昭和43年から刊行された週刊漫画アクションのコミックスは、無線綴じのB5判で出版されたのは初期の12冊だけで、その後はB6判に変更されます。しかし一部の作品は無線綴じのままB5判での出版が続きました。注目を集めた人気作品を総集編として発行していたと思います。

 

ところがその出版は長くは続かず、昭和50年を最後に姿を消してしまいました。そのため期間が限られてしまい、昭和43年~昭和50年までと8年間だけの出版となりました。その数は全72冊なのだと思います。

 

 

19歳の時に一ヶ月だけ住んでいた、大学4年だった親戚の4畳半に残されていた2年間ほどの週刊漫画アクションを読破して、すっかり嵌ってしまった私には気に入った作品が多くありました。そのあたりが雑誌サイズになっていたので「よし!、全部集めてみようか」と思い立ったわけです。

 

その時に読んだ2年間ほどの漫画アクションには、上村一夫氏の作品は≪離婚倶楽部≫が最初から連載されていました。離婚倶楽部と言う店名のバーのママの話なのですが、落ち着いた面白い作品です。その前の作品は記憶にありません。

 

≪離婚倶楽部≫が終了すると、そのあとは≪サチコの幸≫へと連載が続きます。19歳の時に週刊漫画アクションにリアルタイムで掲載されていた【上村一夫】氏の作品は、ちょうど≪サチコの幸≫を連載中で、その作品にも夢中になりました。

 

 

B5判の雑誌サイズで出版された上村一夫氏の作品は、≪マリア≫と≪同棲時代≫の二作品だけです。

今回ご紹介する≪同棲時代≫は中学生の時から題名だけは知っていたので、読んでみたかった作品です。

 

≪同棲時代≫が本誌に連載中は、私はまだ中学生の頃です。隣が親戚で書店だったので、全ての少年少女雑誌は借りて読んでいましたが、表紙に裸の女性が描かれていると 「これは大人の本です!」 と言う事で叔母に読ませてもらえませんでした。

 

こちらは描かれていませんが、私自身がこの題名から 「多分ダメだろう」 と自粛して借りませんでした。テレビ嫌いの私でしたが、大信田礼子さんの歌もヒットしていた事は記憶に残っています。

 

 

この本は早稲田の古書店にあった、山積みされた投げ売り本ではあまり見かけませんでした。高田馬場駅横に立つ商業ビル、ビッグボックスで毎月第一週に行われた古書感謝市で探しています。ただ

≪マリア≫だけは池袋のデパートの古書市で見つけています。昭和53年~昭和55年の間です。

 

マ リ ア         上村一夫       S.47.6.1.     250円
同棲時代第1集        上村一夫       S.47.11.20.     250円
同棲時代第2集        上村一夫       S.47.12.20.         250円
同棲時代第3集        上村一夫       S.48.4.1.     250円
同棲時代第4集        上村一夫       S.48.5.15.     250円
同棲時代第5集        上村一夫       S.48.10.10.     280円
同棲時代第6集        上村一夫       S.48.12.1.     280円

 

 

 

                    マリア

 

 

昭和53年、池袋のデパートで開催された古書市で見つけました。価格のラベルを見ると、大田区の古書店の出品です。未使用のような状態の良い本で、150円でした。この時、同じ書店でモンキーパンチ氏の未使用のような≪シャム猫≫の他、併せて4冊をいずれも150円で購入しています。

 

≪マリア≫は同じフロアで他の古書店では、ずっと状態の悪い同じ本が1000円で販売されていて、「書店同士で確認しないのだな」 と思いつつ、「これが古書探しの面白さだナ」 と思ったものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビッグボックスの古書感謝市で、6冊セットで1200円で購入しました。昭和55年の事です。どれも未使用のように開かれた跡がない、状態の良い本です。ただ、第二集の表紙に書き込みがあり気に入らず、改めて購入しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この巻だけ余り状態が良くなかったので、ビッグボックスの古書感謝市でもう一冊買いました。買いなおしたこちらも未使用のように状態の良い本で、150円でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私も大好きな曲、1976年にリリースされた森田童子さんの歌う【ぼくたちの失敗】は、≪同棲時代≫を地で行くような作品のように私には思えるのですが…。

 

≪子連れ狼≫や≪柔侠伝≫シリーズは、読み古された本が山積みされた投げ売り本でよく見かけたのですが、こちらはあまり見かけていません。世の中で騒がれた割にはそんなに流通しなかったのかもしれません。

 

豪胆で痛快な男性が主人公ではなく、若さに揺れ動く男女の物語なので読者層が限られたのでしょうか。こちらでご紹介した本の状態の良さを見ても、書店に売れ残った未販売の在庫品だったような気がします。

 

上村一夫氏のお名前が注目されるのは、亡くなられて以降のような気がします。≪サチコの幸≫で夢中になった私はその後もB6判のコミックスを、初版が出版されるのを待ちわびて購入してしていますので、いずれご紹介します。