学生時代、都内4か所の《たばこサービスセンター》を廻って現行煙草の情報を得ていた私は、カウンターに用意されていたサービス品もしっかり貰っていました。中でも【喫煙室】と言う、無料なのに本としての体裁を整えているコラム集には夢中でした。
そんな無料サービス品の中に【痛快ライフ】と言うコラム集がありました。総ページ数が25ページ程度で、サイズは縦18.5センチ、横12センチ程度と小型で薄手の小冊子です。
見た目はパンフレットのようですが著名人の対談やコラムが掲載されていて、中綴じで25ページはありますのでコラム集の冊子としての体裁は整えているように思います。
当時は何となくカラフルな表紙なので目に付いたと言った感じです。イラストなのが気に入っていました。特集として取り上げた題材について語る、著名人の簡単な対談やコラムが掲載されています。
販促だからでしょう、表紙に必ず商品名の分かる一箱のたばこが描かれている所は面白い演出です。《チェリー》《マイルドセブン》《キャビン》が描かれています。今ではイラストとは言え、このように煙草を描いてプカプカさせている冊子の表紙など見られないのかもしれません。
《チェリー》以外は当時の新製品です。《チェリー》は全国の観光たばこにも利用され、他の宣伝でも良く顔を見ます。販売実績を伸ばしたいのでしょうが、若い喫煙者の人気はいまひとつでした。
痛快ライフ
特集 = 冒険
昭和51年 3月
巻頭に ≪虫明亜呂夢≫ 氏と ≪真鍋 博≫ 氏の対談が掲載されています。他に私の知っている著名な方では、≪沢たまき≫ さん、≪藤田弓子≫ さんなどのお名前が見られます。
痛快ライフ
特集 = ダンディ
昭和51年 11月
巻頭に ≪浅井新平≫ 氏と ≪伊丹十三≫ 氏の対談が掲載されています。他に私の知っている著名な方では、≪太地喜和子≫ さん、≪和田 誠≫ さん、≪竹村健一≫ さんなどのお名前が見られます。
痛快ライフ
特集 =パロディ
昭和52年 12月
巻頭に ≪植草甚一≫ 氏と ≪つかこうへい≫ 氏の対談が掲載されています。他に私の知っている著名な方では、≪前田美波里≫ さんなどのお名前が見られます。
痛快ライフ
特集 = SF
昭和55年 3月
巻頭に ≪小尾信ジ≫ 氏と ≪光瀬 龍≫ 氏の対談が掲載されています。他に私の知っている著名な方は、映画評論家の ≪井口健二≫ 氏などのお名前のほか、≪竹宮恵子≫ さんのお名前も見られます。
裏表紙(共通)
裏面は色無地で共通しています。各号によって色違いになっています。【特集 ダンディ】の裏表紙は赤色でした。【特集 冒険=青色】【特集 パロディ=緑色】【特集 SF=黄色】です。
この冊子は季刊のようです。どうも年4回の印刷のようですが、何号まで発行されていたのか全く分かりません。とりあえず《たばこサービスセンター》へ出かけた時に見つけると貰ってきていました。そのため4冊しかありません。
ネットで情報を拾おうと思いましたが、25ページ程度と薄くて見た目もパンフレットのような体裁だし、何より45年も前に印刷されているためでしょうか、記事が見つけられませんでした。
ところで、【JT】ではパッケージやポスターなど、歴史的な印刷物は ”たばこと塩の博物館” あたりでしっかりと保存されているようです。
それでは、こちらのような販促用に用意された宣伝用の印刷物などはどうでしょう?。贅沢な造りのコラム本【喫煙室】や【たばこと私】【ハーフタイム】あたりは保存されていそうな感じがします。
しかしその他にも、【たばこ読本】【たばこの窓】や製品パンフレットなど、ささやかな販促印刷物は膨大な種類が用意されていたと思います。それらをしっかりと保管されているのでしょうか。
もし存在するのであれば、季刊で継続印刷されていたコラム集や《たばこ読本》と言った中綴じの冊子のほか、主な製品パンフレットなどの写真集あたりを作っていただきたい所です。
前回ご紹介した【ハーフタイム】にしろ今回の【痛快ライフ】にしても、書かれている情報としてはかなり時代遅れと言えます。内容がどうこうと言うより、私の中ではこれらの冊子自体が懐かしい思い出の存在となっています。40年以上前ですが、見返すと表紙などけっこう覚えているものです。