今日は、久しぶりに暖かい外出日和の一日です。 自由に外出できるのが当たり前であるうちは、あらためてそのありがたさを意識することもありませんね。

 
 

母の気持ち

 

母の要介護認定のレベルが上がり、特別養護老人ホームでの生活を始めるようになった頃、母の外出の自由は、一挙に制限されました。日々の生活に支障が大きくなったとは言え、母の気持ちはどうだったのでしょうか。その頃の母を振り返ると、すっかり優しくなり、「ありがとう」「ありがとう」を繰り返すようになっていました。
 

要介護初期の頃

脳梗塞で倒れた後、後遺症はないように思われました。しかし、父が亡くなった後 一人暮らしをするようになった母は、 日常生活が難しくなるほど認知症が進んで行きました。 母の友人 から私のところに連絡があり、実家に戻って同居 することになりました。 今まで離れて暮らしていたこともあり、私にとってその頃が 一番辛い時期になりました。

 

母にとってみれば、自分の家に娘の家族が入り込んできたわけですから、居場所を占領された ような気分だったのでしょう。

 

「通帳を取った」 

「タンスを勝手に開けて、洋服を盗んだ」

「除け者にして、悪口を言っている」

 

など、こちらの身に覚えのないこと をぶつけてきたりしました。

 

デイサービスに行くようになると、 スタッフの 迎えに応じないこともたびたびありました。鍵がかかっていて、出かける気がなく起きてこないのです。私たち家族は、勤めに、学校に、保育園にと、留守になった後なので、勤め先に電話がかかって来ることもありました。

 

デイサービスから戻ると、私の留守中に買い物に出てしまうこともありました。冷蔵庫にあったお菓子が、すっかりなくなっていることもありました。

 

家にいるはずの母の姿がなくて、夕方から夜まで、ベビーカーに子どもを乗せて探し回ったこともありました。 

 

口喧嘩になった翌日、 テーブルには母の通帳がそろえて置いてあり、いつまでも起きてこないことがありました。もうろうとしている母に驚いて、救急車を呼んだこともあります。幸い、一日病院で検査しただけで、何事もありませんでした。

 

 

 

 

介護休業、介護休暇、給付金    利用の呼びかけ

介護休業、介護休暇、介護休業給付金の制度を 知らない人が多く、介護離職を選択する場合が 増加していると言います。

   

母が認知症の診断があってから、段階的に介護サービスの支援を受けました。ヘルパーの自宅訪問、デイサービス、ショートステイ、そして最終的に特別養護老人ホームの利用です。いずれも介護者の負担を軽減する目的と、利用者の 活動を促す意味があると思います。

 

 

 

 

勤務、子育て、介護を両立することは、本当に大変でした。施設を利用しても、ケアマネージャーとの定期的な懇談、病院への付き添い、薬の管理等に時間が取られます。デイサービスやショートステイについては、利用者本人の受け入れる気持ちが必要です。

 

特別養護老人ホーム に入所するようになってからは、それらの負担が軽くなりました。ただ、母の立場からすると、外出外泊が制限され、施設での生活にも、人とのかかわりに難しさを感じることもあるようでした。

 

自宅に連れてきたり、 お昼を一緒に外で食べたりしましたが、施設に迎えに行くと、外出を楽しみに待つ母の姿がありました。施設に帰りたくないと悲しい顔をされることもありました。

 

 介護休業制度は、地域のサービスを把握し、勤務先の理解を得ることで、利用可能な制度ではないでしょうか。何よりも介護者自体が、精神的に病むことがないよう、制度を知っておくことは必要です。

 

 

 

次は、

自分が介護される番かなぁ。ずっと先の話じゃないなぁ。