしました。
第67話 ストラディバリウス
第68話 灰とダイヤモンド
第69話 魔王大尉
第70話 ネコと庄造と
第71話 友よいずこ
第72話 サギ師志願
第73話 報復
第74話 かりそめの愛を
第75話 古和医院
第76話 道すがら
今回は第1巻~第8巻までご紹介しました。次回は第9巻~第16巻までの8冊をご紹介します。