中学生のころ、親の知人が伊豆で行われた新年会に行ったと言う事で、手土産に射的の景品を貰いました。中学生の私にとってはいかにも子供だましのような感じがします。始末することなく自室のガラスケースにしまい込んでいましたのでご紹介します。昭和46年ころのことです。
ふつう、中学生の男子となれば、「おいおいもう子供じゃないぞ!馬鹿にするなよな」と言う所でしょうが私は結構気に入っていました。まあ、全部が気に入ったと言う訳でもありませんでしたが…。
私が成人してから以降に見られる景品は、かわいらしさを強調したような派手な姿が多いように思いますが、このころは写実的というか、レトロ感があって地味で渋い感じが多いような気がします。
だからこそ私も気に入っていたのだと思います。さすがにいかにも派手でかわいらしい子供向きのものには興味を持てません。
作られたのはたぶん瀬戸が多いのだと思われますが、これははっきりとしたことは分かりません。
中でもピクシーはレトロで渋く、一目で気に入りました。私はずっとピエロと思い込んでいましたが、ご指摘を受けましたので修正します。幼いころから、以前ご紹介した塩コショウ入れのピエロを大切にしていて、雰囲気が良く似ていますので親近感を持ったのかもしれません。
高さ 6.7センチ
何よりこの顔が気に入りました。子供のようですが人間離れした感じでレトロな雰囲気です。僅かにペイントロスが見られ、雑な絵付けが見てとれます。長い間射的場に並んでいたような感じです。
一見すると古ぼけた感じで、射的場でも人気がなかったのかもしれません。貰ったのは1971年の正月頃ですが、多分作られたのは1960年代と言う所でしょうか。
高さ 6センチ程度
鳥の磁器玩具です。こちらも頭の部分など、最初からわずかにペイントロスが見られました。磁器で重量感もあり、貰った時から結構気に入っていました。
高さ 8センチ程度
ビスク製の象です。子供だましの感じがしますがビスクなので派手な雰囲気はなく、こちらも貰った当時から結構気に入っていました。
猿の親子
高さ 親ざるで9センチ程度
陶器製の猿の親子です。射的場では別々に並んでいたのでしょうが、こうして並べてみると親子になります。どうも子供に受けるとは思えないような渋い姿です。そんな渋さが気に入っています。
象
高さ 9センチ程度
半磁器製の象です。半磁器の上から施釉されている為でしょうか、全体に貫入が見られます。可愛らしさの感じられないところが気に入っています。同じポーズの象はほかにも幾つか見かけた事があります。模倣かも知れません。
狸
高さ 13センチ程度
陶器製の狸です。これも射的場に長い間並んでいたような感じがします。初めからこんな薄汚れた姿をしていました。
バンビ
高さ 8センチ程度
陶器製の小鹿です。同じ姿が二体いました。子供受けはするような姿をしています。そのため、子供のためと言う事で二体獲得したのかもしれません。
このあたりが私が14歳のころにもらった射的の景品です。
大人になってからの射的人形
27歳頃の事です。仲間とゴルフのため伊豆へ出かけました。その晩、ほろ酔い気分で射的場を二三件はしごしました。その時の景品も残しています。私は人形だけ貰い、そのほかの玩具類は仲間が子供のためにと、持ち帰っていました。
高さ 13センチ程度
磁器製の少女です。羽があるので天使でしょうか。磁器製と言う所に惹かれました。旅館に戻ってから皆でもう一度飲みなおし、その時うっかりと落として割ってしましました。がっかりです。しかし捨てるには惜しく、持ち帰って修復しました。
高さ 11センチ程度
陶器製の少女です。こちらは顔がレトロな雰囲気です。なんだか売りもの(商品)という感じがなく、いかにも”射的の景品”と言う感じがしているので気に入りました。
高さ 10センチ前後
陶器の女性です。こちらもいかにも射的人形という感じです。絵付けは後彩色で水に濡らすと落ちてしまします。汚れても拭くことができません。
高さ 13センチ前後
顔と手の部分だけ後彩色です。顔は体と同じ水色の釉薬がかかっているようで、彩色のない姿もあります。
私は温泉街で射的場に入るのは、この時が初めてでした。実はこの時の射的場で、運命的な出会いというか、私が一目で虜になった人形と出会います。その話は次回に…。