今回は、食糧庁所管の”農産物検査印紙”をご紹介します。1954年4月1日より施行された、米や麦、大豆をはじめとする豆類など、各種農産物の検査手数料の納付に使用された印紙です。

2006年に廃止されましたので、現在では見られません。

 

私は小学生の低学年の頃から切手を集め始めましたが、12歳の頃には記念切手より普通切手や収入印紙に興味を持つようになりました。見るからに派手な記念切手があまり好きではなかったのです。

 

高校一年の頃、郵趣協会の【日本切手百科事典】を購入し、各省庁が所管するさまざまな印紙類、証紙類が存在する事を知り、当時現行で手に入れられるものを集めていました。

 

さて、それではそれらの印紙類はどこで手に入れられるのか?。売りさばき所の分からない私は、先ず郵便局で尋ねました。”農産物検査印紙”は、「農協あたりで売っているのではないか」 と教えて貰い、地元の農協へ出かけました。

 

ほとんど地元の農協で購入する事が出来ましたが、最高金額の5000円印紙だけ置かれていませんでした。そこで、隣りの大きな市の農協まで出かけ、漸く5000円の印紙を手に入れています。それでも在庫枚数が少なく、銘版付きがありませんでした。

 

昭和29年からの制度で歴史が長く、印刷された時代によって紙質の変化や裏糊の変化などがあるのでしょうが、私はそこまで調べていません。

 

 

1975年8月25日より、稲穂を描いた新デザインに変更されます。金額によって色だけを変えた、統一デザインになります。私が購入したのは1973年頃でした。銘版付きを貰っています。

 

 

 

           1954年4月1日  発行

        1975年8月24日 迄  (デザイン変更)

 

              平版印刷

 

      

 

 

1円はオレンジ色をしています。のちに黄色に変更されるようですが、私は確認していません。印刷が上にズレているようです。印面の下の空白が大きく、銘版も目打ちギリギリです。

 

2円は灰白紙のようです。目打ち形式も違います。2円印紙の使用頻度が低く、長期間農協に在庫として残っていたのでしょう。2円以外、他の額面は全て純白紙です。

 

 

      

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            1970年1月20日  発行

         1975年8月24日  迄  (デザイン変更)

 

              凹版印刷

 

 

 

      1円~500円の印紙より大きく、また印刷も凹版印刷で立派な印紙です。

 

 

 

 

 

千円印紙より一回り大きく立派です。デザインも富士山と桜が描かれ、とても豪華です。これは隣接する市まで出かけて購入しましたが、在庫が少なく銘版付きはありませんでした。

 

 

 

 

        1円と2円だけは、銘版部分をブロックで購入していました。

 

単片で購入した銘版付とは違い、印刷と目打ちが揃っています。これは、新しいシートからこの部分だけブロックでカットしてもらいました。シートでも100円なのですが、購入していません。

 

 

 

 

 

 

 

紙質は純白紙と淡褐色紙の違いが見られ、目打ち形式も違います。このブロックでは目打ち形式の名称までは分かりません。ただ印刷された時代が違う事だけは分かります。

 

 

 

 

 

 

 

次回は、1975年8月25日より発行された、新デザインをご紹介します。